報道発表資料

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2000年07月14日

平成11年度の全国水生生物調査の結果について

1.  平成11年度の全国水生生物調査は過去最多の約5万9千人の参加を得て行われた。環境庁がまとめた平成11年度の調査結果によれば、
(1) 全国4,646地点で、河川の水生生物を調査することにより水質の判定が行われ、「きれいな水」と判定された地点が全体の73%を占めた。
(2) 夏休み期間を中心として、学校や市民団体の多数の参加が得られた(全国の参加者うち、小中学校等の学校が67%、子供会・市民団体が20%)。
2.  環境庁は、平成12年度も、都道府県を通じて全国の小中学生や一般市民に調査への参加を呼びかけており、参加希望の団体は都道府県の環境担当部局にお問い合わせ願いたい。なお、平成12年度からは調査方法の一部を見直して実施する。
1. 主旨
   サワガニ、カワゲラ等の河川に生息する水生生物は、水質汚濁の影響を反映しており、それらの水生生物を指標として水質を判定することができる。このような水質の調査は、一般の人にも分かりやすく、高価な機材等を要しないことから誰でも簡単に参加できるという利点がある。また、調査を通じて身近な自然に接することにより、環境問題への関心を高めるよい機会となる。
 このため、環境庁では、水生生物による水質判定のマニュアルとして「水生生物による水質の調査法-川の生きものから水質を調べよう-」を作成し、全国の都道府県を通じて学校や市民の参加を呼びかけ、昭和59年度から水生生物調査を実施している。
平成11年度の水生生物調査は、過去最多の約5万9千人(平成10年度約5万3千人)が参加して行われた。
 なお、平成12年度からは、建設省とともに調査方法の一部を見直して実施することとしており、その内容等については4.に示している。

 

2. 平成11年度調査の概要
  (1) 調査方法
 平成11年度調査では、河川に生息する水生生物のうち、[1]全国各地に広く分布し、[2]分類が容易で、[3]水質に係る指標性が高い、16種を指標生物とした。
 調査は、河川で水生生物を採集し、指標生物の同定・分類を行い、地点毎に、I(きれいな水)、II(少しよごれた水)、III(きたない水)、IV(大変きたない水)の4階級を基本として、水質の状況を判定している。
 
  (2) 参加者等
  [1] 参加者数等の実績
 
 
  平成11年度 (参考)前年度
参加者数
参加団体数
調査地点数
調査河川数
 59,464
1,732 団体
4,646 地点
1,542 河川
 53,382
1,768 団体
4,555 地点
1,479 河川

 

  [2] 参加者の内訳・参加者数の推移

  [3] 参加者数の上位5都道府県
 
 
順位 都道府県




福島
岩手
山形
岐阜
兵庫

 

3. 調査結果の概要
  (1) 平成11年度調査による水質判定の結果(ブロック別)
  [1] 地点数
(単位:地点数)
分類 全国 北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州
I 3,282 13 1,360 197 131 481 481 210 189 286
I~II 222   108 15 1 14 14 17 20 24
II 139 1 30 6 2 4 4 25 18 11
II~III 18   5 0 1 2 2 5 1 1
III 537 4 119 78 19 120 120 41 41 18
III~IV 48   15 3 7 7 7 7 2 0
IV 163 3 71 35 9 19 19 5 8 4
その他 81   30 2 2 20 20 6 6 4
合計 4,459 21 1,738 336 172 667 607 316 285 348

注)地点数は、全4,646地点のうち、指標生物が出現し水質判定がなされた地点の数。
 

  [2] 構成比
(単位:%)
分類 全国 北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州
I 73.1 61.9 78.3 58.6 76.2 72.1 68.4 66.5 66.3 82.1
I~II 4.9 0.0 6.2 4.5 0.5 2.1 3.8 5.4 7.0 6.9
II 3.1 4.8 1.7 1.8 1.2 0.6 6.9 7.9 6.3 3.2
II~III 0.4 0.0 0.4 0.0 0.6 0.3 0.6 1.6 0.4 0.3
III 11.9 19.0 6.8 23.2 10.9 18.0 16.0 13.0 14.4 5.2
III~IV 1.1 0.0 0.9 0.9 4.1 1.0 1.2 2.3 0.7 0.0
IV 3.6 14.3 4.1 10.4 5.2 2.8 1.5 1.6 2.9 1.1
その他 1.8 0.0 1.7 0.6 1.2 3.0 1.8 1.9 2.2 1.1
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

 

  (2) 水質判定結果の構成比率の経年変化(過去5か年分)
 平成7年度からの水質階級判定の経年変化を見ると、次のとおりである。

注) 本調査は身近な河川における簡易な水質調査であり、調査地点の選定は参加団体
の自主的判断に任せている。このため、本調査から全国の河川の水質の変化を正確に評価することはできない。
 
  (3) 水質階級判定の経年変化(前年度からの変化)
 平成10年度と11年度にともに調査が行われた2,246地点について見ると、次のとおりである。

 

4. 平成12年度からの新しい調査方法について
  (1) 新しい調査方法のポイント
 水生生物による水質調査は、建設省でも若干異なる方法で実施していたが、両者の調査方法を統一するとともに、より的確な内容にするために、平成10年度から学識者の検討委員会による見直しの検討が行われ、平成12年度からは、統一的に新しい調査方法を用いることとした(平成11年7月7日公表)。
 その主な内容は、次のとおりである(参考参照)。
[1] 指標生物の種類を、16種から30種類に充実する。
[2] 水質階級の判定について、「I-II」等の中間階級を廃止し、「I」~「IV」の4階級にわかりやすく整理する。
 
  (2) 平成12年度の調査への参加方法
 本調査は、夏休み期間を中心として学校や市民団体が実施する例が多い。
 新しい調査方法のマニュアル「川の生きものを調べよう-水生生物による水質判定-」を各都道府県に配布しているので、調査に参加希望の学校・団体は、都道府県の環境担当部局に照会していただきたい。
 
  (3) 新旧の調査方法による水質判定の比較
 平成11年度の調査では、全調査地点(4,646地点)のうち1,985地点で、参加団体の協力を得て新しい指標による試行的な調査を行うことができた。
 新旧の調査方法による水質判定を比較してみると次のとおりであり、平成12年度以降の調査解析の有効な基礎データになると考えられる。
 
  新しい調査方法による水質階級
I II III IV



調









I 1,316 114 17 5 1,452
I-II 23 48 2 1 74
I-III 9 6 8   23
I-IV   1 2 2 5
II 6 50 11 3 70
II-III 3 4     7
II-IV          
III 15 27 185 22 249
III-IV   2 11 5 18
IV 2 6 11 68 87
  1,374 258 247 106 1,985

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局水質管理課
課 長 :小沢 典夫(内線6630)
 補 佐 :中島 創  (内線6633)
 係 長 :松村 貴義(内線6633)
 

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