報道発表資料

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2000年04月14日

岩国大竹道路に係る環境影響評価書に対する環境庁長官意見の提出について

環境庁は、岩国大竹道路(広島県、山口県)の環境影響評価書について、環境影響評価法第22条第2項の規定に基づき、建設大臣より環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成12年4月14日付けで建設大臣に対し、周辺道路も含めた騒音の更なる低減及び工事用車両の走行に伴う道路交通騒音・建設作業騒音対策等に関する環境庁長官意見を提出した。

1.事業の概要

路  線   名
事 業 区 間
道路の規模  計画交
 通  量
(台/24h)
主な手続きの経緯
岩国大竹道路
(一般国道[地域高規格道 路])広島県大竹市小方一丁目~山口県岩国市山手町三丁目

一般国道
  9.8km
  4車線

  広島県
  4.7km
  山口県
  5.1km


22,000

30,000


○準備書縦覧
H11/5/10~5/24(広島県)
H11/5/7~5/21(山口県)

○知事意見提出
H11/10/5(広島県)
H11/10/8(山口県) 

2.環境庁長官意見

岩国大竹道路(広島県)
 本事業の環境影響評価書については、計画道路のみならず、周辺道路も含めた騒音防止対策を検討するなど、地域環境の実態に即した環境保全措置が盛り込まれているところであるが、より一層地域の環境保全に万全を期す観点から、以下の意見を述べるものである。

1.大気・騒音関係
 
(1)    供用時の道路交通騒音について、一部地域で屋外における環境基準の超過が予測されることから、周辺道路も含め、遮音壁透光板や低騒音舗装の利用等を検討し、屋外についても可能な限り騒音レベルの低減を図ること。また、以上の措置を講じる旨、評価書に記載すること。
 
(2)    一部地域で学校、住居等が計画路線の近傍に位置すること、計画地域の周辺地域においては、現在、道路交通騒音に係る環境基準を超過していることから、着工前に工事用車両の走行に伴う道路交通騒音の影響について調査・予測・評価を行い、必要な対策を検討するとともに、その結果を公表すること。また、以上の措置を講じる旨評価書に記載すること。
 
(3)    学校、住居等が計画路線の近傍に位置する箇所については、着工前に建設作業騒音に係る調査・予測・評価を行い、必要な対策を検討するとともに、その結果を公表すること。また、以上の措置を講じる旨評価書に記載すること。
 
(4)   工事中、供用時を通じて、関係機関と協力しつつ、環境監視に加え、関連交通量の監視についても適切に実施し、その結果を踏まえ適切な措置を講じること。また、以上の措置を講じる旨、評価書に記載すること。
 
2.水質関係
 
(1)    薬液注入工事以外の工事に際しても、工事に伴う濁水流出及びアルカリ排水に関し、十分な環境監視を行い、水質保全上の問題が生じることのないよう最善を尽くすこと。また、その旨を評価書に記載すること。
 
(2)   トンネル洗浄等に伴う排水が、それを一旦集める集水桝から河川等へ漏出しないよう 監視するとともに、速やかに集めた排水を回収すること。また、その旨を評価書に記載すること。
 
3.廃棄物関係
 
    工事に伴う発生土については、関係機関と十分に調整を行い、可能な限り有効利用を図るなど処分所要量の削減のための対策を講じること。
  また、発生土の仮置き等の発生土処分に伴い、環境保全上の問題が生じることのないよう最善を尽くすこと。
 
4.自然関係
 
    計画道路周辺は自然環境豊かな地域であるとともに希少な野生動植物が確認されていることから、以下に掲げる措置を講じ、それらの生息環境の適切な保全に配慮する必要がある。
 
(1)    オオタカ、ハチクマなど希少な鳥類の飛翔が数多く確認されていることから、着工前 及び工事期間中において繁殖行動等が確認された場合、学識経験者の意見を聞き必要な調査を実施し営巣に影響を及ぼす可能性があると判断された場合は、適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
 
(2)    工事中に希少な野生動植物を新たに確認した場合には、必要に応じて関連する工事を一時中断し、学識経験者から意見の聴取を行うとともに現地調査を実施し、影響が最小限になるよう適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
 

岩国大竹道路(山口県)
 本事業の環境影響評価書については、必要な環境保全措置が盛り込まれているところであるが、より一層地域の環境保全に万全を期す観点から、以下の意見を述べるものである。

1.大気・騒音関係
 
(1)    一部地域で住居、病院等が計画路線の近傍に位置すること、計画地域の周辺地域においては、現在、道路交通騒音に係る環境基準を超過していることから、着工前に工事用車両の走行に伴う道路交通騒音の影響について調査・予測・評価を行い、必要な対策を検討するとともに、その結果を公表すること。また、以上の措置を講じる旨評価書に記載すること。
 
(2)    住居、病院等が計画路線の近傍に位置する箇所については、着工前に建設作業騒音に係る調査・予測・評価を行い、必要な対策を検討するとともに、その結果を公表すること。また、以上の措置を講じる旨評価書に記載すること。
 
(3)   工事中、供用時を通じて、関係機関と協力しつつ、関連交通量、大気環境、道路交通騒音の監視を適切に実施し、その結果を踏まえ適切な措置を講じること。また、以上の措置を講じる旨、評価書に記載すること。
 
2.水質関係
 
(1)    薬液注入工事以外の工事に際しても、工事に伴う濁水流出及びアルカリ排水に関し、十分な環境監視を行い、水質保全上の問題が生じることのないよう最善を尽くすこと。また、その旨を評価書に記載すること。
 
(2)    トンネル洗浄等に伴う排水が、それを一旦集める集水桝から河川等へ漏出しないよう監視するとともに、速やかに集めた排水を回収すること。また、その旨を評価書に記載すること。
 
3.廃棄物関係
 
    工事に伴う発生土については、関係機関と十分に調整を行い、可能な限り有効利用を図るなど処分所要量の削減のための対策を講じること。
  また、発生土の仮置き等の発生土処分に伴い、環境保全上の問題が生じることのないよう最善を尽くすこと。
 
4.自然関係
 
    計画道路周辺は自然環境豊かな地域であるとともに希少な野生動植物が確認されていることから、以下に掲げる措置を講じ、それらの生息環境の適切な保全に配慮する必要がある。
 
(1)    オオタカ、ハチクマなど希少な鳥類の飛翔が数多く確認されていることから、着工前及び工事期間中において繁殖行動等が確認された場合、学識経験者の意見を聞き必要な調査を実施し、営巣に影響を及ぼす可能性があると判断された場合は、適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
 
(2)   工事中に希少な野生動植物を新たに確認した場合には、必要に応じて関連する工事を一時中断し、学識経験者から意見の聴取を行うとともに現地調査を実施し、影響が最小限になるよう適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室 長 :小林 正明(6231)
 審査官 :福本 幸造(6232)