報道発表資料

この記事を印刷
2013年02月06日
  • 大気環境

CCACアジア地域会合の開催結果について(お知らせ)

   タイ・バンコクで2月4日(月)から2月5日(火)にかけて開催された、短寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化のコアリション(CCAC)の支援による「アジア太平洋における短期気候保護及び大気環境保全に関する地域政府間会合」の結果についてお知らせいたします。我が国からは谷津地球環境審議官他が出席しました。

1.日時:
平成25年2月4日(月)~2月5日(火)
2.場所:
タイ・バンコク
3.
共催:
日本、バングラデシュ
運営:
CCAC、UNEPアジア太平洋地域事務所、ストックホルム環境研究所
協力:
米国国務省、クリーン・エア・アジア、アジア・コベネフィット・パートナーシップ、地球環境戦略研究機関
4.
参加国:
18カ国(オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、日本、ヨルダン、キルギス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、韓国、モルディブ、スリランカ、タイ、ウズベキスタン)
参加機関:
20機関以上
5.目的:
短寿命気候汚染物質(SLCP)に関する意識の向上及びアジア太平洋地域におけるSLCPの早期削減に向けた取組の議論
6.議題:
セッション1:
開会
開会挨拶(マームド・バングラデシュ環境森林大臣、谷津・地球環境審議官)ほか
 谷津地球審からは、気候変動と地域の大気汚染対策は喫緊の課題であり、コベネフィットを得られるSLCP対策を推進するCCACを日本は全面的に支援していること、我が国は大気汚染対策の知識や経験、科学研究等の共有、廃棄物分野等における地域取組推進等により、アジアの取組を推進していること、CCACのアジアへの拡大を支援すること、CCACへの資金拠出を予算要求していることを述べた。
科学的背景
セッション2:
アジア太平洋地域における削減オプション
アジア太平洋における削減オプション及び削減可能性の概要
CCACについて
各分野の削減オプション(交通、屋内暖房・炊事、煉瓦製造、都市廃棄物・排水、農業、化石燃料製造、HFC)
セッション3:
アジア太平洋地域における国及び地域レベルのSLCP戦略に関する情報
閉会
7.
結果概要:会合の結果、アジアにおけるSLCPに関する会合声明がとりまとめられた。声明の要旨は以下のとおり。
既存の取組へのSLCPの課題の取り込み等によるSLCPに関する意識の向上と分析の必要性が指摘された。アジアにおいては対流圏オゾン削減のためのNOxとVOCの排出削減が急務であることが指摘された。また、CCACによる地域アセスメントを含むSLCPの理解と意識向上への支援を促した。
優良事例の実施、現在実施されている低炭素開発や大気保全対策等はSLCP削減に役立つことが強調された。各国・機関間の情報共有の必要性が認識され、意識向上、情報・既存データ及び資金オプションに関する経験の共有等のための調整のとれたオープンなプラットフォームの設置が提案された。CCACのような国際的な取組が優良事例の共有等に有効なものとして歓迎された。また、日本が資金拠出を予算要求していることが参加者に歓迎された。
アジアにおけるSLCP削減のために以下の優先的な取組が認識された。
  • SLCPの重要性について、重要なステークホルダー及び一般国民、特に政策決定者の意識を高めること
  • より効率的で汚染の少ない炊事、暖房、照明手法の開発
  • 交通、煉瓦製造、農業、廃棄物・排水、石油・ガス製造からの漏出等の分野におけるブラックカーボンまたはメタンの排出を削減すること
  • HFCからの代替の推進等
  • アジアにおける様々なレベルでの意識啓発のための情報作成・共有、組織作り、関係者の関与など
各国、その他の組織への提案
  • CCACへの参加を検討すること
  • SLCPの排出源の特定、国の行動計画へSLCPを位置づけること
  • SLCPの影響や対策の効果等に関する科学的観点からの意識向上を図ること
  • SLCP削減の取組の加速、動機付けに取り組むこと
  • アジアにおける他のネットワークにSLCP関連事項を位置づけること
  • SLCP削減に関する自己の知識や経験を他国と共有すること
  • SLCPの観測、科学的研究を支援すること
ASEAN、南アジア地域協力連合、東アジアサミット等地域の取組への提案
  • SLCPに関する活動のためのフォーラムの形成を支援すること。既存の地域取組とのSLCPへの対応に関する調整を行うこと
  • 健康、エネルギー、開発と環境等の議論にSLCPの課題を位置づけること
CCACへの提案
  • アジアにおけるSLCPについての地域統合評価を行うこと
  • CCAC活動にアジアの参加と優先課題を取り込むこと
  • 既存の大気汚染ネットワーク等との協力作業を進めること
世界銀行、アジア開発銀行、その他の国際開発機関等への提案
  • 開発・投資プログラムへのSLCPの位置づけ、SLCP削減のための資金メカニズムを促進すること
国際NGO、研究機関等の組織等への提案
  • 研究開発、データ収集・共有、優良事例等に関する協力を推進すること
  • SLCP削減プログラムやプロジェクトへの支援を進めること
連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
代表 : 03-3581-3351 直通:03-5521-8330
 室長 : 新田 晃(内線6772)
 地球環境問題交渉官 : 大井通博(内線6773)

環境省水・大気環境局総務課
水・大気環境国際協力推進室
 代表 : 03-3581-3351 直通:03-5521-8289
 室長 : 関谷 毅史    (内線6840)
 室長補佐 : 柳田 貴広(内線6606)
 室長補佐 : 吉崎 仁志(内線6547)