報道発表資料
環境省は、2月28日、「
本事業は、天然ガス火力発電所(最大1,000万kW)を大阪市夢洲の埋立地に新設することを想定したもの。一方、本配慮書は、事業の実施に伴って生じる環境影響の有無や内容についての最低限の検討内容を具備しておらず、内容的に不十分なもの。
このため、環境大臣意見では、[1]計画段階の配慮事項を記載した書面として取り扱うことに問題があることを指摘するとともに、[2]重大な環境影響が懸念される事項について再度検討すること及び[3]関係自治体や住民の関与に十全を期すことを求めている。
1.背景
環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を経済産業大臣に言うことができるとされている。
本件は、「夢洲天然ガス発電所建設事業に係る計画段階環境配慮書」について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、経済産業大臣から事業者である株式会社エコ・サポートに対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。
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- 計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。
2.事業の概要
本事業は、大阪市夢洲の埋立地に、天然ガス火力発電所を新設するものである。現段階において、通常、法対象規模の火力発電所事業では行われている地権者等との調整が未了であり、設備の諸元等も示されていない。
3.環境大臣意見の概要
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- 本配慮書は、事業に係る環境保全のために配慮すべき事項を網羅しておらず、また、予測調査等を行うべき事項を限定した理由も科学的根拠に乏しい。また、本事業によって重大な環境影響を生じないと判断する最低限の検討内容を具備しておらず、内容的に不十分である。このため、本配慮書は、計画段階の配慮事項を記載した書面として取り扱うこと自体に問題がある。
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- このため、重大な環境影響が懸念される事項について検討を行い、具体的な事業内容を決定する際には重大な環境影響が生じないよう配慮する必要がある。また、地権者等との調整が終わり、事業内容、スケジュール等が一定程度確定した段階で、再度、計画段階配慮事項ごとの調査、予測及び評価を行うことが必要である。
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- また、事業者は、関係自治体の意見についても十分勘案し、環境影響評価において重要である住民関与についても十全を期すとともに、関係する行政機関及び一般からの環境の保全の見地からの意見を求める際には、関係する行政機関及び一般から提出された意見に対して誠実に対応されたい。
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- なお、経済産業省においても、環境影響の検討が不十分な内容の配慮書が前例となることのないよう、環境省とよく連携し、事業者に対して必要な指導を共働して行うことを強く求める。
[参考]
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- 事業概要
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- 名称
- 夢洲天然ガス発電所建設事業
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- 事業者
- 株式会社エコ・サポート
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- 計画位置
- 大阪市夢洲(事業実施想定面積:最大80ha)
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- 燃料
- 天然ガス
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- 発電方式
- ガスタービン及び汽力(コンバインド発電方式)
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- 出力
- 1,000万kW、300万kw、なしの3案
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- 環境影響評価に係る手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
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- 経済産業大臣からの環境大臣への意見照会
- 平成26年1月14日
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- 環境大臣意見の提出
- 平成26年2月28日
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長 :瀬川 恵子 (内6231)
室長補佐 :長谷川敬洋 (内6233)
審査官 :柏谷 和久 (内6253)