報道発表資料
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES※)第1回総会が、1月21日(月)~26日(土)にボン(ドイツ)で開催されました。
今次会合では、総会議長を始めとするビューローメンバー及び多様な領域の専門家からなるパネル(MEP)のメンバーの選出、初年度予算案並びに初期作業計画の準備及び実施のための制度等が議論されました。
※IPBES(intergovernmental science-policy platform on biodiversity and ecosystem services)
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012年4月に設立された政府間組織です。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあります。
1.会議の概要
- 会議名称
-
- 日本語:
- 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)第1回総会
- 英語:
- Plenary of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services First Session
- 開催期間:
- 平成25年1月21日(月)~26日(土)
- 場所:
- ボン(ドイツ)
2.主な結果:
- ○
- 国連の5地域区分に従い、各地域からビューロー各2名(計10名)及びMEPメンバー各5名(計25名)が選任されました。
- *
- アジア太平洋地域のMEPメンバーのうち、任期の後半を担当する一人として、日本が推薦した白山義久氏(独立行政法人海洋研究開発機構理事)が選任されました。
- ○
- 総会議長は、ザクリ・アミドゥール・ハミド博士(マレーシア首相科学顧問、元国連大学高等研究所長、元国連ミレニアム生態系評価共同議長)が選任されました。
- ○
- プラットフォーム総会運営のための規則及び手続については、EUやASEANなど地域経済共同体に対するメンバーシップの扱い、MEPの選出規則、オブザーバーの承認手続等を除き、概ね合意がなされました。主な合意内容は以下の通りです。
- ビューロー:任期3年、議長は5つの国連地域区分で持ち回り。
- MEP:任期3年、議長はメンバー間で互選。
- 意思決定方法:原則として全会一致(コンセンサス)による。但し手続き的なものについては、コンセンサスが得られない場合は、投票により2/3の得票で決定。
- ○
- UNEPに対し、事務局機能提供に関する要請を行うとともに、UNEP、UNESCO、FAO、及びUNDPがIPBESの活動や事務局機能に関する協力パートナーシップ協定を結ぶことによりIPBESと制度的つながりを設立することを要請。
- ○
- 予算案については、2013年予算のみ採択され、当面は事務局長を含む5名体制で運営がなされることになりました。
- ○
- 第2回総会で決定する2014年から2018年までの初期作業計画については、主としてMEPとビューローが事務局とともに計画原案の策定を行うために必要な作業について決定がなされました。
3.その他
環境省は、IPBES暫定事務局の一角をなす国連教育科学文化機関(UNESCO)との共催により、以下のサイドイベントを開催し、今後のIPBESの具体的活動に向けての検討の促進に貢献しました。
- 1)
-
- 名称:
- IPBESの概念的枠組みの策定をどのように進めるか(仮訳)
- 日時:
- 1月22日(火)13:30-14:30)
- 内容:
- 2012年10月に開催したIPBESの概念的枠組に関するワークショップの成果発表
- 主催:
- 国連教育科学文化機関(UNESCO)、
- 共催:
- 環境省、世界自然保護連合(IUCN)ほか
- 2)
-
- 名称:
- IPBESにおける先住民や地域社会による知識
-科学との相乗効果(仮訳) - 日時:
- 1月24日(木)13:15-14:15
- 内容:
- 生物多様性や生態系サービスの評価における、先住民及び地域コミュニティーの知識の活用
- 主催:
- 国連教育科学文化機関(UNESCO)
- 共催:
- 環境省、ストックホルムレジリエンスセンター、IUCN
4.今後の予定
次回会合の議題や開催地等については、ビューローが事務局及びMEPと検討して決定されることとなりました。環境省としては、科学的評価をはじめとする活動開始に向けて、引き続き貢献していく予定です。
本会合の公式ウェブサイト
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8275)
室長 :奥田 直久 (内:6480)
企画官:中尾 文子 (内:6488)
専門官:久慈 淳一郎(内:6485)