報道発表資料

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2014年07月14日
  • 地球環境

「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)第19回会合」の結果について(お知らせ)

7月11日及び12日にフランス(パリ)にて開催された主要経済国フォーラム(MEF)について、結果の概要をお知らせします。我が国からは、尾池外務省地球規模課題審議官他が出席し、議長はファビウス仏外務大臣とアトキンソン米大統領次席補佐官が共同で務めた。

1.日時

  平成26年7月11日(金)-12日(土)

2.場所

  フランス(パリ)

3.参加国

世界の排出の大部分をしめる主要経済国(17の国と機関:日、米(共同議長)、英、仏(COP21議長国、今次MEF共同議長)、独、伊、加、露、中、印、韓、豪、墨、南ア、伯、インドネシア、EU(イタリア(議長国)及び欧州委員会(EC)))およびオブザーバー10カ国(ニュージーランド、ポーランド(COP19議長国)、ペルー(COP20議長国)、サウジアラビア、シンガポール、マーシャル、ガンビア、タンザニア、トルコ、デンマーク)、国連気候変動枠組条約事務局長及びADP共同議長他が参加した。(我が国からは、尾池外務省地球規模課題審議官他が出席。)議長はファビウス仏外務大臣とアトキンソン米大統領次席補佐官が共同で務めた。

4.概要


(1)資金

各国が、リマCOPに向けた緑の気候基金(Green Climate Fund)の初期資金動員の重要性を強調するとともに、2020年まで、および将来に向けた気候資金の重要性に言及した。また、各国から公的資金、民間資金を含めた資金動員による気候資金の拡大が重要との指摘があるとともに、先進国から途上国への資金の流れのみならず、南南協力等を通じた途上国間の資金の流れも着実に拡大しているとの指摘がなされた。

また、先進国からは、気候資金の拡大のためには、民間資金の活用が重要であり、そのためにも、ドナー国の支援と同様に支援受け入れ国側の投資環境整備も重要との主張がなされるとともに、公的資金については、小島嶼国やLDC等の脆弱国への適応等の支援の重要性を認識しているとの発言がなされた。途上国からは、民間投資もさることながら予測可能性の高い公的資金が重要である、適応への支援の拡大が重要との発言がなされた。


(2)約束草案とそのコンサルテーション

COP19決定において2015年のCOP21に十分先立って(可能な国は同年第一四半期までに)提出することが招請されている各国の約束草案に関し、提出にむけた国内準備状況、対象範囲、終了年、および提出された約束のコンサルテーションについて各国が発言した。

冒頭、議長の米国から世界の排出の大部分を占めるMEF諸国は、2015年の第一四半期に提出することが望ましい旨述べ、約束草案の中心は緩和であるべきと述べた。提出時期については、一部の国は第一四半期の提出に言及するとともに、MEF諸国が第一四半期に提出することはその他の各国の提出を促進する上で重要との主張がなされた。一方で、選挙等の約束の決定における内政上の制約や、約束草案準備に向けた取組状況を説明する国もあった。我が方は、原子力発電所の再稼働や再生エネルギーに関する状況を説明するとともに、現状では提出時期につきコミットできないことを発言した。

約束草案の対象範囲については、排出削減の取り組みに直接につながる緩和を中心にすべきとする先進国に対し、途上国側から適応や資金を含むことも選択肢である、
先進国は緩和のみならず途上国への適応や資金等の分野の支援も約束に含めるべき、といった主張もなされた。さらに、約束期間の終了年については、各国の約束を比較検討する観点から共通にすべきとの意見がある一方で、一律に決めることが可能か疑問との見方もあった。また、終了年について2025年を支持する国、2030年を支持する国の両方がある一方で、比較のための参考値を併せて示すという両者の間をとる考え方も示された。

約束草案に対するコンサルテーションのあり方については、各国の緩和の取組が全体として長期目標に見合う削減かを指標を用いて検証するためのもの、との意見もあった(主にEU諸国)が、多くの国は、各国が自己決定した約束草案を提出後に変更することは現実的ではなく、コンサルテーションは、約束草案をあらゆる関係者のもとにさらして、各国の理解を促進するものであると主張した。

また、約束草案と長期目標の関係についての議論では、自国の低炭素化に向けた2050年までの長期の取組のロードマップを各々の国が設定する、といった考え方も示されたが、多くの国から慎重論も示された。


(3)約束草案に関する規則・規範と柔軟性

2015年には約束草案を提出する各国が、自国決定に基づいて異なる型の約束草案を提出することが想定されている。その中で、どの程度の柔軟性と規則に基づく統一性が必要か、規則の決定の時期として、約束草案の提出に先立つCOP20、2015年合意を採択するCOP21、及びそれ以降の各々のタイミングで、どの程度規則を決定すべきか、さらに規則の詳細について合意されない場合、約束草案の性質をどう位置づけるのか、等について議論された。


(4)MEF建築物エネルギー効率性向上アクション

MEFのもとでの取組として進めている本件イニシアティブについて、今年1月にMEFからの要請を受けたIPEEC(International Partnership for Energy Efficiency Cooperation:国際省エネルギーパートナーシップ)が、MEFメンバー国間の協力分野の特定と、各国の取組の測定方法等について、レボットIPEEC事務局長から報告がなされた。この報告を受けて、参加国はIPEECのもとで本件イニシアティブを進めていくことに同意した。


(5)次回会合

MEF20は9月下旬にニューヨークにて開催される予定であり、会合の一部に外務大臣の出席を得て会合を開催する可能性を含め、議長国米国が調整中。


(了)

添付資料

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際地球温暖化対策室
代表: 03-3581-3351
直通: 03-5521-8330
室長: 大井 通博(6772)
係長: 東 実希(6789)

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