報道発表資料

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2014年02月21日
  • 総合政策

石狩湾新港発電所建設計画に係る 環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、2月21日、北海道石狩市及び小樽市で実施予定の「石狩湾新港発電所建設計画」(北海道電力株式会社)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、天然ガス火力発電所(総出力170.82万kW(56.94万kW×3機))を石狩湾の埋立地に新設するものである。
 環境大臣意見では、本発電所の発電設備それぞれの運転開始に併せて、相当規模の経年火力発電設備の発電量を二酸化炭素排出原単位が低い本発電設備に代替することにより、計画的に二酸化炭素排出削減を行うこと等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を経済産業大臣に言うことができるとされている。
 本件は、北海道電力株式会社の石狩湾新港発電所建設計画に係る環境影響評価準備書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

 本事業は、北海道石狩市及び小樽市の石狩湾の埋立地に、天然ガス火力発電所を新設するものである。発電設備等には、利用可能な最良の技術を採用することにより、可能な限り、環境負荷の低減を行うこととしている。

3.環境大臣意見の概要

(1)総論

 排ガス処理設備の適切な運転管理等による大気環境の保全対策、排水の適正な管理による水環境の保全対策、廃棄物の適正な有効活用等の環境保全措置について適切に講じること。また、本事業により新たに発生する環境影響について環境監視を行い公表すること。

(2)温室効果ガス

[1]
経年火力発電設備の運転停止に関する計画を作成し、発電設備それぞれの運転開始に併せて、本発電設備の年間総発電量相当規模の経年火力発電設備の発電量を本発電設備に代替していくことにより、計画的に二酸化炭素排出削減を行うこと。
[2]
国の温室効果ガス排出削減目標及び「東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ」(平成25年4月25日経済産業省・環境省)を踏まえ、事業者は、電気業界全体の実効性ある温室効果ガス排出削減の枠組が構築されれば遅滞なく参加し、当該枠組の下で計画的に二酸化炭素排出削減の取組を行うこと。また、当該枠組の構築に積極的に参画すること。
[3]
第四次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)に位置付けられた「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」を目指すとの国の長期目標との整合性を確保するため、国の二酸化炭素回収・貯留等に関する検討結果を踏まえて、二酸化炭素分離回収設備の実用化に向けた技術開発を含め、今後の二酸化炭素排出削減対策について所要の検討を行うこと。また、本事業を含め、事業者における長期的な二酸化炭素排出削減措置について、所要の検討を行い、事業者として適切な範囲で必要な措置を講じること。

(3)その他

 本事業による環境保全上の優位性に鑑み、本事業を着実に進め、できる限り早期の運転開始を目指すこと。

4.その他

 本件は、火力発電所を新設するものであるが、「火力発電所の環境影響評価について審査期間の短縮を発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件であり、従前270日程度必要であった審査期間を約130日程度短縮し、140日程度で審査を行う見込みである。

[参考]

事業概要
・名称
石狩湾新港発電所建設計画
・事業者
北海道電力株式会社
・計画位置
北海道小樽市銭函5丁目(ガス導管等は、石狩市新港中央4丁目も含む)
・燃料
天然ガス
・発電方式
ガスタービン及び汽力(コンバインド発電方式)
・出力
170.82万kW(56.94万kW×3機)
・CO2排出原単位
0.323kg-CO2/kWh
環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
【方法書の手続】
・縦覧
平成24年2月24日~平成24年3月23日(住民意見18件)
・北海道知事意見提出
平成24年7月23日
・経済産業大臣勧告
平成24年8月15日
【準備書の手続】
・縦覧
平成25年10月17日~平成25年11月18日(住民意見27件)
・北海道知事意見提出
平成26年2月18日
・環境大臣意見提出
平成26年2月21日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :瀬川 恵子 (内6231)
室長補佐 :長谷川敬洋 (内6233)
審査官  :柏谷 和久 (内6253)

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