報道発表資料
本日開催の交通政策審議会第47回港湾分科会において審議される北九州港の港湾計画の改訂について、環境省は国土交通省宛に、環境保全の観点からの意見を提出致しました。環境省意見は国土交通省を通じて、港湾管理者である北九州市に伝達されることとなっています。
1.交通政策審議会第47回港湾分科会への諮問
平成23年12月8日(木)開催の交通政策審議会第47回港湾分科会に、北九州港の港湾計画の改訂が諮問され、審議される。
2.北九州港港湾計画改訂における主な変更点
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- 響灘西地区の海面処分用地計画(112ha)を削除。
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- 新たに、響灘東地区に海面処分用地(133ha)を計画。
3.環境省意見
- 響灘東地区に新たに計画される海面処分用地について、以下の3つの観点から、(1)~(3)の意見を提出した。
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- 海面処分用地については、埋立事業の実施に当たって環境影響評価法に基づく環境影響評価手続が必要となり得ること。
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- 海面処分用地付近には、良好な自然環境が認められること。
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- 海面処分用地が、埋立を厳に抑制すべきとされる瀬戸内海にあること。
[環境省意見]
(1)響灘東地区海面処分用地に係る早期段階からの環境配慮について 平成23年4月27日に公布された「環境影響評価法の一部を改正する法律」(平成23年法律第27号。以下「改正法」という。)及び衆参両院の環境委員会における改正法案可決時の「施行前に環境影響評価が行われる事業についても、本法の趣旨を踏まえ、事業のより早期の段階から適切な環境配慮がなされるよう指導すること。」との附帯決議の趣旨を踏まえ、当該海面処分用地に係る埋立事業の具体化に当たっては、改正法施行前であっても、海面処分用地の位置、規模、形状、構造等について、環境の保全の観点から比較検討を進め、事業の早期段階からの環境配慮に努められたい。
(2)響灘東地区海面処分用地の工事等の影響について 当該海面処分用地は埋立地の前面海域に位置するが、周辺では、ヒメウ、ミサゴ、ハヤブサ等の希少な鳥類の飛来が確認されているほか、近傍地の廃棄物処分場跡地では、ベッコウトンボ、コガタノゲンゴロウ等の希少な昆虫類の生息も確認されている。 海面処分用地の工事又は跡地利用の検討に当たっては、これらの良好な自然環境に配慮し、響灘東地区全体として、自然環境の保全及び創出に努められたい。
(3)埋立土砂の縮減について 新規計画又は既定計画による港湾区域内の海面処分用地は、いずれも瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年法律第110号)で対象とする瀬戸内海に位置しているが、「瀬戸内海環境保全特別措置法第13条第1項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針」に沿って、瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきであるとされている。この趣旨を踏まえ、長期的、総合的な視点から、浚渫土砂量の低減、広域的視点も含めた有効活用及びそれらの技術開発の促進を具体的に検討し、瀬戸内海における新たな埋立ては可能な限り回避するとともに、将来にわたり埋立処分量を削減するよう努められたい。
4.港湾管理者への伝達
環境省意見は、国土交通省港湾局を通じて、港湾管理者(北九州市)に伝達されることとなっている。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長 :小野 洋(内6231)
室長補佐:馬場 康弘(内6233)
審査官 :中島 治美(内6253)
TEL 03-3581-3351(代表)
03-5521-8237(直通)