報道発表資料
環境省では毎年6~9月に熱中症等の予防に活用するため、全国約150地点の暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値の提供を行っています(環境省熱中症予防情報サイト)。今般、全国の熱中症搬送者数が急増していることから、従来の暑さ指数の情報提供に加え、過去数週間程度の暑さ指数の観測状況、暑さ指数と熱中症搬送者数との関係について、定期的に情報提供を行っております。本情報等を活用し、広く熱中症の予防にご協力いただきますようお願いいたします。
1.概要
環境省では毎年6~9月に熱中症等の予防に活用するため、全国約150地点の暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値の提供を行っています。今般、全国の熱中症による救急搬送者数が急増していることから、従来の暑さ指数の情報提供に加え、過去数週間程度の暑さ指数の観測状況、暑さ指数と熱中症による救急搬送者数との関係について、定期的に情報提供を行います。
暑さ指数(WBGT(wet-bulb globe temperature))とは?

米国陸軍での訓練の際の熱中症を予防することを目的として1957年に米国で提案された指標。
人体に与える影響の大きい[1]湿度、[2]日射等からの熱、[3]気温の3つを取り入れた指標。気温と異なり人体と外気との熱収支に着目した指標で、労働環境や運動環境の指針としてISO等で国際的に規格化されている。
(算出方法)
屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
(単位は気温と同じ「℃」になる。)
※黒球温度:黒色に塗装された薄い銅板の球の中心に温度センサーを入れて観測する。(右図)
2.先週(9月24日~30日)の全国の暑さ指数の各都市の状況について
暑さ指数28℃以上の時間数(168時間中)
- [1]父島(東京都)
- 37時間
- [2]南大東島(沖縄県)
- 21時間
- [3]久米島(沖縄県)
- 15時間
- [4]石垣島(沖縄県)
- 13時間
- [5]沖永良部島(沖縄県)
- 9時間
- [6]宮古島(沖縄県)
- 8時間
- [7]名護島(沖縄県)
- 7時間
<参考>全国6都市の観測地点
- 新潟(新潟県)
- 0時間
- 東京(東京都)
- 0時間
- 名古屋(愛知県)
- 0時間
- 大阪(大阪府)
- 0時間
- 広島(広島県)
- 0時間
- 福岡(福岡県)
- 0時間
- (注1)
- 暑さ指数は、これまでの調査結果による推定手法を用いて、気象庁の観測資料から推定した値です。
- (注2)
- 第1報でお知らせした暑さ指数31℃以上の時間数(168時間中)は、今回の調査では、全地点で0時間でした。なお、暑さ指数31℃以上とは、(公財)日本体育協会の指針において、特別の場合以外は運動を中止するレベルです。
- (注3)
- 暑さ指数28℃以上とは、(公財)日本体育協会の指針における、厳重警戒レベルです。
3.暑さ指数(6都市)と熱中症による救急搬送者数(全国)との関係
6都市:東京都、大阪市、名古屋市、新潟市、広島市、福岡市
- ○
- 9月24日~30日の期間、6都市平均の最高WBGTは25℃未満となり、全国の熱中症による救急搬送者数は、消防庁発表の速報によると、9月18日以降は100名以下が続いています。
- ○
- 9月24日~30日までの期間、熱中症危険度の「厳重注意」を示すWBGT28℃を超えた地点は、前の週より少なくなり2~6地点(全153地点)となっています。
- ○
- 気象庁発表(10月2日 11時時点)の週間天気予報では、最高気温・最低気温ともに、北日本から西日本は平年並か平年より高い所が多く、期間の中頃にかけてかなり高くなる所もあります。そのため、気温の変化が大きくなりますので、屋外での強度の強い作業や運動時などを中心に、熱中症に対し注意が必要です。体調管理に注意してください。
- (注)
- 6都市における暑さ指数は、環境省の観測と気象庁の観測資料から求めた観測値です。
6都市:東京、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡
4.関連情報
【全国約150地点の暑さ指数(WBGT)の予測値等の提供】
「環境省熱中症予防情報サイト」
(PC)http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/
(携帯)http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/kt/index.html
【熱中症による救急搬送者数の速報値】
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html
【熱中症の危険度カテゴリー:日常生活における熱中症の予防指針】
http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/pdf/shishinVer2.pdf
【気象庁週間天気予報】
http://www.jma.go.jp/jp/week/
5.その他
平成23年度と24年度の6都市における暑熱環境は、以下のとおりとなりました。
- ○
- 熱中症による救急搬送者数は消防庁発表の速報によると、平成24年6月1日から9月30日までの熱中症による救急搬送者数は42,896人(この期間の6都市平均の最高WBGTは27.0℃)で、昨年の同時期の救急搬送者数43,669人(6都市平均最高WBGTは26.9℃)となりました。
- ○
- 6都市における月別の最高WBGTの月別の出現日数は((公財)日本体育協会の指針により階級分け)、下表のとおりとなりました。
![各都市における暑熱環境(WBGT日最高値[1時間間隔の観測値]による)](../houdou/hgazou/15793/1808.gif)
「全国の暑さ指数(WBGT)の観測状況及び熱中症による救急搬送者数と暑さ指数との関係について」は、平成24年度第3報で終了します。
平成25年度も引き続き、6~9月を目途に熱中症等の予防に活用するため、暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値の提供を行っていく予定です。
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局大気生活環境室
直通 :03-5521-8300
代表 :03-3581-3351
室長事務取扱:加藤 庸之(内線6510)
室長補佐 :山根 正慎(内線6542)
担当 :小池 要 (内線6578)