報道発表資料

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2000年03月16日

「2000年の危険物質及び有害物質による汚染事件に対する準備、対応及び協力に関する議定書」(OPRC-HNS議定書)の採択について

3月15日(現地時間)、国際海事機関(IMO)本部(ロンドン)で開催されていた外交会議(危険物質及び有害物質による汚染事件に対する準備及び対応に関する国際協力に関する会議)において、「2000年の危険物質及び有害物質による汚染事件に対する準備、対応及び協力に関する議定書」(仮訳、略称:OPRC-HNS( Protocol on Preparedness, Response and Co-operation to pollution incidents by Hazardous and Noxious Substances )議定書)が採択された。
1.経緯等

 1989年に米国アラスカ沿岸で発生した大型タンカー「エクソン・バルディーズ」の事故を契機とし、翌年、大規模油流出事故に対応するための国際協力体制の整備等を目的とした「1990年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約(OPRC条約)」が採択された。

 その後、船舶等からの有害物質等の流出事故への対応も重要であるとの観点から、OPRC条約の対象物質の範囲を危険物質及び有害物質(HNS)へ拡大する法的枠組について、IMOの海洋環境保護委員会(MEPC)において審議されてきたところであり、今般の外交会議(環境庁からは吉田審議官他2名が出席)において「OPRC-HNS議定書」の採択に至った。

2.OPRC-HNS 議定書の概要

 危険物質及び有害物質の海洋への流出事故に備え、また対応するために主に次の事項を規定している(全体像は別紙参照)。

  [1] 船舶等への緊急措置手引書の備え付け
  [2] 国家的な緊急時計画の策定
  [3] 汚染への対応に関する国際協力

3.今後の対応

 本議定書は、15カ国が批准等をしてから12ヶ月で発効することとなっており、我が国としても、危険物質及び有害物質の流出事故に備えて国家的な緊急時計画の策定等の準備を始めることとしている。

連絡先
環境庁水質保全局企画課海洋環境・廃棄物対策室
室 長 :伊藤 哲夫(6620)
 担 当 :島田、溝口(6622)