報道発表資料

この記事を印刷
2012年11月27日
  • 再生循環

平成24年度有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップの結果について(お知らせ)

 11月20日(火)~11月22日(木)に、平成24年度有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップをフィリピン・セブにて開催しました。本ワークショップでは、有害廃棄物の不法輸出入防止に関する各国の取組状況の報告、有害廃棄物の環境上適正な管理、不法有害廃棄物の返送、不法越境移動対策のためのネットワーク間の連携について議論を行いました。また、本ワークショップの一環として開催したアジアネットワークと国連環境計画が行っている化学物質・廃棄物管理に関する地域環境ネットワークの共同会議では、バーゼル条約担当者、税関関係者、国際機関等との間で、水際対策の事例やその対策について意見交換が行われました。

1 日程:11月20日(火)~11月22日(木)

  • 11月20日(火):アジアネットワークワークショップ
  • 11月21日(水):アジアネットワークと国連環境計画化学物質・廃棄物管理に関する地域環境ネットワークとの合同会議
  • 11月22日(木):施設見学

2 場所:

フィリピン・セブ

3 主催:

フィリピン環境天然資源局・環境管理部、日本環境省、バーゼル条約東南アジア地域センター(インドネシア)

4 参加者:

  • アジア10カ国(インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、日本)のバーゼル条約担当官
  • 関係機関:バーゼル条約事務局、バーゼル条約地域事務所(中国)、国連環境計画他

5 議題:

(1)
開会及びバーゼル条約に基づく活動状況報告
 フィリピン環境天然資源局・環境管理部次官、吉田適正処理・不法投棄対策室長、バーゼル条約東南アジア地域センター長、フィリピン環境局本部長、フィリピン環境局第7地域部長からの開会挨拶が行われ、フィリピンから、アジアネットワークワークショップの背景や今回の会議について説明がありました。
 カンボジア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイから、バーゼル条約に基づく有害廃棄物の越境移動や環境上適正な管理の取組に関する発表が行われ、バーゼル条約に基づく有害廃棄物の越境移動や環境上適正な管理に関する最新動向について議論が行われました。各国におけるバーゼル条約施行に関する最新動向は条約全体としても重要な情報のため、今後もアジアネットワーク等を通して情報を共有していくことが確認されました。
(2)
有害廃棄物の環境上適正な管理
 本多適正処理・不法投棄対策室係長がセッション議長を務め、フィリピン、韓国、マレーシアから各国における有害廃棄物の環境上適正な管理に関する取組、スクラップ・リサイクル協会(ISRI)、国連環境計画国際環境技術センター(UNEP-IETC)等から国際的な枠組みにおけるリサイクル目的のための環境上適正な管理に関する取組の発表が行われ、アジア地域において有害廃棄物の環境上適正な管理を実施するための議論が行われました。
 国際的な有害廃棄物等の環境上適正な管理に関する議論は、各国における環境上適正な管理の施行能力の向上や、民間企業との連携を強化することに結びつくため、アジア地域においても政府関係機関や民間企業での協力による取組が必要であることが共有されました。
(3)
有害廃棄物等の不法越境移動対策のためのネットワーク間の連携
 本議題は、アジアネットワークとUNEPが行っている化学物質・廃棄物管理に関する地域環境ネットワーク(REN1)の共同会議として行われました。UNEPアジア太平洋地域事務所長からの開会挨拶(ビデオ)の後、本多係長がセッション議長を務めました。UNEPからRENプロジェクトの説明、有害廃棄物等の不法越境移動対策のためのネットワーク(アジアネットワーク、ヨーロッパにおける環境法実施・施行ネットワーク(IMPEL-TFS)、REN、グリーンカスタムイニシアティブ(GCI))から各ネットワークにおける取組に関する発表が行われました。
 有害廃棄物等の不法越境移動の対策については、各国内において中央政府や税関当局との連携を強化しつつ、各国間の協力や、ネットワークを活用した国際的な対策の必要性について議論が行われました。また、各ネットワーク間の連携を強化するためには、各ネットワークの経験や関連情報をネットワーク間で共有するとともに、関係国に対しても情報を共有できるような仕組みの必要性について議論が行われました。

1REN(Regional Enforcement Network)側の主な出席者:UNEP、アジア太平洋地域諜報連絡事務所(RILO-AP)、国際連合薬物犯罪事務所(UNODC)、国際刑事警察機構(INTERPOL)、アジア20ヶ国以上の税関当局等
(4)
有害廃棄物等の不法越境移動対策・返送
 引き続き共同会議として開催され、アジア太平洋地域諜報連絡事務所(RILO-AP)、UNEP等から各機関の活動における有害廃棄物等の不法越境移動の監視、諜報情報管理、事例への対策の紹介が行われました。また、有害廃棄物の不法越境移動に関しては、インドネシアとベトナムから実際の事例への対応やその対策、IMPEL-TFSからはヨーロッパにおける不法越境移動の返送に関する優良事例の紹介がありました。
 有害廃棄物等の不法越境移動対策・返送に関しては、国内における関係当局の連携による水際対策を強化するとともに、関連する諜報情報については関係国や関連国際機関と共有し、有害廃棄物等の不法越境移動の防止やその返送に活用することについて議論が行われました。
(5)
施設見学
 セブ市の電気電子機器廃棄物の回収・解体処理施設、セブ税関において施設見学を行いました。
連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室
直通 03-5501-3157
代表 03-3581-3351
室長:吉田 一博(内線 6881)
係長:本多 俊一(内線 6885)
係長:井上 正秀(内線 6886)