報道発表資料

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1999年12月24日

「これからの環境教育・環境学習-持続可能な社会をめざして-」(中央環境審議会答申)について

平成10年7月13日付けで中央環境審議会に対して諮問がなされていた環境教育 ・環境学習の今後の推進方策の在り方について、中央環境審議会企画政策部会(部会 長:森嶌昭夫上智大学法学部教授)が、「これからの環境教育・環境学習-持続可能 な社会をめざして-」(答申)を取りまとめ、平成11年12月24日、中央環境審 議会会長(近藤次郎会長)から環境庁長官あてに答申がなされた。
  環境庁では、本答申を踏まえ、環境教育・環境学習の推進に向け、体験を重視した 学習機会の提供、人材の育成等関連する施策の充実を図るとともに、現在進められて いる環境基本計画の見直しにおいて、今回いただいた提言を反映したい。

(答申の要点)

1.本答申は、

 我が国の環境教育・環境学習が、各地で様々な実践活動が積み重ねられる中で発展 してきたが、新たな社会的要請もふまえ、今日的な意義を改めて問い直すことにより、 その基本的な方向性を示すことが必要との認識を出発点としている。その上で、 環境教育・環境学習をいわゆる「環境のための教育・学習」という枠から、「持続可能 な社会の実現のための教育・学習」にまで広げてとらえるべきとし、その対象には、 環境のみならず、社会、経済などをはじめとする極めて幅広い分野、内容を包含する ものと指摘。

2.環境教育・環境学習の理念について、

 人間と環境との関わりについての正しい認識に立ち、自らの責任ある行動をもって、 持続可能な社会の創造に主体的に参画できる人の育成を目指すものと整理。

 具体的には、環境教育・環境学習を通じて、国民一人ひとりが、持続可能な社会の 実現に向け、日常生活や社会活動のすべての過程に、具体的な行動、活動を組み込んで いくことの必要性を指摘。 個別の環境政策課題への具体的な対応に当たっても、環境教育・環境学習を重要な 政策手段の一つとして位置付ける必要性を指摘。

 さらに、様々な社会的合意形成や 政策の意思決定プロセスへの国民の参画を促す基盤づくりも、環境教育・環境学習の 果たすべき役割と指摘。

3.環境教育・環境学習の実施に当たっての基本的視点として、

  • 「総合的であること」
  • 「目的を明確にすること」
  • 「体験を重視すること」
  • 「地域に根ざし、地域から広がるものであること」 を指摘。

4.今後の環境教育・環境学習の推進の方向として、「具体的な行動」につながるものと するべきとした上で、

  • 「場をつなぐ」
  • 「主体をつなぐ」
  • 「施策をつなぐ」

との3つの方向性を提示。さらに、具体的方策として、

  • 推進の原動力として多彩な人材が育つ仕組み
  • 具体的行動に結びつくプログラムの整備
  • ネットワークで多様な情報をつなぐ
  • 実践的体験活動を行うことのできる場や機会の拡大
  • 各省庁間の連携強化 ○国と地方公共団体の役割の分担と連携
  • ビジネスの視点から環境教育・環境学習の推進方策を探る
  • 地域の多様性を尊重した国際協力の推進

を提示。

5.今後、環境基本計画の見直しにおいて、環境教育・環境学習の推進に向けた 中長期的な計画を示すこと等が必要であることを指摘。

添付資料

連絡先
環境庁中央環境審議会(環境庁企画調整局環境保全活動推進室)
企画政策部会(環境教育関係)事務局
 室 長 :松村  隆 (6196)
 補 佐 :岸  規子 (6262)
 担 当 :本間・金箱 (6272)

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