報道発表資料
水銀に関する条約の制定に向けた議論のため、本年10月31日(月)から11月4日(金)まで、ケニア・ナイロビにおいて、「水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第3回会合」が開催されました。
今回の会合は計5回予定されている交渉委員会の3回目であり、国連環境計画(UNEP)事務局により作成された条約の条文案について議論が行われました。
次回の交渉委員会(第4回会合)は、来年6月にウルグアイで開催される予定です。
1.背景
国連環境計画(UNEP)では、平成21(2009)年2月に開催されたUNEP第25回管理理事会において、国際的な水銀の管理に関して法的拘束力のある文書(条約)を制定すること、及びそのための政府間交渉委員会(INC)を設置して平成22(2010)年に交渉を開始し、平成25(2013)年までのとりまとめを目指すことが合意されました。
本年1月に千葉市で開催された第2回会合では、条約の採択・署名のために2013年後半に予定されている外交会議を我が国で開催することが了承されるとともに、今般開催の第3回会合に向けて、UNEP事務局が条約の条文案を作成することが合意されました。
2.政府間交渉委員会第3回会合の概要
(1)会議の開催期間等
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- 開催期間:平成23年10月31日(月)~11月4日(金)
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- 開催場所:ナイロビ(ケニア)
(2)主な議題
水銀に関する条約の条文案についての議論 等
(3)会議文書等
議題、会議文書(条文案を含む)等は以下のウェブサイトから入手可能です。
http://www.unep.org/hazardoussubstances/Mercury/Negotiations/INC3/ INC3MeetingDocuments/tabid/3487/language/en-US/Default.aspx
(4)出席者
会合には、各国政府代表の他、国際機関、NGO等が出席し、約130ヵ国・地域から約600名の参加がありました。
我が国からは、外務省、経済産業省及び環境省(早水輝好環境安全課長ほか)から構成される政府代表団が出席しました。
3.会合の結果
(1)条約の条文案に関する議論
会合では、条約の条文案の各条項(水銀の供給源、国際貿易、水銀添加製品、水銀が使用される製造プロセス、人力小規模金採掘(ASGM)、大気への排出並びに水及び土壌への放出、環境上適正な保管、水銀廃棄物、汚染サイト、資金及び技術・実施支援、普及啓発等)について、UNEP事務局より内容等の説明があった後、議論がなされました。
各国からの意見を受けて、議長の指示により、[1]ASGM、[2]水銀添加製品及び製造プロセス、[3]大気への排出・水及び土壌への放出、[4]保管、廃棄物及び汚染サイト、[5]資金及び技術・実施支援、[6]普及啓発、研究及びモニタリング、情報の伝達の6分野で作業グループ(コンタクト・グループ)が設置され、個別のテーマに沿った議論が行われました。また、法律専門家グループ(リーガル・グループ)が設置され、個別の条文案について法的な観点からの検討が行われました。
また、我が国は、アジア太平洋地域グループのコーディネーターとして、同地域の意見のとりまとめ等を通して議論の進展に貢献しました。
今次会合での議論を踏まえ,2012年6月に予定されている第4回会合で引き続き条文案についての議論が行われる予定です。
(2)その他
10月30日(日)午前にテクニカルブリーフィングが開催され、各国政府、国際機関、業界団体及びNGO等の担当者より、製造プロセス、ASGM、廃棄物、保健等の分野に関する最新の技術動向について説明がありました。我が国からは、我が国のリードにより策定し、本年10月に開催されたバーゼル条約第10回締約国会議で採択された、「水銀廃棄物の環境上適正な管理に関する技術ガイドライン」について紹介しました。
(3)今後の予定
UNEP事務局が現時点で想定する日程は、以下の通りです。
- 2012年6月25日-29日
- 第4回(INC4):ウルグアイ(プンタ・デル・エステ)
- 2013年初め
- 第5回(INC5):スイスまたはブラジル
- 2013年2月
- 第27回UNEP管理理事会に検討結果を報告
- 2013年後半
- 外交会議(条約の採択及び署名):日本
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通:03-5521-8260
代表:03-3581-3351
課長:早水 輝好(内線 6350)
課長補佐:福島 健彦(内線 6353)
担当:森谷 直子(内線 6356)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成23年10月24日
- 「水銀に関する条約の制定に向けた政府間交渉委員会第3回会合」の開催について(お知らせ)