報道発表資料
環境省は、平成23年7月25日(月)から27日(水)までの3日間、国連大学及び南アフリカ共和国政府との共催により、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)に関する国際科学ワークショップ」を開催しました。
本ワークショップには国内外の専門家38名が参加し、IPBESの活動の柱の一つである生物多様性と生態系サービスに関する評価等について検討が行われ、成果文書案が取りまとめられました。本成果文書は、本年10月及び年明けに予定されているIPBES総会に提供される予定です。
1.会議の概要
(1)会議名称
- 日本語:
- IPBES(*)総会に向けた非公式国際科学ワークショップ
- 英語:
- An Informal Pre-Plenary Scientific International Workshop on Assessment and the IPBES
- *IPBES:
- Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services
(2)主催者等
- 主催:
- 環境省、国連大学、南アフリカ共和国
- 協力:
- 国連環境計画(UNEP)
(3)開催期間
平成23年7月25日(月)から27日(水)
(4)開催場所
国連大学 エリザベス・ローズ・ホール(東京都渋谷区青山)
(5)参加者等(別紙1参照)
- [1]共同議長:
- 武内副学長(国連大学)、
Albert van Jaarsveld氏(南アフリカ国立研究財団) - [2]参加者:
- 海外専門家27名及び国内研究者11名
2.経緯
IPBESは、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する役割が期待されている。IPBESは生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあり、現在、政府間のプラットフォームとしての設立に向けて検討が進められている。本年10月及び来年の前半に、UNEPの主催によりIPBESに関する総会が開催される予定。
IPBESは、知見生成・科学的評価・政策立案支援・能力開発の4つを活動の柱としており、本ワークショップは、このうち、生物多様性と生態系サービスに関する科学的評価の重要な要素やオプションをとりまとめることを目的としている。
なお、IPBES総会に向けて、それぞれの活動に関連する専門家会合が以下の通り開催されている。
- (1)
- 能力開発に関するワークショップ(本年5月、於ノルウェー):ノルウェー及びブラジル主催)
- (2)
- 知見生成に関するワークショップ(本年6月、於フランス):国際科学会議(ICSU)主催
また、今回のワークショップでは次の時代を担う研究者の育成とIPBESへの積極的参加を促すため、若手研究者も議論に参加いただいた。
3.成果
- ・
- ワークショップでは、以下の6テーマの作業グループを設け議論が行われた。
[1]評価と一般的な概念的枠組みの性質、[2]評価の種類と規模、[3]データと指標、[4]知識システムと伝統知識の活用、[5]評価におけるシナリオと不確定要素の扱い、[6]総論 - ・
- 各グループからの報告を全体会合でとりまとめるという作業を繰り返し、成果文書案が作成された。
- ・
- 成果文書は本年10月及び年明けに予定されているIPBES総会へ提出する予定。
<成果文書について>(別紙2:成果文書案概要(英文)参照)
成果文書は、IPBES設立に向けた背景と課題、及びこれまで国際的に行われてきた科学的な評価の経緯を整理した上で、生物多様性と生態系サービスに関する科学的評価のあり方についての様々な提案を示す文書となる。具体的には、設定された質問に答える形で、それぞれの項目に関する提案(recommendation)が示される。この中には、科学的評価の枠組み、評価実施に必要な期間、組織構成、用いるべき情報と指標、評価実施のレベル、評価の対象、関係機関等との連携などに関する提案が盛り込まれる見込み。
成果文書は、本ワークショップで作成された案を参加者間で精査し、後日、取りまとめられる予定。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
直通:03-5521-8275
代表:03-3581-3351
室長:奥田 直久(内線 6480)
室長補佐:鈴木 渉(内線 6494)
担当:平野 淳(内線 6476)