報道発表資料
水銀に関する条約の制定に向けた議論のため、本年10月31日(水)から11月1日(木)まで、バンコク(タイ)において「水銀条約政府間交渉委員会第5回会合の準備のためのアジア太平洋地域会合」が開催されました。今回の会議では、来年1月13日(日)からジュネーブ(スイス)で開催予定の「水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第5回会合」で条約案文の取りまとめを目指すことから、これに先立ち、同会合で議論される予定の水銀に関する条約の条文案等について、アジア太平洋地域の各国で意見交換を行いました。
1.背景
国連環境計画(UNEP)では、平成21(2009)年2月に開催された第25回UNEP管理理事会において、国際的な水銀の管理に関して法的拘束力のある文書(条約)を制定すること、及びそのための政府間交渉委員会(INC)を設置して平成22(2010)年に交渉を開始し、平成25(2013)年までの取りまとめを目指すことが合意されました。
これまでに計4回のINCが開催されており、本年6月にプンタ・デル・エステ(ウルグアイ)で開催されたINC4では、2013年1月に開催されるINC5において、議長が作成する条文案をもとに議論が行われることが合意されました。
今回の地域会合は、INC5に向け、アジア・太平洋地域の各国間で意見交換を行うことを目的として開催されたものです。
なお、昨年1月に千葉市で開催されたINC2において、2013年秋に予定されている条約の採択・署名のための外交会議を我が国で開催することが了承されており、現在UNEP事務局等と調整しながら準備を進めているところです。
2.会議の概要
(1)会議の開催期間等
- 開催期間:平成24年10月31日(水)、11月1日(木)
- 開催場所:バンコク(タイ)
- 主催:UNEP(担当はジュネーブの化学物質部)
- コーディネーター:早水輝好 環境省環境保健部企画課長
(2)主な議題
水銀に関する条約の条文案(議長テキスト)についての意見交換 等
(3)会議文書
本会議に用いたINC5の会議文書(条文案を含む)は以下のウェブサイトから入手可能です。
(4)出席者
- 会議には、アジア太平洋地域の各国の政府代表の他、INC議長(ウルグアイ)、UNEP事務局、事前にオブザーバー登録されたNGOを含め、28カ国・地域等から80名余の参加がありました。
- 我が国からは、外務省、経済産業省及び環境省(早水輝好企画課長ほか)から構成される政府代表団が出席しました。
3.会議の結果
会合では、INC5に向けて準備された新しい議長テキストの条文案等について意見交換が行われました。主な論点における議論の概要は下記のとおりです。
- (1)
- 水銀添加製品の規制については、規制対象製品を列挙したリスト(ポジティブリスト方式)等に関して議論が行われました。同リストについては、今後各国に対し追加的な情報の提出を求めつつ、他の関心国と共同でINC5に向けてリストの修正案を提案することになりました。
- (2)
- 水銀の貿易については、輸入国の意思を事前に確認するというロッテルダム条約の方式を導入することに対して、アジア太平洋地域における共通の理解が得られました。
- (3)
- 大気への排出については、水・土壌への放出に関する規定との関係、各国での排出抑制の取り組みの規定の仕方、規制対象施設及び規模を含め各国から意見が出され、今後更に検討を行うことになりました。
- (4)
- 資金については、資金メカニズムのあり方や拠出を行う主体、資金供与の対象等について異なる見解が出されましたが、全般的に建設的な議論が行われ、個別の論点については今後更に検討を行うことになりました。
これらの議論を踏まえ,今後、最終会合となる来年1月のINC5に向けて、各国でさらに条文案の内容について検討していくことになりました。
なお、我が国は、アジア太平洋地域グループのコーディネーターとして、意見の取りまとめ等を通じて議論の進展に貢献しました。
4.今後の予定
UNEP事務局が現時点で想定している日程は、以下の通りです。
2013年1月13日-18日 | 第5回(INC5):ジュネーブ(スイス) |
2013年2月18日-22日 | 第27回UNEP管理理事会に検討結果を報告 |
2013年秋 | 外交会議(条約の採択及び署名):日本 |
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課
直通 :03-5521-8250
代表 :03-3581-3351
課長 :早水 輝好(内線 6310)
環境保健部環境安全課
直通 :03-5521-8260
代表 :03-3581-3351
課長 :上田 康治(内線 6350)
課長補佐:水谷 好洋(内線 6353)
担当 :森谷 直子(内線 6356)