報道発表資料
全国12カ所の河川及び海域において調査を行った結果、検出濃度は、0.005~3.9pg-TEQ/Lであり,過去のデータと比較するとほぼ同レベルの値であった。
今後とも、モニタリング調査等を行い、知見の収集に努めることとしているが、特に、平成10年度はダイオキシン類緊急全国一斉調査により詳細な調査を行うこととしている。
1 調査内容
環境庁では,平成9年度に公共用水域の水質におけるダイオキシン類の調査を行った。
具体的には,全国12地点の河川(2カ所)及び海域(10カ所)において1検体(年1回)を採取し,それぞれについて,ポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDDs)及びポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)の濃度の測定を1回ずつ行った。
2 調査結果
調査の結果は以下のとおりであった。検出濃度は0.005~3.9pg-TEQ/L注1であり、過去の調査結果と比較するとほぼ同レベルであった(別紙参照)。
都道府県 | 調査地点
(環境基準点) |
ダイオキシン類検出濃度注2
pg-TEQ/L |
環境基準項目調査結果注3 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
COD又はBOD
(mg/L) |
pH | SS
(mg/L) |
DO
(mg/L) |
|||
北海道 宮城県 千葉県 神奈川県 新潟県 静岡県 愛知県 兵庫県 広島県 愛媛県 福岡県 熊本県 |
石狩川河口(石狩河口橋) 石巻湾(石巻地先海域長浜沖N-2) 東京湾(東京湾(9)東京湾1) 東京湾(東京湾(12)扇島沖) 信濃川(平成大橋) 駿河湾(田子の浦沖) 名古屋港(名古屋(乙)N-4) 大阪湾(大阪湾(2)西宮沖2) 広島湾(広島湾32-14) 伊予三島川之江海域(St-3) 洞海湾(D-2(湾口部)) 有明海(St-5) |
0.094 0.028 0.18 0.014 3.9 0.014 0.009 0.007 0.009 0.10 0.005 0.048 |
* 1.0 1.6 1.9 2.7 * 1.3 0.5 2.5 2.1 2.0 1.8 1.7 0.5 *は、BOD |
7.3 8.4 8.1 8.1 7.0 8.2 7.8 8.1 8.1 8.1 8.0 8.2
|
17 - - - 60 5.8 - - 1 - - -
|
12.5 8.1 6.9 7.6 11.0 7.4 7.2 8.0 8.2 8.1 7.4 7.3
|
ダイオキシン類検出濃度最大値 最小値 平均値 中央値 |
3.9 0.005 0.37 0.021 |
注1 ダイオキシン類は環境中に超微量で存在するため,1兆分の1g/Lを表す1pg/Lを用いて表示する。また,ダイオキシン類には異性体が多く(ダイオキシン:75種,フラン:135種),毒性は異性体ごとに異なるため,異性体の中で最も毒性の強い2,3,7,8-TCDDに換算して表示し,その場合は単位にTEQを付してpg-TEQ/Lと表示する。
注2 ダイオキシン類の測定は,異性体ごとに,四,五塩化物:1pg/L,六,七塩化物:2pg/L,八塩化物:5pg/Lを下限として行った。
注3 環境基準項目の記号については以下のとおり。
COD:化学的酸素要求量
BOD:生物化学的酸素要求量
pH :水素イオン濃度
SS :浮遊物質量
DO :溶存酸素量
3 今後の予定
ダイオキシン対策に関する5カ年計画に基づき、大気、土壌、水質、底質等の総合モニタリング調査等を行うこととしており、引き続き、公共用水域の水質についてもモニタリング調査を行うこととしているが、特に、平成10年度については、緊急全国一斉調査として、今回の調査地点も含めて、詳細な総合モニタリング調査を行うこととしている。
(別紙)
これまでの公共用水域の水質におけるダイオキシン類調査結果の概要
(pg-TEQ/L)
調査年度等 | 検体数 | 最大値 | 最小値 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|---|---|---|
2年度(海域) | 8 | 1 | 0 | 0 | 0 |
3年度(海域・河川) | 6 | 3 | 0 | 2 | 1 |
4年度(海域) | 14 | 0 | 0 | 0 | 0 |
7年度(海域) | 12 | 0.3 | 0.0 | 0.1 | 0.1 |
8年度(河川) | 7 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
9年度(海域・河川) | 12 | 3.9 | 0.005 | 0.37 | 0.021 |
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質規制課
課 長 :畑野 浩(内線6640)
補 佐 :西嶋 英樹(内線6643)