報道発表資料

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2013年11月26日
  • 地球環境

COP19 世界適応ネットワーク(GAN)サイドイベントの開催結果について(お知らせ)

 世界適応ネットワーク(GAN)と傘下の地域ネットワークがアフリカ、アジア太平洋、中南米の経験を共有する初めての会合を気候変動枠組条約第19回締約国会議及び京都議定書第9回締約国会合(COP19/CMP9(2013年11月11日~22日、ポーランド共和国ワルシャワ)期間中の11月18日(月)に開催し、石原環境大臣がGAN名誉議長に就任しました。サイドイベントでは、GAN 及び各地域ネットワークの取り組みが紹介され、更なる取り組みの強化について、意見交換がなされました。

1. 概要

日時:
2013年11月18日(月)15:00 ~16:30
場所:
国立競技場(COP19/CMP9 会議場)内 RoomGdansk
(ポーランド共和国ワルシャワ)

2. サイドイベント概要

先般公表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書第1 作業部会報告書」では、気候システムの温暖化については疑う余地がないとされています。また、熱波や大雨の増加についても、人間の影響が指摘されています。このような状況の下、気候変動への適応を行う事が急務となっています。特に国際交渉に於いても気候変動への適応は緩和対策とともに主要なテーマとなっており、COP16 での「カンクン適応枠組み」の設立合意以降、注目が集まっています。

気候変動の影響に対して効果的な適応策等を実施するためには知見や情報へのアクセスが重要です。必要な知見や情報を整備することが求められていると同時に、情報を活用する側の能力向上も必要です。

ワルシャワでのCOP19 に際して、GAN 傘下の地域ネットワークであるアジア太平洋地域の「アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)」、中南米・カリブ地域の「技術移転と気候変動行動ゲートウェイ(REGATTA)」、アフリカ地域の「アフリカ適応知見ネットワーク(AAKNet)」が初めて一堂に会し、経験を共有しました。パネルディスカッションでは適応の知見共有における活用や困難な点について、また、ニーズと現状とのギャップと地域ネットワークのあり方が議論されました。

環境省は2009年のAPANの設立以来の主要パートナーとして、地域の適応能力の強化に貢献してきました。こうした経緯から今回、石原伸晃環境大臣が、アキム・シュタイナーUNEP 事務局長と共にGAN名誉議長に就任しました。

3. 出席者

アジア太平地域を代表して日本から、また中南米及びアフリカからの代表者が登壇し、聴衆として世界各地の適応の専門家、約150 名が参加しました。

4.主な成果

環境省からは、白石地球環境審議官が冒頭に挨拶を行い、フィリピンを襲った台風「ハイエン」による犠牲者の皆様に哀悼の意を表すと共に、今回のイベントがGAN として各地域ネットワークが集まった初めての公式イベントである事、環境省はアジア太平洋における適応能力強化につながる知見共有の推進のためにAPAN を支援している事等を紹介しました。登壇者より、GAN の紹介、各地域ネットワークの取組の事例(アジア太平洋、中南米・カリブ、アフリカ)が発表され、ネットワークの役割、重要性、効果的なネットワーク活動のあり方が議論されました。個別のトピックについては以下の様な議論が行われました。

(1)GANの紹介

GAN は、UNEP のイニシアティブの下設立され、適応に関する各地域ネットワークの知見をグローバルレベルで共有する事を目指している事が紹介されました。また、気候変動影響に対するレジリエンスの向上と脆弱性が高いコミュニティ・経済・生物多様性の保護を目的とする事が発表されました。

(2)アジア太平洋(APAN)の取組

APAN はGAN の中で最初の2009年に設立され、適応フォーラム等を通じてアジア太平洋地域の取り組みに関する知見の共有を進めている事が紹介されました。また、これまでの経験として、適応に関する知見は地域・国・都市等の特徴により大きく異なっているが、他地域での知見・経験を学び合うことの重要性が指摘されました。

(3)中南米・カリブ(REGATTA)の取組

REGATTA は他の中南米のネットワークと異なり、緩和及び適応を扱っている事が紹介されました。
 また、コミュニティレベルの活動をウェブで紹介している事や、オンライントレーニングを実施している事、南南協力の重要性等が発表されました。

(4)アフリカ(AAKNet)の取組

2013年2月AAKNet が設立した事が紹介されました。また、これまでの活動として、ウェブサイトやニュースレター等を通じて知見の共有を図っており、情報はパッケージとして、受け手が活用しやすい様に工夫をしている事等が紹介されました。

(了)

連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8247
室長 :辻原 浩  (内:6730)
専門官:星野ゆう子 (内:6735)