報道発表資料

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2013年01月18日
  • 水・土壌

「国及び地方自治体がこれまでに実施した除染事業における除染手法の効果について」の発表について

 環境省では、国及び地方自治体が福島県においてこれまでに実施した、主として平成23年度の除染事業について、それらの結果の情報を収集整理し、除染によって、どの程度放射性物質の量を減らすことができたのかを分析しました。今般、分析結果を取りまとめましたので、公表いたします。
 本分析結果は、適切な除染を推進するための基礎資料として活用するとともに、除染の結果については、今後も継続してとりまとめていく予定です。

1.概要

 国等においてはこれまでモデル事業、先行的除染事業を進めてきており、除染結果に関するデータが蓄積されつつある。そこで、国及び地方自治体が福島県において実施した初期(主に平成23年度)の除染事業について、除染結果の情報を収集整理し、除染によって、どの程度放射性物質の量を減らすことができたのかを取りまとめた。
 なお、本分析では、建物工作物・道路などの生活圏を中心としたデータを対象としている。(結果の解釈にあたっての注意点については、「3.分析結果の解釈にあたっての注意点」及び添付資料を参照のこと。)

2.除染効果のとりまとめ結果(抜粋)

 本分析は、個々の除染手法の効果をとりまとめることを目的にしているため、分析した除染効果は、除染対象ごとの表面汚染密度の低減率を表している。分析結果の詳細については、添付資料を参照のこと。
 なお、以下に、取りまとめた結果のうち、広く除染が行われている対象に対する、代表的な除染手法に係る分析結果を抜粋する。

(1)駐車場等のアスファルト舗装面

  • 表面汚染密度の低減率は、「洗浄」で50~70%、「高圧洗浄」で30~70%、「削り取り」で70~90%程度となっている。
  • 「高圧洗浄」は、表面汚染密度の大小にかかわらず、低減率のばらつきは大きい。
  • 駐車場のように除染範囲が広い場合、高圧洗浄は、地点によって作業方法(ノズルの地上高さ、面積あたりの作業時間等)にばらつきが生じたり、表面の状態(透水性や排水性の違い)の影響により、低減率のばらつきが大きくなることがある。

(2)校庭等の土のグラウンド

  • 「表土剥ぎ」の表面汚染密度の低減率は80~90%程度となっている。
  • グラウンドは不陸が少なく、安定した低減率が確保できていると考えられる。

(3)側溝

  • 表面汚染密度の低減率は、「堆積物除去」で70~90%、「堆積物除去後高圧洗浄」で60~90%程度となっている。
  • 側溝の堆積物に放射性物質が多く蓄積していることから、堆積物を除去するだけでも十分に効果的である。

3.分析結果の解釈にあたっての注意点

  • 本分析は初期に行われた除染事業の結果を取りまとめたものである。その後の除染については、時間経過による放射性物質の付着状況の変化、除染技術の改良等により、除染効果はこれらと異なることがある。
  • 本分析の対象は、除染の方法等が必ずしも確立されていない初期の除染事業であり、その後の改善等が反映されていないものであることから、本分析の結果はあくまで暫定的なものとして取り扱うことが必要である。
  • 実際に除染を実施する上での除染手法の選定にあたっては、除染効果のみではなく、汚染状況や地域の実情、除染により生じる土壌・廃棄物等の量及び費用対効果等を総合的に勘案する必要がある。

 その他、注意点の詳細については、添付資料を参照のこと。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局除染チーム
(代表:03-3581-3351)
 参事官:牧谷 邦昭
 補佐  :立田 理一郎(内:7530)
 担当  :土田 幹隆  (内:7528)

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