報道発表資料
3月10日~14日,ドイツ・ボンにおいて,国連気候変動枠組条約の下の「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」第2回会合第4セッションが行われました。我が国から,外務・経済産業・環境・国土交通各省関係者が出席しました。
- 1.日時:
- 平成26年3月10日(月)~3月14日(金)
- 2.場所:
- ドイツ・ボン
- 3.結果概要:
- 別紙参照
強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回会合第4セッション 結果概要
- 1.
- 3月10日~14日,ドイツ・ボンにおいて,国連気候変動枠組条約の下の「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」第2回会合第4セッションが行われたところ,概要は以下のとおり。我が国から,外務・経済産業・環境・国土交通各省関係者が出席した。
- 2.
- ADPは,2011年末に南アフリカ・ダーバンで開催された第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)での決定を受け,2012年5月に設置されたもの。(1)全ての国に適用される2020年以降の新しい法的枠組み(以下「2020年枠組み」という。)の2015年までの採択(ワークストリーム1)及び(2)2020年までの排出削減(緩和)の野心の向上(ワークストリーム2)について議論を行う。
- 3.
- 本会合は,昨年11月にポーランド・ワルシャワで開催されたCOP19の決定に基づき,本年3回ないし4回開催されるADPの最初のセッション。
- (1)
- ワークストリーム1では,COP19決定等に基づき,「緩和」,「各国が自主的に決定する約束草案」,「衡平と野心」,「適応」,「資金・技術・キャパシティビルディング」,「行動と支援の透明性」,「要素に関連する他のテーマ」のそれぞれについて,オープンエンドコンサルテーション形式による議論が行われた。
- (2)
- ワークストリーム2は,COP19で決定された「技術専門家会合」が開始され,今次会合では再生可能エネルギー及びエネルギー効率が取り上げられた。我が国からは,有馬JETROロンドン所長がエネルギー効率セッションのファシリテーターを務めるとともに,プレゼンターとして資源エネルギー庁が省エネ分野における日本の政策や国際協力に関する発表を行った。
- 4.
- 今回の会合の主要な成果は以下の通り。
- (1)
- 3月14日の閉会全体会合において,ワークストリーム1及び2を扱うコンタクトグループの設置が決定され,6月の次回ADP第2回会合第5セッションから具体的な議論が開始されることとなった。
- (2)
- 今回の会合では,ワークストリーム1に関し,[1]交渉テキスト案のための要素の検討,[2]各国が自主的に決定する約束草案を示す際に提供する情報の特定及び各国の準備状況,の2点について主に議論が行われた。交渉テキスト案のための要素については,先進国は全ての国の参加,緩和に焦点を当てた簡素な枠組み,条約下の既存の機関の活用等を主張したが,途上国は附属書I国と非附属書I国の二分論の維持,緩和・適応・実施手段(資金,技術開発・移転,キャパシティビルディング)は全て同等に扱われるべき等を主張した。また,各国が決定する約束草案については,先進国は緩和のみが対象であると主張したのに対し,途上国は緩和・適応・実施手段の全てについて各国が約束を提出すべきと主張した。
- (3)
- ワークストリーム2に関し,今回行われた再生可能エネルギー及びエネルギー効率に関する「技術専門家会合」で有意義な意見交換が行われたことが歓迎され,6月の次回ADP第2回会合第5セッションでは,都市化(urbanization)及び土地・森林・農業に関する「技術専門家会合」が行われることになった。
- (4)
- 本年10月にADPの追加会合を開催することが決定された。
- (5)
- 今回の会合は閉会手続きを取らずに中断され,次回6月にドイツ・ボンで開催される補助機関会合(SB)の機会に再開されることとなった。
- 5.
- 我が国の立場に関する説明等
- (1)
- 二国間・多国間の会談
会合期間中,シンガポール,米国,ニュージーランド,ブラジル,EU,中国,小島嶼国,アフリカ諸国との二国間会談等を行い,2020年枠組みのあり方やCOP20に向けたADPプロセスの進め方等について意見交換を行った。 - (2)
- ステークホルダーとの対話
会合期間中,日本のNGO及び国際NGOと意見交換を行った。 - (3)
- プレスへの説明
会合期間中,邦人記者に対するブリーフを行い,交渉の状況や我が国の立場について説明した。
(了)
- 連絡先
- 環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
直通:03-5521-8330
代表:03-3581-3351
室長 :新田 晃 (内線6772)
地球環境問題交渉官 :水谷好洋 (内線6773)