報道発表資料

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2012年08月07日
  • 総合政策

柳山ウインドパーク設置事業に係る環境影響評価準備書に対する環境省意見の提出について(お知らせ)

 柳山ウインドパーク設置事業に係る環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業省資源エネルギー庁に対し、環境影響評価項目の再検討並びに騒音・低周波音及び動植物に関する事後調査等を求める環境省意見を提出した。

1.背景

 平成24年10月1日より、風力発電所の設置又は変更の工事の事業が環境影響評価法(平成9年法律第81号。以下「法」という。)の対象事業に追加されることとなっている。
 これに伴い、経済産業省資源エネルギー庁は、これまで自主的に行われてきた環境影響評価手続から法の手続に円滑に移行できるよう、法に準じた手続きを定めた「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」(平成24年6月6日。以下「実施要綱」という。)を策定し、平成24年9月末までは、実施要綱に基づいて手続を行うよう事業者に指導している。
 本事業は、実施要綱に基づく環境影響評価準備書として位置付けられるものであり、今後、事業者は、環境省及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業省勧告を踏まえ、実施要綱(平成24年10月1日以降においては法)に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

2.意見の概要

(1)環境影響評価書の作成

環境影響評価書の作成に当たっては、法及び主務省令等関係法令に従い、必要な事項を遺漏なく記載すること。
特に、対象事業の目的及び内容、環境保全措置並びに事後調査については、具体的かつ詳細に記載すること。

(2)環境影響評価項目の再検討

本事業に係る事業特性及び地域特性を適切に整理した上で、工事の実施における影響要因に係る項目並びに「風車の影」及び「生態系」を環境要素に係る項目を含めて、環境影響評価の項目の選定について再検討すること。
特に「風車の影」については、風力発電設備から最近接の住居までの距離が約520mであり、当該住居等に対する環境影響が懸念されることから、評価項目として選定し、重点的な環境影響評価の実施を検討すること。

(3)騒音及び低周波音

必要に応じて騒音及び低周波音の事後調査の実施を検討し、事後調査の結果に応じて、稼働時間の調整等の追加的な環境保全措置を講ずること。

(4)動物及び植物

動物及び植物の調査のほとんどを文献その他の資料調査にて実施しているが、適切な調査が実施されているか不明であることから、調査手法の情報を明らかにするとともに、不足している情報等があると判断される場合においては、適切な現地調査を実施すること。
本地域においては、サシバ、アカハラダカ、カラフトワシ等の猛禽類が確認されていること等から、事後調査を実施すること。また、工事着手前の適切な時期に改変区域内及び周辺区域の重要な種の確認調査を事後調査として実施し、その結果に応じて、追加的な環境保全措置を講ずること。

(5)事後調査結果の公表

事後調査を実施した場合には、その結果について公表すること。

【参考】

○事業概要

・名称
柳山ウインドパーク設置事業
・事業者
株式会社ワット
・計画位置
鹿児島県薩摩川内市高江町、久美崎町周辺
・出力
最大27,600kW(2,300kW級風力発電機を12基設置)
・運転開始予定
平成26年8月1日

○環境影響評価法への経過措置に係る手続

・平成24年6月6日
経済産業省が「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」を公表
・平成24年6月15日
経済産業省への準備書の届出
・平成24年6月18日
環境省への意見照会
・平成24年7月27日
鹿児島県知事意見の提出
・平成24年8月 7日
環境省意見(総合環境政策局長意見)の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :田中 紀彦 (内6231)
室長補佐:横井三知貴(内6233)
審査官  :田中 貘  (内6232)

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