報道発表資料

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2011年05月16日
  • 地球環境

国連持続可能な開発委員会第19会期(CSD-19)/ハイレベルセグメントの結果について(お知らせ)

 国連持続可能な開発委員会第19会期(CSD-19)/ハイレベルセグメントが5月2日(月)~13日(金)にかけてニューヨーク(米国)の国連本部において開催されました(このうち閣僚級のハイレベルセグメントは5月11日(水)~13日(金))。我が国からは、南川環境事務次官他が出席しました。「持続可能な消費と生産に関する10年取組枠組み」、「化学物質」、「廃棄物管理」等の決定案について議論が行われましたが、G77+中国(特に、アラブ連盟)の反対により、最終合意には至りませんでした。その結果、CSD-19については決議文書が採択されずに終了となりました。
 また、我が国は、12日(木)に廃棄物管理に関するサイドイベント「Building Partnerships for Moving Towards Zero Waste」を開催しました。

1.日時:

平成23年5月2日(月)~13日(金)
(閣僚級のハイレベルセグメントは5月11日(水)~13日(金))

2.会議名:

国連持続可能な開発委員会第19会期(CSD-19)/ハイレベルセグメント

3.開催地:

ニューヨーク(米国)国連本部

4.議題:

「持続可能な消費と生産に関する10年取組枠組み」、「化学物質」、「廃棄物管理」等

5.参加者:

国連加盟国、関係国際機関及び各ステークホルダー等の代表者。
我が国からは、南川環境事務次官及び外務省・環境省担当官が出席。

6.概要

(1)CSD-19ハイレベルセグメント

 我が国は、オープニングセッションにおいて、東日本大震災に対する各国からの励ましと支援に対して深い感謝を表明しました。また、CSD-19のテーマの1つである廃棄物管理に関して、本年2月に東京で開催した「ゼロ・ウェイストへ向けたパートナーシップ構築に関する国際会議」の報告と我が国主催でCSD-19期間中に開催のサイドイベントの紹介を行いました。さらに、化学物質に関しては、本年1月に千葉で開催された「水銀条約の制定に向けた第2回政府間交渉委員会」への協力と、条約制定のため2013年に予定される外交会議の我が国開催への支持について、各国に謝意を述べるとともに、ホスト国としての決意を表明しました。最後に、生物多様性について、今回ニューヨークにおいてABS名古屋議定書へ署名することを報告するとともに、CBD-COP10議長国としてCOP10決定事項の実現に向け引き続き努力する旨を述べました。
 持続可能な消費と生産セッションにおいては、グリーン経済への移行との関連での持続可能な消費と生産の重要性を認めた上で、10年取組枠組みを作るにあたっては実施される取組とその進捗状況を評価する仕組みの重要性を指摘しました。また、関連するわが国の取組を紹介し、世界全体でグリーン経済及び持続可能な消費と生産を実現していくために積極的に貢献していく旨を表明しました。

(2)CSD-19

 以下の内容を盛り込んだ決定案について議論が進められましたがG77+中国(特に、アラブ連盟)の反対により、最終合意には至りませんでした。その結果、CSD-19については決議文書が採択されずに終了となりました。

[1]持続可能な消費と生産に関する10年取組枠組み」

 持続可能な消費と生産については、ビジョン、機能、組織、実施に係る事項及び具体的な取組について定めた2021年までの10年取組枠組みに関する決定案について議論が進められました。

[2]「化学物質」

 化学物質については、ライフサイクルを通じた包括的な化学物質対策の推進や、関連する条約やSAICM※等の国際的な政策及び法的枠組みの強化等を内容とする決定案について議論が進められました。(※SAICM:国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ。2002年の国連持続可能な開発サミットを受けて、2006年にICCM1で採択、UNEPで承認。)

[3]「廃棄物管理」

 廃棄物管理については、長期的な戦略策定の必要性、廃棄物管理のシステム、インフラ及び技術の改善、3R及び廃棄物の適正処理の推進、政策及び戦略の実施の強化、特に途上国における能力及び技術の強化等を内容とする決定案について議論が進められました。

(3)サイドイベント

 我が国は、12日(木)に廃棄物管理に関するサイドイベント「Building Partnerships for Moving Towards Zero Waste」を開催しました。
 本サイドイベントでは、本年2月に我が国が国連とともに東京で開催した「国連持続可能な廃棄物管理会議~ゼロ・ウェイストへ向けたパートナーシップ構築に関する国際会議~」の成果を紹介しました。さらに、同会議で発足が合意された「地方自治体の廃棄物管理サービスを拡大するための国際パートナーシップ(IPLA)」が正式に発足しました。

(4)バイ会談等

 会期中、南川環境事務次官はポトチュニック環境担当欧州委員やチボー・フランス環境担当大使とバイ会談を行い、国連持続可能な開発会議(リオ+20、2012年6月開催予定)や生物多様性について意見交換を行いました。
 また、英国国連代表部主催の気候変動フレンズ会合に出席し、フィゲレス気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長や各国国連代表部大使等と、気候変動の国際交渉について意見交換を行いました。

(参考)国連持続可能な開発委員会(CSD)について

 1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」において設置が決まった国連組織。同サミットで採択された「アジェンダ21」の実施状況のレビューを行うことを主な目的としている。
 毎年春にニューヨークの国連本部において当該委員会の本会合を開催しており、近年は2年を1サイクル(1年目を「評価年」、2年目を「政策年」)として、テーマ別に当該実施状況及び今後の政策に関する議論を行っている。
 2010年から2011年にかけては、2010年が評価年、2011年が政策年とされ、「運輸」、「化学物質」、「廃棄物管理」、「鉱業」、「持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み」の5つのテーマについて議論が行われた。

連絡先
環境省地球環境局国際連携課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8343)
課長:塚本 直也(内:6760)
企画官:田中 良典(内:6720)
課長補佐:清野 達男(内:6722)
担当:清家 裕(内:6747)