報道発表資料

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2011年08月22日
  • 再生循環

「平成22年度 廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」結果について(お知らせ)

 市町村により分別収集された使用済ペットボトルは、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成7年法律第112号。以下「容器包装リサイクル法」という。)に基づく指定法人ルートによらない市町村独自処理が行われています。このため、「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自の処理に関する実態調査」を実施し、その結果の概要を取りまとめましたのでお知らせします。
 この結果、平成23年度(計画)の指定法人ルートでの処理量の割合は67.7%であり、平成22年度の見込量とほぼ同じ割合となりました。独自処理をしている市町村について、引渡事業者と契約時に引渡要件を定めていない市町村は、平成21年度調査とほぼ同じ37.6%でした。また、使用済ペットボトルの処理先について、住民へ情報を提供していない市町村は46.4%となり、こちらも平成21年度調査と比較して大幅な変化はありませんでした。
 今後の市町村の意向については、指定法人ルートを利用している市町村で、「独自ルートで引き渡す予定はない」市町村数は902(平成21年度888)、独自処理を利用している市町村で、「これまで通りとする予定である」市町村数は674(平成21年度666)と、いずれも平成21年度調査と比較して大幅な変化はありませんでした。
 環境省では、平成18年の容器包装リサイクル法の一部改正に伴い改正された容器包装廃棄物の排出抑制並びにその分別収集及び分別基準適合物の再商品化の促進等に関する基本方針(以下「基本方針」という)の趣旨について、引き続き市町村に対して周知、徹底を進めてまいります。

1.背景

 市町村により分別収集された容器包装廃棄物については、基本方針において、「指定法人等に円滑に引き渡すことが必要である。また、市町村の実情に応じ指定法人等に引き渡されない場合にあっても、(中略)分別収集された容器包装廃棄物が環境保全対策に万全を期しつつ適正に処理されていることが必要である。同時に、市町村は、このような容器包装廃棄物の処理の状況等については、住民への情報提供に努めることが必要である。」ことを定めています。
 しかしながら、使用済ペットボトルについては、輸出等市町村における独自処理が数多く行われています。
 今般、市町村における使用済ペットボトルの分別収集の実施状況及び処理の実態を把握することを目的に、平成21年度に引き続き、平成22年度も「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」を実施し、その結果の概要を以下のとおり取りまとめました。

2.「廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」調査概要

(1)調査目的:
市町村における使用済ペットボトルの独自処理の実態を把握すること
(2)調査対象:
ペットボトルの分別収集を行っている市町村
(3)調査期間:
平成22年12月~平成23年1月
(4)回答率:
98%(全市町村数(東京都特別区含む)1,750に対し回答数は1,714)

3.調査結果

(1)使用済ペットボトルの処理方法

 回答のあった市町村の指定法人向け処理量の割合は、平成21年度以降は横ばい傾向にあり、平成23年度(計画)は67.7%となった。

(2)引渡事業者の選定、契約時の要件

 独自処理を行う市町村のうち、事業者に要件を設けている市町村は59.2%、引渡しの要件を定めていない市町村が37.6%で平成21年度とほぼ同じ結果であった。(択一回答)

 また、引渡事業者に対する要件の内容としては、「引き渡した使用済ペットボトルを適切に再商品化すること」が67.0%で最も多く、次いで「国内再商品化製品利用事業者が利用すること」が45.1%、「環境保全対策に万全を期しつつ適正に処理されていること」が36.8%、「そのまま輸出事業者に引き渡さないこと」が28.9%となっている。(複数回答)

(3)要件の確認方法

 引渡事業者に要件を設定している市町村のうち、要件の確認方法としては、「仕様・契約書に盛り込む」が25.5%、「引取伝票などの調査を行っている」が14.2%、「事業者への聞き取り調査だけ」が11.5%、「事業者を信頼して特に確認せず」が4.7%となっており、「現場確認」を行っている市町村は38.6%にとどまっている。(択一回答)

(4)市町村独自処理についての市民への情報提供

 独自処理を行っている市町村のうち、独自処理をしていることを市民に説明しているかについては、「情報提供していない」が46.4%と約半数を占めており、次いで「独自処理していることのみを公表」が20.3%、「引き渡した事業者名と引渡量を公表」が11.0%、「指定法人処理と市町村独自処理の量を公表」が9.8%で、「引き渡した事業者名を公表」が6.3%、「引き渡した事業者名と最終利用先まで公表」しているのはわずか1.9%であった。(択一回答)
 なお、提供する情報の内容の構成比については平成21年度調査に比べ大幅な変化は見られなかった。

(5)市町村独自処理の引渡先事業者

 市町村独自処理の引渡先事業者の延べ数は876社(平成21年度実績)で、その業種内訳は、「自らフレークやペレットに加工」する事業者が54.5%と最も多く、次いで「自らは再商品化せず市町村がベール化したものを国内の再商品化事業者に販売」している事業者が17.1%となっている。輸出している事業者は計7.8%で、「フレークやペレットに加工して輸出」が5.9%、「ベール化したものを輸出」が1.9%となっている。

(6)使用済ペットボトルの行き先

 国内で再商品化されていると回答した市町村は、「国内でマテリアルリサイクル原料として利用」(52.6%)、「国内でケミカルリサイクル原料として利用」(3.3%)を合算した55.9%である。一方、「フレークやペレット化されているところまでは把握しているがそれより先は把握していない」(24.1%)、「全部または一部が国外に輸出」(14.3%)を合算して、最大で38.4%の市町村が使用済みペットボトルを輸出している可能性がある。(択一回答)

(7)輸出時の状態確認について

 使用済ペットボトルの行き先について、「全部または一部が国外に輸出」されていると回答した市町村に輸出時の使用済ペットボトルの状態を確認する方法について尋ねた結果、「事業者からの口頭説明」を受けているのみの市町村は34.4%、「自治体担当者の現場確認」が29.6%、「事業者からの提出書類で確認」が21.6%、「委託(売却)時の仕様・契約書」が5.6%となっており、「自治体担当者の現場確認」をしている市町村は29.6%であった。(択一回答)
 平成21年度調査と比較すると、「事業者からの口頭説明」が大幅に減少し、「自治体担当者の現場確認」、「事業者からの提出書類で確認」が増加している。

(8)市町村独自処理の選択理由

 市町村が独自処理を行っている理由として、「指定法人ルートよりも高く販売できるため」が45.2%で最も多く、次いで「小ロットでも引き取ってもらえるため」が31.7%、「柔軟に対応してもらえるため」が30.5%など、平成21年度調査と同様に様々な理由が挙げられている(複数回答)。傾向として価格面や対応面でのメリットが重視されている。

(9)今後の市町村の意向

 独自ルートを利用していない市町村で、「独自ルートで引き渡す予定はない」市町村数は、平成22年度調査では96.8%と圧倒的に多く、平成21年度調査(92.4%)と比較して増加している。

 また、独自処理を利用している市町村で、「これまで通りとする予定である」市町村数は、平成21年度調査では90.1%と全体の9割以上を占めている。次いで、「独自ルートでの引渡しはやめる方向である」が2.9%であった。平成21年度調査と比較すると、「これまで通りとする予定である」が増加し、「独自ルートでの引き渡しはやめる方向である」は減少している。

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通:03-5501-3153
代表:03-3581-3351
室長:森下 哲(内線 6831)
室長補佐:八巻 順(内線 6822)
担当:西松 恵子(内線 6837)