報道発表資料

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2012年04月09日
  • 水・土壌

東日本大震災による洋上漂流物の漂流予測結果の公表について(お知らせ)

 東日本大震災による洋上漂流物については、内閣官房総合海洋政策本部事務局取りまとめの下、関係省庁が連携して対応しています。
 環境省では、洋上漂流物の状況を把握すべく漂流予測を実施しました。この度、今年度の調査結果がまとまりましたので以下のとおり公表します。

1.漂流予測方法

 本調査においては海流によって流される速度と海上の風によって流される速度(風圧流)を足し合わせて漂流物の移動速度を計算し、シミュレーションを行っています。
 漂流物の形状によって海流や風圧流の影響が変わるため、以下の3つの場合に分けてシミュレーションを行っています。
 1)標準漂流物(海上部分と海中部分とが同程度の漂流物)
 2)海面上漂流物(海上部分が海中部分の倍程度の漂流物)
 3)海面下漂流物(大部分が海中にある漂流物)
 シミュレーションに必要な初期条件の設定には、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」の画像を解析して使用しています。
 本シミュレーションにおいては、流出した全ての漂流物が沈んだり回収されたりすることがないという仮定で予測を行っています。
*漂流予測方法の詳細は別紙1を参照ください。

2.結果概要

 漂流物の形状に応じて以下の3つの場合に分け、それぞれについて、2013年6月までの予測結果を以下のとおり示します。
(1) 標準漂流物
 家屋が壊れて生じた板や水船状態の漁船などであり、太平洋を東へ流れていき、ハワイの北方を通り、2012年10月頃には、北米大陸の西海岸の沿岸域に到達することが予測されます。
(2) 海面上漂流物
 養殖や定置網漁に使われているフロートやブイ、破損せずに浮かんでいる漁船などであり、太平洋を東へ流れていき、ハワイの北方を通り、2012年2月頃に、一部がカナダ西海岸沿岸に接近し、2012年10月頃には、北米大陸の西海岸の沿岸域に到達することが予測されます。
(3) 海面下漂流物
 流木や海水を含んだ木材などであり、漂流物に占める割合は大きくありませんが、太平洋を東へ流れていき、ハワイの北方を通り、2013年6月頃には北米大陸の西海岸沖に到達することが予測されます。なお、沿岸流の影響を強く受けるため、実際に漂着する可能性は低いと考えられます。
*漂流予測結果の詳細は別紙2を参照ください。

3.目視情報による検証

 得られた日本近海のシミュレーション結果を、船舶から目視により確認された漂流物の情報と照らし合わせて検証した結果、目視情報とおおむねよく一致しており、ある程度信頼のおけるシミュレーション結果であることが確認出来ました。
*目視情報による検証の詳細は別紙3を参照ください。

4.今後の対応

 今回行ったシミュレーション結果を基にして、引き続きその精度の向上を図っていきます。
 また、今回のシミュレーション結果や今後得られる結果も踏まえて、内閣官房総合海洋政策本部事務局取りまとめの下、関係国・機関と情報共有・協議を行い、政府として必要となる対応を検討していきます。

5.実施体制

本シミュレーションは、以下の研究機関によって実施されました。
代表研究機関:国立大学法人京都大学
研究分担機関:独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
研究協力機関:独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)
 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 気象庁気象研究所

6. お問い合わせ先

漂流予測について
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
担当:宮元、雪嶋
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL:03-5521-9025
FAX:03-3501-2717
政府全体の対応について
内閣官房総合海洋政策本部事務局
担当:山形、田村
〒107-0052 東京都港区赤坂1-7-1
TEL:03-5575-1532
FAX:03-5575-0090

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
直通   :03-5521-9025
代表   :03-3581-3351
室長   :森 高志(内線6630)
室長補佐:宮元 康一(内線6631)
担当   :雪嶋 悠矢(内線6635)

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