報道発表資料
4月16日(月)から21日(土)にかけて、パナマシティ(パナマ)で「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES*)のあり方及び制度的取り決めを決定するための総会 第2回会合」が開催されました。
同会合では、関連する決議の採択により、IPBESが正式に設立されました。また、その事務局をボン(ドイツ)に置くことが決まりました。
*IPBES(intergovernmental science-policy platform on biodiversity and ecosystem services)
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2008年以降、国連環境計画(UNEP)の主催による3回のマルチ・ステークホルダー会合及び今回を含む2回のIPBESのあり方と制度的取り決めに関する政府間会合が行われ、設立に向けた検討が進められてきたものです。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあります。
1. 会議の概要
- (1)会議名称
- 補助対象事業者
- 「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)のあり方と制度的取り決め決定についての総会 第2回会合)
- Plenary meeting to determine modalities and institutional arrangements for an intergovernmental science-policy platform on biodiversity and ecosystem services, Second session
- (2)開催期間
- 平成24年4月16日(月)から21日(土)
- (3)開催地
- パナマシティ(パナマ)
- (4)主催
- 国連環境計画(UNEP)= IPBES(準備)暫定事務局
2. 主な結果
- (1)IPBESの設立
- 今回の会合の最終日である4月21日(土)夜(=日本時間4月22日(日)午前)に、IPBESの設立を決定する決議が採択され、人間の福利と持続可能な開発、生物多様性の保全と持続可能な利用のため、生物多様性と生態系サービスに関する科学と政策のつながりを強化することを目的とする「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間の科学及び政策プラットフォーム(IPBES)」が正式に設立されました。
- (2)事務局所在地選定
- 今回の会合において、IPBESの事務局誘致を提案していた5カ国(フランス、ドイツ、インド、ケニア、韓国)の中から、参加国の投票により、同事務局をボン(ドイツ)に設置することが決まりました。
- (3)組織体制の決定
- 参加国の政府から構成される総会(Plenary)の下に、組織の管理運営のための理事会(Bureau)および多分野の専門家からなるパネル(Multidisciplinary Expert Panel)が設置されることとなりました。IPBESの第1回総会(時期未定)において、総会議長、副議長、理事やパネルメンバーが選出されます。
- 総会:
- 最高意思決定機関。参加国政府代表が参加。
- 理事会:
- 管理的機能を担う。5地域から各2名を選出し10名で構成。
- 専門家パネル:
- 科学的・技術的機能を担う。自然科学、社会科学、政治学、
先住民・地域住民の知識の専門家30名で構成。 - (4)当面の作業計画
- 本格的な始動に向けた準備として、暫定事務局(UNEP)において、既存の生物多様性および生態系サービスに関する科学的評価のレビュー、IPBESが実施する科学的評価の枠組みづくり、能力開発に関する各国のニーズのとりまとめ等を実施予定です。
- (5)その他
- ・サイドイベントの開催
- 環境省は、「IPBESに関する第2回国際科学ワークショップ」(本年2月に東京の国連大学本部で共催)の成果の理解を深め、科学者と政策決定者との対話を促進することを目的として、4月17日(火)に国連大学(UNU)、国際学術連合会議(ICSU)、生物多様性科学国際共同研究計画(DIVERSITAS)、総合地球環境学研究所等との共催で、今回の会合のサイドイベントを開催しました。
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
直通 :03-5521-8275
代表 :03-3581-3351
室長 :奥田 直久(内 6480)
課長補佐:中尾 文子(内 6488)
室長補佐:伊奈 康治(内 6476)