報道発表資料

この記事を印刷
2012年03月30日
  • 水・土壌

「地中熱利用にあたってのガイドライン」の公表について(お知らせ)

 環境省では、都市部のヒートアイランド現象の緩和や省エネルギー等に資するため、地下水・地盤環境の保全に配慮しつつ地中熱利用の普及促進を図ることを目的として、「地中熱利用にあたってのガイドライン」を取りまとめました。
 本ガイドラインでは、現在得られている知見・研究に基づいて、地中熱利用ヒートポンプのメリットとともに、想定される地下水・地盤環境に影響を及ぼす可能性と技術の導入における留意点を提示し、熱利用効率の維持や地下水・地盤環境の保全に資するモニタリング方法等についての基本的な考え方を整理しました。

1.ガイドラインの目的

 我が国では、あらゆる分野での省エネルギーとエネルギーの有効利用を推進するとともに、再生可能エネルギーの一層の導入が今後のエネルギーの利用において極めて重要な課題となっています。このような状況の中で、太陽光や風力と並び地中熱の利用が注目を集めており、オフィスビル等の冷暖房の熱源としての利用が近年急激に増加しています。
 地中熱を利用したヒートポンプ(※)自体は、空気熱を利用した通常の冷暖房に用いるヒートポンプと同様に確立された技術です。地中熱利用ヒートポンプは、地下水や地下の地盤と熱のやり取りを行い、夏季の暑い時期に大気中に排熱することなく冷房を行えることから、都市部のヒートアイランド現象の緩和に効果があります。また、再生可能エネルギー源の中でも、「太陽光や風力と異なり天候や地域に左右されない安定性」、「省エネルギーでCO2の排出量を削減できる」などのメリットを有し、地球温暖化対策としての効果が期待されています。

(※)地中熱を利用したヒートポンプ:熱を効率良く移動させることによって、夏は地中に熱を放出し、冬は地中から熱を取り出して冷房や暖房等に利用する装置・仕組みです。

 このような地中熱利用による地下水・地盤環境への影響については、これまでに環境省が実施した実証事業等では確認されていませんが、一方で、長期間利用した場合の影響は未解明であり、また、今後、大規模な施設による利用や狭い地域における集中的な利用が進んだ場合における影響は明らかではありません。
 そこで環境省では、環境共有資源である地下水・地盤環境の持続可能な利用を行うとともに地中熱利用の普及促進を図ることを目的に、有識者による「クールシティ推進事業検討委員会」(座長:田中正筑波大学名誉教授)を平成22年度に設置して検討を進めてきました。その結果、これまで環境省が実施した実証事業によるデータ及び現在得られている知見・研究に基づいて、地中熱利用ヒートポンプのメリットとともに、想定される地下水・地盤環境に影響を及ぼす可能性と技術の導入における留意点を提示し、熱利用効率の維持や地下水・地盤環境の保全に資するモニタリング方法等についての基本的な考え方を整理した「地中熱利用にあたってのガイドライン」を取りまとめました。
 今後、地中熱を利用する際のガイドラインとして関係する事業者において活用していただくため、全国の都道府県・政令指定都市へ配付するなどにより、地中熱利用の一層の普及促進を図っていくこととします。

2.ガイドラインの概要

 別紙「ガイドラインの適用範囲と構成」をご参照ください。

3.ガイドラインの詳細

 環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/water/chikasui_jiban.html)をご覧ください。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8308
室長 宇仁菅 伸介(内線6670)
室長補佐 宮崎 悟  (内線6651)
係長 村田 直之 (内線6674)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。