報道発表資料

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2011年05月16日
  • 大気環境

東北・上越新幹線に係る新幹線鉄道騒音の75デシベル対策達成状況等について(お知らせ)

 平成18年5月に環境省が関係行政機関に要請した「新幹線鉄道騒音に係る当面の75デシベル(※)対策」に基づき計画された東北・上越新幹線に係る「75デシベル対策」が完了したことを受け、対策実施区間の中から71測定地点を選定し騒音測定を行い、75デシベル対策の達成状況の把握を行いました。
 その結果、すべての測定地点において、75デシベル以下となっていることを確認しました。

新幹線鉄道騒音の単位については、計量法が平成4年に改正されたことにより、それまでのホンに代わりデシベルを用いているところです。また、75ホンと75デシベルとは同じ量です。

1.経緯

 新幹線鉄道騒音については、昭和60年度から環境基準の達成に向けた対策として、新幹線鉄道沿線の住宅密集地域等であって75デシベルを超える地域(以下「対策区間」という。)における騒音レベルを75デシベル以下とするため、関係行政機関及び関係事業者において、いわゆる「75デシベル対策」を推進しているところです。
 これまで第1次から第3次にわたり75デシベル対策を実施し対策区間すべての測定地点において75デシベル以下であることが確認されてきたところですが、対策区間以外の区間において、いまだ75デシベルを達成していない地域が残されていることから、引き続き環境基準の達成に向け「75デシベル対策」を推進するよう、平成18年5月に関係行政機関に要請しました。
 今般、この要請に基づき計画された、東北・上越新幹線に係る「75デシベル対策」が完了したことを受け、達成状況の把握を行いました。

2.測定方法

(1)測定実施自治体

埼玉県、茨城県、栃木県、福島県、宮城県、岩手県、群馬県、新潟県、さいたま市、仙台市

(2)測定期間

平成22年9月~平成23年2月

(3)測定地点及び測定点

 測定地点は、今回の対策区間の中から東北新幹線46地点、上越新幹線25地点を選定しました。県・政令指定都市別の測定地点数は表1のとおりです。
 測定地点側の軌道中心から25mの測定点(以下「25m点」という。)を標準測定点(※)として測定しました。なお、測定地点の住環境等を考慮し、東北新幹線の全46地点のうち6地点については、25m点に加え、測定地点側の軌道中心から50mの測定点(以下「50m点」という。)においても追加測定点(※)として騒音を測定しました。

「新幹線鉄道騒音測定・評価マニュアル」(平成22年5月 環境省)の「4 測定地点の選定」にいう、「標準測定点」、「追加測定点」。
参照)https://www.env.go.jp/air/noise/sinkansen/manual.html

表1 県・政令指定都市別測定地点数

(4)騒音測定方法

 環境基準の告示に定める方法に従い、連続して通過する20本の列車の騒音を測定し、このうち最大騒音レベルの大きさが上位半数のものをパワー平均したものを当該測定点における評価値としました。

3.騒音測定結果

 25m点における騒音レベルの分布状況は図1のとおりです。すべての測定地点において、75デシベル以下となっていることを確認しました。

図1 騒音レベルの分布状況(25m点)

 次に、50m点における騒音レベルの分布状況は図2のとおりです。すべての測定地点において、75デシベル以下となっていることを確認しました。

図2 騒音レベルの分布状況(50m点)

4.騒音レベルの推移

 東北・上越新幹線については、昭和62年度に環境基準達成状況調査を実施し、その後、第1次対策から対策が完了する度に75デシベル対策達成状況調査を実施しています。75デシベル対策達成状況調査は、毎次調査地点が異なるため、騒音レベル等の推移を厳密に比較・評価することはできませんが、75デシベル対策の推進により、東北・上越新幹線沿線の騒音レベルは、全体的には改善の傾向にあります。

表2 東北・上越新幹線における騒音レベルの推移(25m点)

5.今後の対応

 今後も引き続き、これまでの75デシベル対策区間以外の区間において75デシベルを超える地域の音源対策を計画的に推進し、75デシベル以下とするとともに、環境基準達成に向けての取組を推進していくこととしています。
 なお、東海道新幹線における本調査を、平成23年度(平成22年度対策完了)に実施する予定です。

連絡先
環境省水・大気環境局自動車環境対策課
直通:03-5521-8301
代表:03-3581-3351
課長:山本 昌宏(6520)
審査官:難波 和宏(6523)
担当:新美 利典(6523)