報道発表資料

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2000年01月25日

「地方公共団体のグリーン購入に関するアンケート調査」の結果について

環境庁は、平成11年秋、全国の地方公共団体を対象として、環境保全型製品の購入(グリーン購入)の状況について調査を行った。
 主な調査結果としては、次のような点が挙げられる。
グリーン購入に取り組む意義については、80%の地方公共団体が「非常に意義のあることであり積極的に推進すべき」と考えている一方、実際のグリーン購入の取組については、「組織的に取り組んでいる」団体は15%にとどまっている。組織的な取組の割合は、都道府県・政令市で高く、区市・町村で低い水準にある。
環境保全型製品の価格と品質について、グリーン購入の取組が進んでいる都道府県・政令市と必ずしもそうでない区市・町村との間で認識の格差がある。紙類等では、環境保全型製品が高価格で低品質であると考えている割合が、都道府県・政令市より区市・町村で高い。
グリーン購入の阻害要因としては「組織としての意識が低い」ことを、またグリーン購入を進展させるための仕組みとしては「製品基準の明確化」、「製品の情報提供・広報等の拡充」を挙げる団体が多い。

 環境庁としては、これらの調査結果を踏まえ、グリーン購入の一層の推進方策について検討していくこととする。

1.調査の目的

 環境負荷の少ない循環型社会の構築のためには、再生品等の環境保全型製品の供給面からの取組に加え、これら製品の需要面からの取組も併せて推進する必要がある。地方公共団体は、公的部門の総支出の約4分の3(約67兆円、国内総支出の約13%)を占めるとともに、各地域において大きな社会的経済的影響力を有することから、我が国全体として環境保全型製品の購入(グリーン購入)を推進する上で、地方公共団体が果たしうる役割は国と並んで大きい。
 このため、これまで十分に把握されてこなかった地方公共団体におけるグリーン購入の現状等を把握し、今後のグリーン購入推進のための検討の基礎資料とすることを目的として本調査を実施した。

2.調査時期及び調査対象

(1)平成11年9月~10月、調査票の郵送・回収により調査
(2)全国3299地方公共団体(47都道府県、12政令指定都市、23特別区、659市、1990町及び568村)を対象とし、1985団体が回答(回収率60.2%)。

3.調査結果の概要

(1)グリーン購入に取り組む意義

 グリーン購入に取り組む意義については、80%の団体が「非常に意義のあることであり積極的に推進すべき」と考えており、その割合は都道府県・政令市では98%、区市では93%、町村でも74%に達し(図1)、多くの地方公共団体がグリーン購入の推進を重要なものと認識している。

(2)グリーン購入への取組状況・進展状況

 一方、グリーン購入への取組状況については、「組織的に取り組んでいる」団体は全体で15%にとどまる。その割合は、都道府県・政令市で81%であるが、区市では28%、町村では8%であり、多くの団体では「担当者のレベルで配慮」にとどまっている(図2)。
 また、数年前と比べたグリーン購入の進展状況についても、「全庁的な取組にまで発展」又は「多くの部署での取組に発展」したとする割合は、都道府県・政令市で81%に達するものの、区市・町村を含めた全体では18%にとどまる(図3)。

(3)価格面及び品質面における環境保全型製品と通常製品との比較

 環境保全型製品の価格面や品質面の比較について、グリーン購入の取組が進んでいる都道府県・政令市と必ずしもそうでない区市・町村との間で認識の格差がある。
 例えば、紙類(再生紙)では、価格が通常品より高い/やや高いと認識している割合は、都道府県・政令市の25%に対し、区市では43%、町村では51%となっており、品質が通常品より悪い/やや悪いと認識している割合は、都道府県・政令市の17%に対し、区市では33%、町村では37%となっている(図4、5)。他の製品種類で見ても、特に品質面については、グリーン購入が進んでいない町村・区市ほど環境保全型製品は品質が悪いと考えている割合が高いという傾向がある。

(4)環境保全型製品の購入に当たってのコストアップの許容範囲

 グリーン購入を推進するためのコストアップの許容範囲について、紙類、OA機器、公用車等の種類ごとに質問したところ、全般的な傾向として「同等の価格であれば購入している」、次いで「10%程度高くても購入している」との回答が多かった(図6)。また、実際に環境保全型製品の価格が通常製品より高い公用車等については、「20%程度高くても購入している」、「30%程度高くても購入している」との回答割合が他の製品に比べ高くなっている。


(5)グリーン購入に当たっての阻害要因とその進展に必要な仕組み

 グリーン購入に当たっての阻害要因としては、半数以上の団体が「組織としての意識が低い」ことを挙げている(図7)。

また、グリーン購入進展に必要な仕組みについては、半数以上の団体が「製品の基準の明確化」、「製品の情報提供、広報等の拡充」が必要であるとしている(図8)。

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局企画課循環型社会構築プロジェクトチーム
担当課長 : 小沢典夫 (6630)
 補   佐 : 永島徹也 (6627)
 係   長 : 三戸俊和 (6192)

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