報道発表資料

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2013年03月28日
  • 保健対策

国立水俣病総合研究センターの組織の見直しについて(お知らせ)

 国立水俣病総合研究センターは、昭和53年の発足以来、水俣病に関する医学的な研究に加え、水俣病に関する国際共同研究等の企画・立案・調整、社会科学的・自然科学的調査研究等を行ってまいりましたが、この度、水俣病発生地域における地域の再生・振興等や水銀分析技術研究のより一層の充実を図るため、同センターの組織体制を見直し、それに伴う環境調査研修所組織規則の所用の改正を行い、平成25年4月1日から施行することとしました。

1.組織体制の変更の経緯・趣旨

 国立水俣病研究センターは、水俣病に係る環境汚染の発生機構の解明等の調査研究から水俣病患者の診療、リハビリテーションまでを行う、水俣病に関する医学的な国立研究機関として、昭和53年に発足しました。
 その後、平成8年に、国際共同研究等の企画・立案・調整、水俣病に関する社会科学的・自然科学的な調査及び研究等を行うため、名称を「国立水俣病総合研究センター」に改称し、「国際・総合研究部」「社会科学室」「自然科学室」等を設置、平成13年には情報発信の拠点として「水俣病情報センター」を開館し、さらに平成22年には、保有する水俣病関連資料を歴史的史料として保管・公開することとなりました。
 そして今般、「水俣病問題の解決に向けた今後の対策について」(平成24年8月3日環境省)、「水銀に関する水俣条約」の合意等を踏まえ、水俣病発生地域の再生・振興と環境福祉に関する政策に係る調査研究や水銀分析技術研究のより一層の充実等を図るべく、組織体制を見直し、それに伴う環境調査研修所組織規則(平成15年環境省令第17号)の改正を行い、平成25年4月1日から施行することとしました。

2.組織の見直し及び環境調査研修所組織規則の改正の概要

(1) 国際・総合研究部の所掌事務の規定の変更並びに地域政策研究室及び水銀分析技術研究室(仮称)の設置

国際・総合研究部では、従来より水俣病に係る社会経済上の分析等の水俣病に関する社会科学的な調査研究を行ってまいりましたが、地域の絆の修復や地域の振興(例えば環境モデル都市づくり、環境教育・環境大学院構想など)、水俣病の教訓を生かした社会福祉の推進に役立つ調査研究を中心に力を入れていくこととし、今後は社会科学、自然科学といった枠にとらわれず、水俣病発生地域における地域の再生・振興と環境福祉に関する政策に係る調査及び研究を行うこととします。
これに伴い、同部の所掌事務規定のうち、「水俣病に関する社会科学的及び自然科学的な調査及び研究」について、「水俣病発生地域における地域再生・振興及び環境と福祉との相互の関係に関する調査及び研究」を明記することとしました。
この「水俣病発生地域における地域再生・振興及び環境と福祉との相互の関係に関する調査及び研究」を担う室として、同部に社会科学研究室に代えて地域政策研究室を設置します。
また、「水銀に関する水俣条約」の合意を踏まえ、水銀分析全般に関わる海外技術移転等積極的な海外支援等を行うため、従来用いられてきた水銀分析法に加え、最新の分析技術を導入し、水銀の動態に関連する分析項目に関する測定技術等を含め包括的で専門的な研究を進めていく予定です。これらの海外支援や研究を進める「水銀分析技術研究室」(仮称)を、現在国会審議中の平成25年度政府予算案に盛り込んでいます。

(2) 疫学研究部の所掌事務の追加及び名称の変更

疫学研究部では新たに、生態系の中での水銀の様態や環境中の安定化手法に着目した研究、水環境中、大気環境中、土壌・底質環境中、動植物環境中における水銀動態の把握及び各環境間における水銀の相互作用に関する研究等を行うこととします。
これに伴い、同部の名称を「環境・疫学研究部」に変更するとともに、同部の所掌事務規定について、「水俣病の自然科学的な調査及び研究に関すること(生態学の観点か ら行うもの並びに自然界における水銀の動態及び物質の化学的変化に関するものに限る。)」を追加することとし、この所掌を具体的に担う室として、生態学研究室を設置します。
連絡先
環境省環境調査研修所国立水俣病総合研究センター
(代表 : 0966-63-3111)
所長 : 阿部 重一
課長 : 佐藤 克子
担当 : 清水 昭史
環境省総合環境政策局環境保健部
企画課特殊疾病対策室
(直通 : 03-5521-8257)
(内線 : 6363)
補佐 : 横川 晶人