報道発表資料

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2014年06月06日
  • 総合政策

環境産業の市場規模や事業活動等に関する報告書の公表について(お知らせ)

 環境省は、環境産業の市場規模・雇用規模等の推計結果をまとめた「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」、環境産業の先進的事例や振興方策等をまとめた「環境への取組をエンジンとした経済成長に向けて」を公表いたします。

1.「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」の概要について

環境産業の市場規模・雇用規模の推計や環境産業の付加価値額、輸出入額及び経済波及効果について、「環境産業市場規模検討会」(座長:早見均 慶應義塾大学 教授)にて分析・検討し、報告書をまとめました(注)

<市場規模・雇用規模について>

環境産業の市場規模は、リーマンショック等の影響により2009年に減少しましたが、その後増加に転じ、2012年は約86兆円(前年比約4.8%増)となりました。また、雇用規模は、2012年に約243万人(前年比3%増)となり、過去十年間、概ね増加する傾向にあります。市場規模及び雇用規模のいずれも過去最大となりました。

<環境産業の付加価値額・輸出入額について>

市場規模推計に基づき、環境産業の付加価値額を試算したところ、2012年環境産業の付加価値額は約37兆円(2012年の名目GDPの約7.8%)となりました。全産業の付加価値額のうち環境産業の占める割合は、2000年の5.5%から2012年には7.8%にまで増加しており、環境産業が我が国の経済成長に与える影響が大きくなっています。また、輸出入額を試算したところ、輸出額は約9.2兆円、輸入額は約1.9兆円となり、いずれも増加傾向にあります。

(注)市場規模等の推計に当たっては、近年の環境産業の発展を踏まえ、新たに8分野(「複層ガラス・断熱型サッシ」等)を推計対象とするなど、推計方法を改良しています。なお、本報告書は、4月11日に発表した市場規模・雇用規模の概要に関する詳細な分析結果をまとめたものです。

2.「環境への取組をエンジンとした経済成長に向けて」の概要について

環境ビジネスを実施する企業の先進的事例の分析や海外も含めた環境ビジネスの業界構造、成功要因、行政側に求められる方策等について、「環境成長エンジン研究会」(座長:八木裕之 横浜国立大学 教授)にて分析・検討し、報告書をまとめました。

今回は特に、海外において環境ビジネスで成功している企業に焦点を当て、複数の企業間で共通する成功要因を、(A)戦略、(B)機能・プロセス、(C)人材の3階層に分けて分析しました。また、参考として、過去に環境ビジネス関連企業が抱えた代表的な問題の例も示しました(詳細は別紙参照)。

<複数の企業間で共通する成功要因>

(A)戦略 ~どの顧客を狙い、どういった商品・サービスを提供するか~

(A-1) ビジョンに裏付けられた経営判断

(A-2) モデル先進国先行参入

(A-3) 横展開スペックイン

(B)機能・プロセス ~戦略を実行するための手段~

(B-1) メリハリあるパートナリング

(B-2) 新興国ニーズ吸収・仕様実現体制

(B-3) 設置・運転調整へのリソース注力

(C)人材 ~『機能・プロセス』を具現化する主要リソース~

(C-1) ハブとなる国の人材重用

(C-2) 意識を変える環境づくり

(C-3) 高度成長経験人材の活用

<過去に多くの企業が経験した問題(例)>

○『人脈に目が眩んだ』

規制当局や現地企業など現地の人的ネットワークを期待して地場財閥と組んだが、事業そのもののノウハウは乏しい企業であったため、現地仕様(品質・コスト)に合わせた商品・サービス開発を行えずに撤退に追い込まれた。

○『最初から慎重になりすぎる』

顧客開拓をしようと現地企業・政府機関を訪問して回るが、「これができるか?」といった質問や提案依頼に対して慎重になりすぎ、時間がかかるだけでなく、最初から条件ばかりつきつけてしまって魅力的な企業に見せることができない。

○『隣国だからと十把一絡げ』

ある国で成功した後に、隣の国も似たようなものだろうと考えて、精緻な現地調達先・下請会社網を持たずにEPC等の事業を挙行、これらをコントロールできずに大きなコストオーバーランが発生した。

○『常識を疑わない一本足打法』

石油/ガス/鉄スクラップ/廃プラスチックなど主要原料の需給・価格が、グローバル経済環境の変化によって大きく変動したが、それに対応するシナリオを準備していなかったために、事業が成り立たなくなってしまった。

○『不要な遠慮、不用意な契約』

現地取引先への遠慮や契約条件ノウハウの不足により、リスクを他者にスルーできる仕組みを構築できず、結果として大きな損失を抱え込む。

上記1、2の報告書の詳細は、環境経済情報ポータルサイト上、「環境産業情報」において公表いたします。

https://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/index.html

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境計画課環境経済政策調査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8328
室長:小堀 幸一(内線6227)
補佐:迫田 健吉(内線6274)
担当:清瀬 正裕(内線6207)

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