報道発表資料
環境省生物多様性センターでは、モニタリングサイト1000の一環として実施しているシギ・チドリ類調査について、平成25年度の春期(4月~5月)に行った調査結果の速報をまとめました。今年はアカエリヒレアシシギが昨年に比べ約3.8倍増の19,319個体と多く確認されたほか、絶滅危惧種であるヘラシギが確認されませんでした。
1.平成25年度春期調査概要
- ・調査期間:
- 平成25年4月1日から平成25年5月30日
- ・調査地:
- 112地点
- ・調査方法:
- 各サイトに調査員を配置し、双眼鏡等を使用した目視により、シギ・チドリ類の個体数を種ごとにカウント
2.調査速報
平成25年度の春期の調査では、日本全国のシギ・チドリ類の最大個体数の合計は、昨年度に比べ3,593増の104,138個体でした。
種別に見ると、普段は沖の方で群れで生活するためあまり観察されない、アカエリヒレアシシギが昨年に比べ約3.8倍増の19,319個体と特に多く確認されました。アカエリヒレアシシギは、沖の天候が良くないときに陸近くで多く見られると考えられていますが、数年に一度、多数が確認されており、今年は多数確認された年でした。
絶滅危惧種では、絶滅危惧IA類(CR)のカラフトアオアシシギ2個体、絶滅危惧IB類(EN)のコシャクシギ58個体が確認されましたが、これまで1~3個体程度確認されていたヘラシギが今年は確認されませんでした。ヘラシギは東アジアでの個体数が減少しており今後の動向が注目されます。
詳細については、添付資料のニュースレターをご覧ください。
なお、数値は速報値であり、現在行っているデータ精査の結果を踏まえて10月を目途に確定値を取りまとめる予定です。本結果を利用される場合には、その点をご留意願います。
- ※
- モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査について
モニタリングサイト1000(重要生態系監視地域調査)はわが国を代表する様々な生態系の変化状況を把握し、生物多様性保全施策への活用に資することを目的とした調査で、全国約1,000か所のモニタリングサイトを設置し、平成15年から長期継続的に実施しています。
シギ・チドリ類調査は、干潟生態系の指標として干潟の微生物・ゴカイ類・貝類・甲殻類等を採食しており干潟生態系の上位に位置するシギ・チドリ類の調査を実施しているものです。代表的な全国140地点の干潟を中心としたサイト(添付資料2)において、シギ・チドリ類が日本へ渡ってくる春(4~5月)、秋(8~9月)、冬(12月~2月)の3期の個体数調査をかけて行っています。
3.参考
- ○
- モニタリングサイト1000ウェブサイト
http://www.biodic.go.jp/moni1000/moni1000/index.html - ○
- シギ・チドリ類調査の速報ページ
http://www.biodic.go.jp/moni1000/findings/newsflash/index.html#shorebirds
- 【添付資料】
- 1平成25年度シギ・チドリ類調査 春期調査速報(ニュースレター)
2モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査 調査サイト位置図
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局生物多様性センター
直通:0555-72-6033
センター長 :中山 隆治
総括企画官:鑪 雅哉
保全科長 :木村 元
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成24年6月11日
- モニタリングサイト1000里地調査における一般サイトの追加募集について(お知らせ)