報道発表資料
環境庁では、近年の臭気に対する住民意識の変化に対応するため、新しい考え方として「におい環境」という概念を導入し、その指針づくりに取り組んできた。この度策定した「快適なにおい環境づくりに向けて-におい環境指針策定の考え方-」の概要は、次のとおりである。
1. | におい環境指針では、その達成を目指す目標として「臭気環境目標」と「かおり環境目標」を設定。 | |
2. | 「臭気環境目標」は、不快なにおいの低減と臭気に関する望ましい環境の維持・達成を目標とする。 | |
3. | 「かおり環境目標」は、快適なかおり環境の実現を目標とする。その実現のための「かおり環境普及推進マニュアル」を別途作成。 | |
4. | 国、地方公共団体、事業者及び国民の各主体が担うべき役割等について提示。 |
このにおい環境指針を活用して、快適なにおい環境づくりに向けた様々な取り組みの推進を図ることとしている。
1 背景
近年、都市化の進展等に伴い、私達の生活環境は様々なにおいにさらされるようになってきており、環境庁が平成8年度に実施したにおい環境についての環境モニターアンケートの調査結果によれば、「不快なにおい(悪臭)」と同様に「心地よいにおい(かおり)」に対する関心も高いことが判明している。このことから、におい環境の保全においては、生活に身近な悪臭問題の改善と幅広い視野に立ったかおりの保全・創造との両面から取り組みを進めていくことが課題となっている。
環境庁では、悪臭防止法に基づき工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭に対し必要な規制などを推進するとともに、近年の臭気に対する住民意識の変化に対応するため、新しい考え方として「におい環境」という概念を導入し、その指針づくりに取り組んできた。
2 におい環境指針の内容
(1) | 指針の目的 におい環境指針は、地域住民のよりよい生活環境の確保を図るため、「臭気環境目標」と「かおり環境目標」を設定し、これらの目標の達成を図るため、国、地方公共団体、事業者及び国民が各々担うべき役割を提示しており、これにより地域の快適なにおい環境を形成するための施策を進めていくことを目的としている。 この指針を活用した快適なにおい環境づくりに向けた様々な取り組みの推進を図ることとしている。
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(2) | 指針の基本構成 |
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1. | 臭気環境目標 臭気環境目標は定性的な目標として「大部分の地域住民が日常生活において感知しない程度」を掲げている。今後、この臭気環境目標に対応する定量的目標の設定を図る必要がある。 当面、実態調査結果を踏まえた地域別の数値を参考値として示している。 |
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2. | かおり環境目標 かおり環境目標として「心地よいかおりを感じることができる快適な環境の実現」を掲げており、不快なにおいのない状況で、自然や地域の文化・歴史等に関わる心地よいかおりが漂い、快適さを感じることができるような環境の実現を目指している。 かおりに対する感覚は、地域によってあるいは人によって様々であり、地域住民の感性でかおりを評価し、保全・創造していくという視点が必要となる。このため、地域が主体となったかおり環境づくりが展開できるよう「かおり環境普及推進マニュアル」を作成している。 |
- 連絡先
- 環境庁大気保全局企画課大気生活環境室
室 長 :藤田 八暉(内6540)
室長補佐 :高橋 達男(内6542)