報道発表資料
我が国が加盟する環境保護に関する南極条約議定書では、同議定書締約国が南極地域において環境影響が一定程度以上となるおそれのある活動を行おうとする場合に、包括的な環境影響評価書の案を作成し、他の締約国に送付すること、また、送付を受けた締約国は、これを公表し、自国民からの意見を収集することが定められています。
今般、韓国政府から、新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案が送付されましたので、これを公表するとともに、当該評価書案に対する意見を募集します。
1.環境保護に関する南極条約議定書に基づく包括的環境評価書案について
環境保護に関する南極条約議定書(以下「議定書」という。)は、南極の環境並びにこれに依存し及び関連する生態系を包括的に保護するため、1991年に採択され、1998年に発効しました。
議定書では、南極条約地域(南緯60度以南の地域)におけるすべての活動について、環境への影響の程度に応じて環境評価を行うことが規定されており、活動の影響が軽微な又は一時的な影響を上回るおそれがあると判断された場合には、包括的環境評価書を作成することとされています。
包括的な環境評価書案を作成した場合、当該締約国は、議定書附属書<1>第3条3に基づき、これを公表し、意見を求めるためにすべての締約国に送付することとされています。送付を受けた締約国は、これを自国民に対して公表する義務を負う一方、評価書案を作成した締約国に対して意見を送付することができます。
その後、各締約国からの意見、南極条約協議国会議環境保護委員会の助言及び南極条約協議国会議(平成23年は6月にアルゼンチンで開催予定。)において提出された意見を反映させた最終的な包括的環境影響評価書を作成した後、当該評価書に従い、実際の活動が実施されることとなります。
2.今般、韓国から送付された包括的環境影響評価書案の概要について
今般、韓国政府から送付された、新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案の概要は以下のとおりです。
(1)表題
韓国の新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案
(2)作成者
韓国極地研究所、韓国環境研究所
(3)当該活動の目的
集学的な調査による地球規模の気候変動予測への国際貢献を目的とし、地球気候の観測、南極地質構造の調査等の促進や南極における科学研究に関する国際協力のプラットフォーム形成のため、新たな基地の建設及び運営を行うもの。
(4)環境影響評価の対象となる活動
南極における韓国の新観測基地の建設及び運営
(5)環境影響評価の概要
本活動については、環境に対する影響を最小限に抑えており、基地の建設と運営が周辺環境に対して及ぼしうる影響は軽微又は一時的なものであり、これらの活動の開始は十分に正当化し得るものと結論。
[御意見募集要項]
1.意見募集対象
韓国の新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案
(※当該評価書案の原文(英語)及び日本語版概要(当省作成)はこちら。)
2.意見募集期間
平成23年5月9日(月)~平成23年6月8日(水)
3.意見提出方法
(意見提出用紙)の様式により、以下に掲げるいずれかの方法で提出してください。
- (1)
- 郵送
- (2)
- ファックス
- (3)
- 電子メール
- (意見提出用紙)
- [宛先]
- 環境省自然環境局自然環境計画課 あて
- [氏名]
- (企業・団体の場合は、企業・団体名、部署名及び担当者名)
- [郵便番号・住所]
- [電話番号]
- [ファックス番号]
- [意見]
- 意見内容及び理由
- ※
- 基地の計画の実施に当たり、環境保護の観点から、留意すべき事項等を具体的に記述してください。
- ※
- 使用言語は日本語又は英語のいずれかとして下さい。
- ※
- 電話での意見提出はお受けしかねますので、あらかじめ御了承ください。
4.意見提出先
環境省自然環境局自然環境計画課 あて
- ○郵送の場合
- 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
- ○ファックスの場合
- 03-3591-3228
- ○電子メールの場合
- antarctic@env.go.jp
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8274)
課長 塚本 瑞天(内6430)
課長補佐 高柳 威晴(内6978)
担当 長谷川 修一(内6978)