報道発表資料
環境省は、本日、岐阜県瑞浪市及び恵那市で実施予定の「一般国道19号瑞浪恵那道路」に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
本事業は、土岐川左岸の丘陵部の縁に沿って瑞浪市と恵那市を結ぶ国道19号線のバイパス道路を設置するものであり、また、対象事業実施区域内及びその周辺には、希少な動植物が確認されている区域が含まれている。
これを踏まえて、環境大臣意見では、[1]環境保全措置の具体化に当たっての検討については、透明性及び客観性を確保した方法で実施すること、[2]希少な動植物を保全するため適切な措置を講じること等を求めている。
1.背景
環境影響評価法は、4車線10km以上の一般国道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された環境影響評価書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
本件は、岐阜県瑞浪市及び恵那市の一般国道19号瑞浪恵那道路(事業規模:4車線 12.5km)に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣及び国土交通省中部地方整備局長から都市計画決定権者である岐阜県に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、都市計画決定権者である岐阜県は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。
- ※
- 環境影響評価書:環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。
2.事業の概要
本事業は、中央自動車道、国道19号線及びJR中央本線に平行し、瑞浪市と恵那市を結ぶ国道19号線のバイパス道路を設置するものであり、土岐川左岸の丘陵部の縁に沿って計画されている。対象事業実施区域及びその周辺には、希少な動植物(サシバ等)が確認されている。
3.環境大臣意見の概要
(1)総論
[1] 調査・予測・評価の再実施について
事業実施までに交通の状況や猛禽類の営巣状況等が変化する可能性があることから、生活環境及び自然環境への影響について変化が見込まれる場合は、事業実施前に調査・予測・評価を再実施した上で、必要な環境保全措置を検討し、その内容を公表すること。
[2] 環境保全措置の具体化について
環境保全措置の具体化に当たっては、その内容を十分検討すること。また、専門家の意見、主要な論点やその対応方針等を適切に公開するなど、透明性及び客観性を確保すること。加えて、[1]の調査・予測・評価を再実施した場合には、その内容を適切に反映すること。
(2)各論
[1] 動物・植物・生態系について
- 水の濁りについて
工事中の排水等も十分配慮した計画とするほか、環境保全措置の具体的内容の決定に当たっては、専門家の意見を聴きながら、水の濁りも含めて魚類等の生息環境への影響についても配慮すること。
- 植物等の移植について
移植方法及び移植先の選定が移植先への影響の回避及び移植の成否の重要な要素となることから、専門家の意見を十分に聴いた上で慎重に行うこと。
- 環境保全措置の効果の検証について
河川改修及び水路付け替えの内容等の環境保全措置の効果等を明らかにするため、事後調査等を行うとともに、専門家等の意見を聴きつつ、その効果を検証し、必要に応じて講じた措置や管理方法を改良すること。また、環境保全措置の効果の検証・改良の検討に当たっては、透明性及び客観性が確保された検討体制を整えること。
[2] 温室効果ガス等について
工事中の排出削減対策及び供用後の省エネ設備の導入等による温室効果ガスの低減に努めるとともに、本事業の供用前後における温室効果ガス排出量の変化の把握を検討すること。
以上の内容及び予測・評価のために設定した対象事業実施区域の位置を評価書に適切に記載すること。
【参考】事業概要
- ・都市計画決定権者:
- 岐阜県
- ・事業者:
- 国土交通省中部地方整備局
- ・事業地:
- 岐阜県瑞浪市~恵那市
- ・事業規模:
- 4車線 12.5km
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長 :瀬川 恵子 (内6231)
室長補佐 :長谷川敬洋 (内6233)
審査官 :佐藤 秀憲 (内6253)
電話 :03-3581-3351 (代表)
03-5521-8237 (直通)