報道発表資料
環境省では、富山県富山市及び愛媛県並びに株式会社富山環境整備及び財団法人愛媛県廃棄物処理センターの協力を得て、PCBを含む廃棄物の焼却実証試験を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
- 1.趣旨
- 環境省では、PCBを含む廃棄物の処理体制の整備を図るため、平成17年度から、既存の産業廃棄物処理施設等において、焼却実証試験を行い、安全かつ確実に処理できることを確認してきました。
- 当省では、PCBを含む廃棄物の処理体制の検討に向け、処理の安全性及び確実性を確認する観点から、焼却実証試験を引き続き行うこととしており、今般、関係自治体である富山県富山市及び愛媛県並びに実証試験施設の設置者である株式会社富山環境整備及び財団法人愛媛県廃棄物処理センターの協力を得て、PCBを含む廃棄物の焼却実証試験を実施しました。
- 2.実証試験の実施場所及び実施期間
- ・株式会社富山環境整備(富山県富山市)
- 平成23年11月28日(月)~12月2日(金)
- ・財団法人愛媛県廃棄物処理センター(愛媛県新居浜市)
- 平成23年12月6日(火)~12月8日(木)
- 施設の概要は、「別紙」表1参照。
- 3.実証試験の内容及び結果
- 本試験においては、燃焼ガスを1,100℃以上の温度に保ちつつ、2秒以上滞留させてPCBを含む廃棄物の焼却処理を行いました。
- 試験試料の種類、量及びPCB濃度を「別紙」表2に、大気中のPCB及びダイオキシン類の濃度を「別紙」表3に、排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度等を「別紙」表4に、焼却処理後の燃え殻、ばいじん及び試験試料の加熱残渣等の分析結果を「別紙」表5にまとめました。
- ・株式会社富山環境整備
- [1]実証試験の内容
- PCBを含むコンデンサ、抜油後のOFケーブル、抜油後の油遮断器、廃活性炭、ウエス、防護具等及びPCB処理物を焼却処理※し、処理後の試験試料の残渣物、燃え殻、ばいじん及び排ガス中のPCB濃度等を分析しました。
- ※
- ロータリーキルン式焼却炉で廃活性炭、ウエス、防護具等及びPCB処理物を焼却処理(1,100℃以上)し、また、固定床炉でコンデンサ、抜油後のOFケーブル、抜油後の油遮断器を加熱処理(850℃以上)し発生したガスを2次燃焼炉で焼却処理(1,100℃以上)しました。
- [2]実証試験の結果
- 施設の敷地境界における大気中のPCB濃度、施設周辺における大気中のPCB及びダイオキシン類濃度については、基準値等よりも低いことを確認しました。
- 排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低 いことを確認しました。また、通常運転時と本試験時において顕著な差がなかったことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度への影響はないことを確認しました。
- 焼却処理後の試験試料の加熱処理後の残渣物、焼却炉の燃え殻、ばいじんに含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値よりも低いことを確認しました。
- ・財団法人愛媛県廃棄物処理センター
- [1]実証試験の内容
- PCBを含む廃活性炭、ウエス、防護具等及びPCB処理物を焼却処理し、処理後の燃え殻、ばいじん及び排ガス中のPCB濃度等を分析しました。
- [2]実証試験の結果
- 施設の敷地境界における大気中のPCB濃度及び施設周辺における大気中の ダイオキシン類濃度については、基準値等よりも低いことを確認しました。
- 排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、基準値等よりも低 いことを確認しました。また、通常運転時と本試験時において顕著な差がなかったことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度への影響はないことを確認しました。
- 焼却処理後の焼却炉の燃え殻及びばいじんに含まれるPCB及びダイオキシン類の量については、基準値よりも低いことを確認しました。
- 4.その他
- 今後も、協力が得られる他の施設において、実証試験を継続的に実施していく予定です。
添付資料
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
直通 :03-5501-3156
代表 :03-3581-3351
課長 :廣木 雅史(内線6871)
課長補佐:鈴木 清彦(内線6880)
主査 :鈴木 聡 (内線6895)