報道発表資料

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2012年02月16日
  • 大気環境

東北新幹線(八戸・新青森)に係る環境基準達成状況について(お知らせ)

 環境省は、東北新幹線八戸~新青森間の開業に伴い、当該区間の中から8測定地点を選定し騒音測定を行い、新幹線鉄道騒音に係る環境基準の達成状況の把握を行いました。
 その結果、II類型(商工業地域など)の測定地点では環境基準値をすべて下回っていましたが、I類型(住居地域など)の測定地点では、2測定地点において、環境基準値を超過していることを確認しました。

1.経緯

 新幹線鉄道騒音については、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条の規定に基づき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持することが望ましい基準として「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」(昭和50年環境庁告示第46号。以下「告示」という。)が定められ、地域の類型別の基準値及び達成目標期間が設定されています。このうち新設新幹線鉄道に係る達成目標期間については、開業時に直ちに達成され、又は維持されるよう努めるものとされています。
 今般、東北新幹線八戸~新青森間(路線延長約82km、うちトンネル以外の区間約32km)が、平成22年12月4日に開業したことに伴い、環境省では青森県の協力を得て沿線の騒音測定を行い、環境基準の達成状況の把握を行いました。

2. 調査方法

(1)
測定実施自治体
青森県
(2)
測定期間
平成23年9月~10月
(3)
測定地点及び測定点
測定地点は、東北新幹線八戸~新青森間から、8地点を選定しました。
測定点は、測定地点側の軌道中心から25mの測定点(以下「25m点」という。)を標準測定点(※)として測定しました。
※ 「新幹線鉄道騒音測定・評価マニュアル」(平成22年5月環境省。以下「マニュアル」という。)の「4 測定地点の選定」にいう「標準測定点」。
参照)https://www.env.go.jp/air/noise/sinkansen/manual.html
(4)
測定方法
告示及びマニュアルに定める方法に従い、原則として連続して通過する20本の列車(※)の騒音を測定し、このうち最大騒音レベルの大きさが上位半数のものをエネルギー平均したものを当該測定点における評価値としました。
※ 列車の運行本数が少ないため、6時間程度測定しても通過列車が20本に満たない場合は、 マニュアルの「6 測定・評価」「6.3.2 注記4」による。
参照)https://www.env.go.jp/air/noise/sinkansen/manual.html

3.調査結果

騒音レベルの分布状況は図1のとおりです。

図1 騒音レベルの分布状況(25m点)

図1 騒音レベルの分布状況(25m点)

4.環境基準の達成状況

 新幹線鉄道騒音の環境基準については、都道府県知事が、主として住居の用に供される地域にはI類型を、商工業の用に供される地域等I類型以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域にはII類型を当てはめ、それぞれI類型については70デシベル以下、II類型については75デシベル以下とすることとし、新設新幹線鉄道は開業時に直ちに達成されるよう努めるものとされています。
 今回測定した東北新幹線八戸~新青森間について、測定した8地点における環境基準の達成状況は表1のとおりです。I類型では67%、II類型ではすべての地点で達成されており、全体では約75%の地点で達成されていました。

表1 環境基準達成状況(25m点)
測定地点数達成地点数達成率(%)
I類型II類型I類型II類型I類型II類型合計
青森県6710075

5.今後の対応

 環境基準が可及的速やかに達成されるよう、本日付けをもって国土交通省、青森県に対し要請を行いました。その要旨は、次のとおりです。

要請内容

(国土交通省鉄道局あて)
1.
最も基本的な施策である音源対策を引き続き推進し、環境基準の達成を図ること。
2.
現時点で技術的に可能な音源対策を十分に講じても環境基準を達成できない場合は、今後、音源対策に関する技術開発に努め、実施可能なものから遂次音源対策への活用を図るとともに、住宅防音工事の推進を図ること。
3.
環境基準の円滑な達成に資するため、関係機関と連携し、沿線の土地利用の適正化を図ること。
4.
騒音・振動その他の環境の状態のモニタリングを行い、必要に応じて適切な環境保全対策を講じること。
5.
今後の路線の延伸などの新幹線鉄道事業の推進に当たっては、環境保全の観点から、関係地方公共団体と十分連絡調整を図ること。
(国土交通省都市局都市計画課あて)
東北新幹線鉄道沿線に関する土地利用対策が推進されるよう、関係地方公共団体に周知徹底方図られたい。
(青森県あて)
1.
環境基準の達成状況の把握のため、定期的に新幹線鉄道騒音を測定するよう努めること。また、測定結果については当省にその都度送付すること。
2.
基本的施策である音源対策を引き続き推進するとともに、関係部局及び市町村の連携に努め、沿線の土地利用の適正化に努めること。
3.
環境基準の地域類型を当てはめる地域の指定の処理基準については、既に通知したところであるが、今後とも必要な見直しを行われたいこと。
4.
今後とも騒音・振動その他の環境の状態のモニタリングを行い、必要に応じて、適切な環境保全対策を講じること。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局自動車環境対策課
直通  :03-5521-8301
代表  :03-3581-3351
課長  :弥元 伸也(6520)
審査官:難波 和宏(6523)
担当  :和氣 秀晃(6523)

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