報道発表資料
- 再生循環
滋賀県栗東市旧産業廃棄物安定型最終処分場に係る特定支障除去等事業実施計画(案)に対する特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法第4条第4項の規定に基づく環境大臣の同意について(お知らせ)
今般、環境大臣は、滋賀県知事より提出のあった滋賀県栗東市旧産業廃棄物安定型最終処分場不適正処分事案に係る特定支障除去等事業実施計画(案)について、総務大臣との協議を経て、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(平成15年法律第98号)第4条第4項の規定に基づき、平成24年6月7日付けで同意した。
1.事案の概要等
本事案の対象は、(株)アール・ディエンジニアリング(旧RD社)が栗東市小野に設置した産業廃棄物の安定型最終処分場であり、産業廃棄物の処分業(埋立処分)の許可品目(廃プラスチック類、ゴムくず、ガラス陶磁器くず、がれき類)以外の産業廃棄物(汚泥、廃油、廃アルカリ、木くずなど)を収集運搬業および処分業(中間処理)の許可品目として取り扱っていたことから、産業廃棄物の処分業(埋立処分)を営む中で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」という。)に定める産業廃棄物の処理基準に違反して、許可品目以外の廃棄物の埋立処分や処分場内を深掘りして許可容量を超える廃棄物を埋め立てる等の不適正処分が行われた。
- ○ 投棄場所:
- 滋賀県栗東市小野7番地1 他33筆
- ○ 投棄面積:
- 48,541m2
- ○ 投棄時期:
- 平成2年~平成8年
- ○ 原因者 :
- [1]
- (株)アール・ディエンジニアリング
滋賀県栗東市上砥山292番地1 - [2]
- 許可内容:
産業廃棄物処理業(収集運搬・中間処理・最終処分等) - [3]
- 不法投棄に関与した役員等
代表取締役、担当役員2名、従業員1名
- ○ 廃棄物の種類:
- 廃プラスチック類、ガラス陶磁器、がれき類、木くず等
- ○ 廃棄物量:
- 720,000m3(推定)
2.生活環境保全上の支障
- [1]
- 一部法面が急峻であり、覆土されていないこと、また処分場上部についても一部覆土されていないことから、廃棄物の飛散流出のおそれがあること。
- [2]
- 安定型産業廃棄物処分場に安定型産業廃棄物以外の産業廃棄物が埋め立てられたことにより浸透水が汚染され、さらには汚染された浸透水により地下水の汚染が拡散されるおそれがあること。
- [3]
- (低下傾向にあるものの)高濃度の硫化水素ガスが発生しており、悪臭により周辺の生活環境に支障を生じるおそれがあること。
3.支障除去等事業の概要
今回掘削除去する東側焼却炉付近の原因廃棄物等は、ボーリング調査等の結果、いずれも地表面から約5m以内のところに存在すると考えられ、掘削除去による支障の除去等を行う。なお、西市道側の原因廃棄物等は、浸透水位より下にある可能性が高いことから、二次対策で掘削除去を実施する。
さらに、旧処分場の北西側には、改善命令により旧RD社が平成14年に設置し、現在稼働している水処理施設があることから、旧処分場内に新たに井戸を設置して浸透水を揚水し、既存水処理施設を活用して水処理を行う。
4.事業費
約4億円
5.事業実施期間
平成24年度
6.責任追及の状況
- (1)不法行為者等に対する措置等
- 旧RD社及び同社の不適正処理を行った時の代表であった代表取締役、担当役員2名、従業員1名に対し、埋立廃棄物で汚染された浸透水による周辺地下水の汚染防止等を内容とする措置命令を発出した。
また排出事業者については、これまでの資料等の精査において不適正処理の事実は認められなかったが、今後も詳細な調査を行い、違法性が確認された場合には、措置命令を発出するなど厳しく対応していく。 - (2)費用の求償
- 旧RD社については、現在破産手続中であり、破産財団に対し滋賀県が既に支出している代執行費用について交付要求を行っている。
今後さらに調査検討を行い、請求可能と判断できる者がある場合には求償を行う。
7.行政対応の検証と再発防止策
滋賀県は、平成19年に学識経験者による行政対応検証委員会を設置し、本問題について滋賀県の組織としての対応が十分であったとはいえず、原因者による違反行為を抑止できないままに、この問題を大きくかつ長期化させる結果となったとの結論を得た。
また、平成23年には追加検証委員会を設置し、その後の滋賀県の対応について検証を行った。追加検証委員会からは、当初設置した検証委員会の検証結果も踏まえた滋賀県の姿勢については、一定の評価できるということであった。
さらに滋賀県として、上記検証委員会の指摘を踏まえ、立入検査マニュアルの作成、監視パトロールの強化、指導監督体制の強化、住民との連携強化といった再発防止策をとっており、今回の様な問題が今後発生しないよう必要な措置を講じているところ。
- 連絡先
- 環境省廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室
直通 :03-5501-3157
代表 :03-3581-3351
室長 :吉田 一博(内線 6881)
室長補佐:小岩 明彦(内線 6884)
担当 :楠本 浩史(内線 6883)