報道発表資料

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2012年03月30日
  • 地球環境

オフセット・クレジット(J-VER)制度を活用した復興支援に係る事業者支援の採択結果(カーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラル認証取得支援第1次募集分) について(お知らせ)

  • 環境省では、東日本大震災の被災地支援に係る事業者支援として、オフセット・クレジット(J-VER)制度を活用した復興支援に係る事業者支援を実施しています。
  • 被災地で創出されたオフセット・クレジット(J-VER)及び都道府県J-VER(以下「被災地産J-VER等」という。)を活用したカーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラル認証取得に係る事業者支援について、1月31日から2月29日までに応募のあった案件の中から、[1]カーボン・オフセット認証取得支援を10件、ならびに[2]カーボン・ニュートラル認証取得支援を行う事業を1件採択しましたので、お知らせします。
  • また、被災地産J-VER等を活用したカーボン・オフセットの取組として、日本興亜損害保険株式会社が大規模な被災地の低炭素型復興プロジェクト支援を開始しますので、併せてお知らせします。

1.被災地産J-VER等を活用したカーボン・オフセット認証取得及びカーボン・ニュートラル認証取得に係る事業者支援の支援内容について


 被災地産J-VER等を用いたカーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラルを通じた民間資金の還流と、当該取組を通じたカーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラルの更なる認知度向上を促し、復興支援・地域支援につなげるため、被災地産J-VER等を企業・市民等がカーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラルに活用するための支援事業の公募を行います。

●カーボン・オフセット認証取得支援について
 採択された事業者(全国で20件程度)に対して、カーボン・オフセットプロバイダー(注)が150万円(税抜き)/件を上限に下記の支援業務を実施します。なお、カーボン・オフセットに必要なクレジット調達費用は申請者の自己負担となります。

【支援内容】
  [1]
カーボン・オフセットの企画に対するアドバイス
  [2]
温室効果ガス排出量算定・オフセット認証費用支援
  [3]
情報提供ツール作成支援(プレスリリース、WEBサイト、CSR報告書等での紹介方法)

●カーボン・ニュートラル認証取得支援について
 採択された事業者(全国で3件程度)に対して、カーボン・ニュートラル認証(CN認証)またはカーボン・ニュートラル計画登録にあたっての下記の事業費用を支援します。
 なお、カーボン・ニュートラルに必要なクレジット調達費用は事業費の対象外ですので、ご注意願います。


【支援内容】
下記の事業費について、880万円(税抜き)/件を上限に支援を行います。
  [1]
カーボン・ニュートラルの企画立案・審査書類作成
  [2]
温室効果ガス排出量算定
  [3]
検証費用
  [4]
情報提供ツール作成 (プレスリリース、WEBサイト、CSR報告書等での事例紹介)

2.被災地産J-VER等を活用したカーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラル認証取得支援に係る事業者支援第1次採択結果


○カーボン・オフセット認証取得支援事業採択案件

申請者名 概要
一般社団法人エコ食品健究会  震災の記憶を風化させない、被災地の食関連企業の経済支援を目的に、被災地の食に関わる方々を直接全国の即売会会場に招待し、実態の啓発・啓蒙を実施する。その際の移動や輸送に関わる排出量の一部を被災地産J-VER等でカーボン・オフセットする取組。
株式会社愛媛FC  2012シーズンに開催される愛媛FCのJ2リーグ戦ホームゲームで大規模な被災地復興支援イベントを開催し、来場者の日常生活で発生するCO2を被災地産J-VER等を用いてカーボン・オフセットする取組。
 被災地復興支援イベントの開催とともに、カーボンオフセットという形での被災地支援もあることを来場者や県内の地方自治体、他のスポーツ団体にもPRしていく。
カルビー株式会社  同社カルネコ事業部が提供するPOPツールの梱包材の製造時に排出されるCO2をカーボン・オフセットする取組。
 POP1ツール毎にサービス利用企業とカルネコ事業部が資金を拠出し、EVI※上で排出権を購入することで森林保全等の環境貢献事業を行う取組の一環として、今回は被災地産J-VER等を購入してPOP梱包材をカーボン・オフセットすることで環境貢献事業を「見える化」し、被災地支援・温暖化防止対策・カーボン・オフセット認証制度の普及・啓発を目指す。 ※EVIサイト http://www.evic.jp/evi/
株式会社コスモスモア  オフィスのレイアウト変更や移転作業の際に排出されるCO2を岩手県釜石市の森林整備プロジェクトから生まれたJ-VERでカーボン・オフセットする取組。
 被災地から仕入れた木材を使った紙で作られたオリジナル参加証の発行、被災地産J-VER等の活用により被災地を支援するとともに、カーボン・オフセットの更なる発展への寄与を目指す。
札幌コレクション実行委員会
(北海道新聞社内)
 2011年から取り組んでいるチャリティ活動"stand by..."projectの一環として、2013年4月の「札幌コレクション2013」開催で利用するエネルギー(電気利用など)から排出されるCO2をカーボン・オフセットする取組。
 被災地域である北海道広尾町有林及び岩手県県有林から創出されるJ-VERを活用する。
ツカモトユーエス株式会社  企業のオリジナルユニフォームの製造・流通段階を対象に被災地産J-VER等でカーボン・オフセットする取組。
 オーダーメイドユニフォームだからこそ作れる満足感、企業イメージのアピール力向上、社員のモチベーションの創造に加え、温暖化対策と復興支援をユニフォームという身近なツールから啓発していくことを目指す。
一般社団法人日本経営協会九州本部  本年6月20日・21日に開催する九州エコフェア2012、ビジネスシヨウ九州2012のイベントにおいて、[1]主催者、来場者の移動、[2]会場(福岡国際センター)での電力使用によるCO2排出量の50%をカーボン・オフセットする取組。
 本イベントを通してカーボン・オフセット制度を紹介し制度の普及・啓発を図るとともに、被災地産J-VER等を使用したオフセットを実施することで被災地へ資金を還元し、被災地を支援するもの。
社団法人日本野球機構  2008年からプロ野球界(12球団)が一丸となり活動を行っている地球温暖化防止活動「NPB Green Baseball Project」の一環として、「LET'S 省TIME! 9カ条」を定めて、試合時間の短縮によるCO2排出削減に取り組むとともに、9回終了時点での目標時間(3時間)の超過分について、カーボン・オフセットに取り組んでいる。
 本事業では、東日本大震災を踏まえて、カーボン・オフセットの調達先を被災地産J-VER等とし、日本野球機構によるカーボン・オフセットを通した被災地の森林・林業活性化を通した復興支援とその認知度の向上に取り組む。
公益財団法人日本野鳥の会  植樹プロジェクト「シマフクロウの森を育てよう!」における植樹作業で使用する運搬車両や建機類から排出されるCO2を、被災地産J-VER等を用いてカーボン・オフセットすることで、"人と、環境にやさしい"植樹を目指す。
 また、これらによるカーボン・オフセット認証取得をすることで、より多くの賛同者にPRをしていく。
株式会社プリンスホテル  苗場スキー場、かぐらスキー場、のリフト券・ロープウェー券をJ-VERクレジット付き商品として、スキー場のゴンドラ、リフト、ロープウェーの運行で排出されるCO2及び来場者がスキー場までの移動中に排出するCO2をカーボン・オフセットする取組。

○カーボン・ニュートラル認証取得支援事業採択案件

申請者名 概要
イワヤ株式会社  2008年度より自社事業所から排出される温室効果ガス排出量をカーボンオフセットしており、2011年度からは算定対象範囲を拡大し、スコープ1・2に加えて、海外生産工場や海上運送などのスコープ3のGHG排出量を把握。本事業を通じて、2011年度のスコープ1・2を対象としてカーボン・ニュートラル認証を取得し、2012年度はこれに海上運送のスコープ3を加えたカーボン・ニュートラル計画登録を目指す。
 カーボン・ニュートラルに用いるクレジットは2011年度は全て被災地産J-VER等で、2012年度はこれに加えて海上輸送分をCERでオフセットする予定。

3.被災地産J-VER等を活用したその他の取組について


 環境省が実施する事業者支援を通じて創出されるクレジットも含め、様々な被災地産J-VER等の購入を通じて被災地支援を行う取組として、上記「2」のカーボン・オフセット認証取得支援事業等のほかに、同様の趣旨で、日本興亜損害保険株式会社が、被災地産J-VER等を購入して大規模に被災地支援を行うこととしていますので、併せてお知らせします。
 同社は、保険商品・サービスに関連したカーボン・オフセットを2008年9月から実施しており、東日本大震災以降の復興支援としては、2011年5月から2012年1月までの9ヶ月間で累計7,200万円を被災地への義援金として寄附してきましたが、2012年4月から、被災地の早期復興と地球温暖化対策の両立を目指すため、被災地産J-VER等をはじめとした低炭素型復興に資するプロジェクトから創出されたクレジットの購入に切り替え、同規模の支援を行うこととしています。
 本件に関する詳細・お問い合わせについては、下記をご参照ください。

日本興亜損害保険株式会社 広報部 TEL : 03-3593-5386
担当:豊田(とよだ)

資料

資料1-1 事業概要紹介(一般社団法人エコ食品健究会)
資料1-2 事業概要紹介(株式会社愛媛FC)
資料1-3 事業概要紹介(カルビー株式会社)
資料1-4 事業概要紹介(株式会社コスモスモア)
資料1-5 事業概要紹介(札幌コレクション実行委員会)
資料1-6 事業概要紹介(ツカモトユーエス株式会社)
資料1-7 事業概要紹介(一般社団法人日本経営協会九州本部)
資料1-8 事業概要紹介(社団法人日本野球機構)
資料1-9 事業概要紹介(公益財団法人日本野鳥の会)
資料1-10 事業概要紹介(株式会社プリンスホテル)
資料2 事業概要紹介(イワヤ株式会社)

参考

 J-VER制度の詳細については、下記の環境省HP及び気候変動対策認証センター(事務局:社団法人海外環境協力センター)HPを御覧ください。
 カーボン・オフセット及びカーボン・ニュートラル認証制度の詳細については、カーボン・オフセットフォーラム(J-COF)・カーボン・ニュートラル認証制度事務局のHPを御覧ください。
 なお、被災地産J-VER等を活用したカーボン・オフセット認証所得及びカーボン・ニュートラル認証取得に係る事業者支援については、本年度、環境省より業務を受託している三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が、各種お問い合わせに直接対応いたします。問い合わせ先は以下をご参照下さい。

 ・環境省  https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html
 ・気候変動対策認証センター http://www.4cj.org/jver/index.html
 ・カーボン・オフセットフォーラム(J-COF) http://www.j-cof.go.jp
 ・カーボン・ニュートラル認証制度事務局 http://www.jcs.go.jp/cn/
 ・三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
   TEL :03-6733-3400 / E-mail :offset@murc.jp

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表:03-3581-3351 直通:03-5521-824 
室長:上田 康治(内線6737)
室長補佐:三好 一樹(内線6785)
担当:下山  然(内線6781)

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