報道発表資料
環境省は、「関門航路周辺海域における土砂処分場計画」の環境影響に関する検討書について、国土交通大臣から環境の保全の見地からの意見を求められたことから、本日付けで環境大臣意見を提出しました。
この検討書は、平成23年に改正された環境影響評価法の附則により法改正の経過措置として同法第3条の3で定める配慮書とみなされるもので、本件は配慮書相当の検討書について環境大臣が意見を述べるものです。
意見では、土砂処分場計画地の近隣に位置する曽根干潟の多様な動植物の生息・生育環境への配慮や、瀬戸内海における埋立ての抑制等について言及しています。
1.計画の概要
- ・計画者
- 国土交通省九州地方整備局
- ・位置
- 福岡県北九州市地先
- ・埋立面積
- 約150~250ha
- ・計画内容
- 国際的航路・国内幹線航路として重要な関門航路の整備(大型船対応)に伴い発生する土砂の処分について、既存処分場が平成30年代前半には受入容量限界を迎えるため、新たな土砂処分場を設置して公有水面を埋め立てるもの。
2.意見の概要 ※詳細は別紙参照
(1)曽根干潟の多様な動植物の生息・生育環境への配慮に関するもの
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- 曽根干潟の多様な野生動植物の生息・生育環境に十分配慮した選定経緯等の方法書以降への記載と環境影響の調査、予測及び評価の実施について
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- 曽根干潟前面海域における底質を考慮した水質の予測・評価の実施について
(2)瀬戸内海における埋立ての抑制に関するもの
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- 瀬戸内海環境保全特別措置法の埋立て基本方針への配慮について
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- 埋立処分量の削減及び規模最小化の検討の方法書以降への記載について
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- 土砂処分場設置による環境変化の最小化への最大限の配慮について
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- 瀬戸内海における新たな埋立ての可能な限りの回避と将来にわたる埋立処分量の可能な限りの削減努力について
3.今後について
今後は、事業者が配慮書での検討を踏まえ、事業段階での環境影響評価手続きを進め、その後、事業を実施することとなる。
【参考】
経緯
平成22年 | 3月 | 国土交通省「公共事業の構想段階における計画策定プロセス(PI)ガイドライン」により複数案比較評価等を検討開始 |
6月 | 住民等意見公募・環境省意見提出(1回目) | |
12月 | 住民等意見公募・環境省意見提出(2回目) | |
平成23年 | 6月 | 複数案比較評価等終了 とりまとめ |
8月 | 環境影響評価法の改正による配慮書手続きの創設 (経過措置として埋立てに関してPIにより作成された複数案比較検討書類を配慮書とみなす規定) |
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平成25年 | 4月 | 配慮書手続きの施行 |
8月 | 国土交通大臣から環境大臣あてに意見照会 |
本検討書での検討の特徴
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- 環境面、社会面及び経済面から複数案の比較検討を行い総合評価。
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- 複数案比較検討を2段階に分けて実施。
- ステップ1:
- 土砂処分場設置海域について複数案検討し案を選定
- ステップ2:
- 土砂処分場設置位置について複数案検討し案を選定
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- ステップ1で、藻場干潟、干潟の生物とその生息環境、自然海岸の位置及び海面消失面積を評価項目として評価を行い、ステップ2では特に曽根干潟とその周辺海域への環境影響に着目し検討を行っている。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8237
室長 :瀬川 恵子(内6231)
審査官:田中 準 (内6248)