報道発表資料

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2013年12月26日
  • 再生循環

自動車リサイクル法に関する全国一斉立入検査の結果について(お知らせ)

 環境省及び経済産業省では、自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14 年法律第87 号))の適正な執行を確保するため、都道府県等に依頼し、同 法の登録・許可を受けた事業者が適正に再資源化等に必要な行為を行っているかどうかに ついて全国一斉に立入検査を実施し、その結果を取りまとめました。
 その結果、全国で256 事業者が何らかの法違反又は不適正な取扱いを行っていることが確認されました。これら全てに対し、都道府県等から是正を求める指導等が行われました。
 今後も引き続き、使用済自動車の再資源化等が適正かつ円滑に実施されるよう、都道府県等を通じ、違反事例の把握と行政処分等による是正に努めてまいります。

1.背景

(1)自動車リサイクル法に基づく取組について

 自動車リサイクル法(以下「法」という。)では、自動車製造業者(メーカー)を含む自動車のリサイクルに携わる関係者に適正な役割を担っていただくことによって、使用済自動車の積極的な再資源化等を行っています。同法に関係する者のうち、以下の関連事業者は、都道府県等(都道府県又は保健所設置市をいう。以下同じ。)の登録・許可を受けなければならないこととされており、使用済自動車の引取り及び引渡し並びに再資源化等を適正かつ円滑に実施するために必要な行為を果たす必要があります。

・引取業者(都道府県等の登録制)

 自動車所有者から使用済自動車を引き取り、フロン類回収業者又は解体業者に引き渡します。<リサイクルルートに乗せる入口の役割>

・フロン類回収業者(都道府県等の登録制)

 フロン類を適正に回収し、回収したフロン類を自ら再利用する場合を除き、自動車 製造業者等に引き渡します(自動車製造業者等にフロン類の回収費用を請求できます)。

・解体業者、破砕業者(都道府県等の許可制)

 使用済自動車のリサイクルを適正に行い、エアバッグ類、シュレッダーダストを自 動車製造業者等に引き渡します(エアバッグ類については、取り外さずに自動車製造 業者等から委託を受けて車上作動処理することもできます。また、自動車製造業者等 に回収費用を請求できます)。

(2)全国一斉立入検査の実施について

 法に基づく義務を適切に履行していない不適正な関連事業者については、都道府県等 が法に基づき、指導・勧告等を行っているところですが、依然として、フロン類又はエ アバッグ類の回収が不十分な事業者などが存在しています。
 そこで、法に規定する関連事業者が適切に義務を履行しているかを把握するため、環 境省及び経済産業省では、一般社団法人自動車再資源化協力機構及び公益財団法人自動 車リサイクル促進センターの協力も得つつ、改めて都道府県等に依頼し、管内の関連事 業者への立入検査等による調査を全国一斉に実施し、法令違反がある場合には、指導・ 勧告等の行政措置を的確に実施しました。
 今般、その結果を取りまとめました。

2.全国一斉立入検査の結果について

 全国一斉立入検査の概要は、以下のとおりです。

期間:平成25 年7月から11 月まで
立入検査を行った自治体の数:117
立入検査の対象となった事業所数:989(都道府県等ごとの内訳は別紙のとおり。)
立入検査の結果、何らかの法違反又は不適正な取扱いがあった事業所数:256

 多く見られた法違反又は不適正な取扱いは、以下のとおりです。

[1]関連事業者に共通して見られた事例(括弧内は、関連条項)
公衆の見やすい場所に標識を掲示していなかった(法第50 条等)
法に基づく届出をしていなかった(法第46 条第1項等)
移動報告を期限以内に実施していなかった(法第81 条第1項等)
移動報告の内容を改ざんしていた(フロン類及びエアバッグ類の装備情報を事実と は異なる内容で報告する等)(法第81 条第1項等)
保管基準に違反して使用済自動車を保管していた(廃棄物処理法第12 条第2項)
廃棄物が混入した使用済自動車を引き取っていた
[2]引取業者における事例(関連条項)
使用済自動車を引き取る際にリサイクル料金の預託の有無の確認を怠っていた(法 第9条第1項及び第81 条第1項)
使用済自動車を引き取る際にフロン類又はエアバッグ類の有無の確認を怠っていた (法第9条第1項及び第81 条第1項)
使用済自動車を引き取る際に所有者に交付しなければならない書面を交付していな かった(法第80 条第1項)
[3]フロン類回収業者における事例(関連条項)
ボンベの使用期限が切れていた(高圧ガス保安法第48 条第1項)
フロン類の回収が不十分なまま解体業者に引き渡していた(法第12 条)
[4]解体業者及び破砕業者における事例(関連条項)
標準作業書を常備していなかった(法第62 条第1項)
標準作業書に必要な記載がされていなかった(法第62 条第1項)
届出をしていない場所で使用済自動車、解体自動車、部品等の保管を行っていた(法 第62 条第1項)
解体自動車全部利用者に解体自動車を引き渡した事実を証する書面を保存していな い(法第16 条第5項)
エアバッグ類を処理せずに破砕業者又は輸出業者に引き渡していた(法第16 条第3 項)
回収したエアバッグ類を自動車製造業者等に引き渡していなかった(法第16 条第3 項)
届出をしている解体作業場以外の場所で解体を行っていた(法第62 条第1項)
事前回収物品を回収していなかった(法第16 条第2項)
事業所から生じた産業廃棄物の処理について、廃棄物処理法に基づく委託基準を満 たさずに委託していた(廃棄物処理法第12 条第6項)

3.今後の対応

 今回の全国立入検査の結果、法に基づく義務の理解不足等から起こる法違反又は不適正 な取扱いが散見されました。一方、数は少ないものの、移動報告の改ざん等の悪質な違反 も見られました。
 今後は、使用済自動車の再資源化等が適正かつ円滑に実施されるよう、一般社団法人自動車再資源化協力機構及び公益財団法人自動車リサイクル促進センターと連携しつつ、都道府県等を通じ、関連事業者の能力向上に向けた指導等を実施するとともに、違反事例の把握と行政処分等による是正に努めてまいります。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通   :03-5501-3153
代表   :03-3581-3351
室長   :庄子 真憲(内線6831)
室長補佐 :山口 裕司(内線6855)
担当   :佐藤 直己(内線6833)

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