報道発表資料

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2012年10月26日
  • 総合政策

都市計画道路甲府外郭環状道路北区間に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、環境影響評価法に基づき、「都市計画道路甲府外郭環状道路北区間」に係る環境影響評価書について、国土交通大臣等から環境の保全の見地からの意見を求められたことから、本日付けで環境大臣意見を提出した。

1.
 環境省は、「都市計画道路甲府外郭環状道路北区間」に係る環境影響評価書(都市計画決定権者:山梨県知事(注1))について、環境影響評価法に基づき、国土交通大臣等(注2)から環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成24年10月26日付けで国土交通大臣等に対し、別紙のとおり環境大臣意見を提出した。
2.
 本事業の事業実施区域は、市街地への影響を極力避け、甲府盆地北部の山間部や住宅地を通過するが、事業実施区域とその周辺には、秩父多摩甲斐国立公園が存在するとともに、希少動植物が確認されている。このようなことから、環境大臣意見では以下の措置を適切に講じる必要があることを指摘している。

環境大臣意見の概要

(1)地下水・温泉について
 トンネルの掘削工事に当たって地下水位の低下等の当該影響が見られる際には、確実に対策を実施すること。
 温泉については、継続的なモニタリングを行い、工事中及び供用後の温泉の状況の把握に努めること。
(2)動物について
 キクガシラコウモリについて、代償措置の具体的な内容について、これまでの調査結果や専門家等の意見を踏まえて十分に検討し、適切に措置を実施すること。
 オオタカについて、工事着手前に繁殖状況の調査を実施し、繁殖地の近傍において繁殖期間中には工事を実施しない等について、専門家等の意見を踏まえて十分に検討し、適切に環境保全措置を実施すること。
 事後調査の結果については適切な時期・方法により公表すること。
(3)景観について
 眺望点である「上積翠寺展望地」及び「棚田からの景観」における景観資源として秩父多摩甲斐国立公園を加えるとともに、当該眺望点からの予測及び評価についても秩父多摩甲斐国立公園を盛り込むこと。
(4)廃棄物等について
 トンネル工事に伴い多くの残土が発生し、対象事業実施区域外への残土の搬出が計画されている。対象事業実施区域外における残土の有効活用に当たっては、工事の実施に当たって搬出先及び搬出先ごとの搬出量を把握すること。
(5)温室効果ガスについて
 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律に基づく特定調達品目等の使用等に努めること。また、地域特性等を踏まえ、温室効果ガスの排出量削減に留意しつつ、効率的な施工計画を策定するよう努めること。
 トンネル内の照明等の施設の省エネ化等を進め、供用時においてもできる限りの温室効果ガスの排出量削減に努めること。
3.
 なお、今後、都市計画決定権者である山梨県に対して、国土交通大臣等から環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。
(注1)
本事業は都市計画に定められるものであるため、環境影響評価は事業者に代わって都市計画決定権者である山梨県が実施(環境影響評価法第40条第1項)
(注2)
国土交通大臣及び国土交通省関東地方整備局長

参考

○ 事業概要

・区間: 山梨県甲府市桜井町~山梨県甲斐市宇津谷
・延長: 約15km ・設計速度:80km/時
・車線数: 4車線 ・計画交通量:22,300~29,500台(平成42年)
○ 環境影響評価の手続
・ 方法書公告縦覧
平成17年7月11日~8月10日(住民意見381通)
・ 知事意見提出
平成18年1月23日
・ 準備書公告縦覧
平成23年9月26日~10月26日(住民意見63通)
・ 知事意見提出
平成24年5月11日
・ 評価書接受
平成24年9月12日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8237
室長   :田中 紀彦(内6231)
室長補佐:横井三知貴(内6233)
審査官  :佐藤 秀憲(内6253)

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