報道発表資料
環境省は、本日、愛知県東海市から常滑市において実施予定の「知多都市計画道路１・３・６号西知多道路」に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
本事業は、知多半島西部の工業地帯に沿った国道を拡幅するとともに、田園・丘陵地帯にバイパス道路を設置するものであるが、現時点では事業者が未定であり、今後、事業の詳細を具体化することになっている。また、対象事業実施区域内及びその周辺には、希少な動植物が確認されている。
これを踏まえて、環境大臣意見では、[1]環境保全措置の具体化に当たっての検討については、透明性及び客観性を確保した方法で実施すること、[2]希少な動植物を保全するため適切な措置を講じること等を求めている。
１．背景
環境影響評価法は、４車線以上・10km以上の一般国道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、環境影響評価書（※）について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
本件は、愛知県東海市を起点とし、同県常滑市を終点とする知多都市計画道路１・３・６号西知多道路（事業規模：延長約18.5km）に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣及び国土交通省中部地方整備局長から都市計画決定権者である愛知県に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、都市計画決定権者である愛知県は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。
- ※環境影響評価書：
- 環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。
２．事業の概要
本事業は、知多半島西部の工業地帯に沿った国道を４車線から６車線に拡幅する北部区間と、田園・丘陵地帯に４車線のバイパスを新設する南部区間から構成されている。現時点では事業者が未定であり、事業者が決定した後に、事業の詳細を具体化することになっている。また、対象事業実施区域及びその周辺には、希少な動植物が確認されている。
３．環境大臣意見の概要
（１）総論
[１] 調査・予測・評価の再実施について
事業実施までに、生活環境及び自然環境への影響について、変化が見込まれる場合は、事業実施前に調査・予測・評価を再実施した上で、必要な環境保全措置を検討し、その内容を公表すること。
[２] 環境保全措置の具体化について
環境保全措置の具体化に当たっては、その内容を十分検討するとともに、透明性及び客観性を確保すること。加えて、[１]の調査・予測・評価を再実施した場合には、その内容を適切に反映すること。
[３] 事業者への適切な引継について
現時点では事業者が未定であるため、事業者による十全な環境保全措置の具体化及び実施がなされるよう、計画路線の環境影響評価に係る資料等の知見の事業者への引継に当たっては、遺漏のなきよう十分に配意すること。
（２）各論
[１] 動植物について
- ・ 水の濁りの防止について
- 対象事業実施区域及びその周辺の河川やため池には絶滅危惧種となっている魚類等が確認されていることから、特に橋脚等の工事中においては濁水の流出防止に十分配慮すること。
- ・ 野生動物の移動経路の確保について
- 野生動物の移動経路として検討されているボックスカルバートについては、野生動物の利用状況の把握に努め、必要があれば、専門家の意見を十分に聴いた上で適切な環境保全措置を講じること。
[２] 温室効果ガス等について
工事中及び供用後の温室効果ガスの排出低減に努めるとともに、本事業の供用前後における温室効果ガス排出量の変化の把握を検討すること。
以上の内容及び予測・評価のために設定した対象事業実施区域の位置を評価書に適切に記載すること。
【参考】事業概要
- ・都市計画決定権者：
- 愛知県
- ・事業者：
- 未定
- ・事業地：
- 愛知県東海市～常滑市
- ・事業規模：
- 道路計画延長：約18.5km
北部区間：約9.2km、6車線（拡幅）
南部区間：約9.3km、4車線（バイパス）
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長 ：瀬川 恵子 （内6231）
室長補佐 ：伊藤 隆晃 （内6238）
審査官 ：佐藤 秀憲 （内6253）
電話 ：03-3581-3351 （代表）
03-5521-8237 （直通）
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