報道発表資料

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2011年04月29日
  • 水・土壌

第13回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM13)及び韓国・中国との二国間会談の結果について

 第13回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM13)が4月28日(木)と29日(金)に韓国釜山にて開催され、我が国からは、近藤環境副大臣が出席しました。
 会合では、気候変動対策、黄砂等の越境汚染対策等の環境問題について議論が行われたほか、今回の東日本大震災を受け、今後三カ国で自然災害に起因する環境破壊に対処するための共同方策を策定することとされ、共同コミュニケとして採択されました。また、三カ国の学生や産業界の代表者との間でも議論が行われました。
 あわせて、韓国、中国とそれぞれ二国間会談を行い、中国とは、環境協力事業実施についての覚書を2本合意しました。

1.日程

平成23年4月28日(木)~29日(金)

2.開催場所

韓国・釜山

3.主な出席者

日本
近藤 昭一 環境副大臣
中国
周 生賢(しゅう・せいけん)環境保護部長
韓国
李 萬儀(イ・マニ)環境部長官

4.日中韓三カ国環境大臣会合の概要

 韓国の李環境部長官が議長を務め、各国の環境政策の進展、地球規模及び地域の課題等について意見交換を行いました。また、三ヵ国の学生、産業界の代表者の間で環境課題について議論が行われ、大臣会合に報告された。これらの結果については、共同コミュニケ(別添資料1)として採択されました。主なやりとりは以下のとおりです。

冒頭、東日本大震災に対するお見舞いの意が示され、近藤副大臣から韓国・中国からの支援について感謝の意を示すとともに、震災及び原発事故の対応、安全の確保に最優先で取り組んでいることを説明し、中国及び韓国から理解が示された。
近藤副大臣からの要請を踏まえ、今後三カ国で、黄砂や海洋ごみ等の越境汚染対策、渡り鳥が関係する鳥インフルエンザ対応等の分野での協力及び対策強化が合意された。
東日本大震災を踏まえて、自然災害に起因する環境破壊を防止するため、三ヵ国間の密接な協力が重要である点について合意され、今後、情報共有や人材育成等の共同施策を検討することとされた。
昨年策定された「共同行動計画」の進捗を確認し、実施を更に推進していくことが合意された。
三カ国の学生の間で、低炭素グリーン・キャンパスの実現、将来のグリーンリーダーの育成について、また三カ国の産業界の代表の間で、環境市場を拡大するための環境情報の共有、途上国の環境を改善するための共同事業について意見交換が行われ、大臣会合にその結果が報告された。
次回会合は、来年中国で開催されることとなった。

5.二国間会談の概要

(1)韓国

 李萬儀・環境部長官と会談を行いました。主なやりとりは以下のとおりです。

李長官から、東日本大震災に対するお見舞いの意と、韓国環境部職員が義援金を提供したことが述べられ、近藤副大臣からは、韓国からの支援に対して感謝の意が伝えられた。また、原子力発電所事故に関連して、日本側がその経験について世界各国と共有することが重要である旨の説明があった。
両国の気候変動対策の進捗状況、排出権取引等の検討状況、気候変動交渉について意見交換が行われた。
李長官から、昨年の生物多様性条約COP10における我が国の役割について高く評価する旨発言があった。近藤副大臣からは、COP10における韓国の協力及び韓国のSATOYAMAイニシアティブへの参加について謝意が伝えられた。

(2)中国

 周生賢・環境保護部長と会談を行いました。主なやりとりは以下のとおりです。

周部長から、東日本大震災に対するお見舞いの意が示され、近藤副大臣からは、中国からの支援に対して感謝の意が伝えられた。また、原子力発電所事故に関連して、周部長から迅速な情報提供の依頼があり、近藤副大臣からは、事態の収束、安全の確保に向けて最優先に取り組んでいること、国際社会に対し適切な情報の開示を行っていくこと、農作物や工業製品の安全性について等について説明した。
周部長から、本年決定された第12次5カ年計画等、国内の環境政策の動向と課題について説明があり、これら課題の克服のため一層の日中協力が必要であるとの点で一致した。これに関連して、大気汚染物質と温室効果ガスの排出削減に関する「コベネフィット研究とモデル事業(フェーズ2)の協力実施に関する覚書」及び「農村地域等におけるアンモニア性窒素等総量削減事業協力実施に関する覚書」の2つの日中環境協力に係る覚書が交わされた。
近藤副大臣から、黄砂、海洋ごみ、有害廃棄物の越境移動問題等について、今後更に、日中間の協力を促進させたい意向が示された。
なお、会談後、近藤副大臣と周部長は、日本環境協会と中国環境認証センターによる「日本エコマークと中国環境ラベル間の相互認証協定」の署名式に立ち会った。

【参考1】日中韓三カ国環境大臣会合

 日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM= Tripartite Environment Ministers Meeting)は、北東アジアの中核である日本・中国・韓国の三カ国の環境大臣が一堂に会し、本地域及び地球規模の環境問題に関する対話を行い、協力関係を強化することを目的に、1999年(平成11年)から毎年各国持ち回りで開催しています。これまでのコミュニケ等については、以下のウェブサイトを御参照ください。

TEMM公式ウェブサイト https://www.tcs-asia.org/en/cooperation/overview.php?topics=15
日本語解説サイト https://www.env.go.jp/earth/coop/temm/introduction_j.html

【参考2】日中で締結した覚書

[1]
日本国環境省及び中華人民共和国環境保護部によるコベネフィット研究とモデル事業(フェーズ2)の協力実施に関する覚書(別添資料2)
(覚書の要点)
(イ)
第12次5カ年計画における環境汚染物質の削減対象である窒素酸化物を含む協力を実施
(ロ)
具体的には、環境汚染物質と温室効果ガスの削減量を定量的に評価する共同研究、事業実現可能性調査・案件発掘、セミナー等を実施
(ハ)
実施期間:2011年から5カ年とし、3カ年目に評価を実施
[2]
日本国環境省及び中華人民共和国環境保護部による農村地域等におけるアンモニア性窒素等総量削減事業協力実施に関する覚書(別添資料3)
(覚書の要点)
(イ)
アンモニア性窒素等総量削減のための分散型排水処理モデル施設建設(3地域)
(ロ)
アンモニア性窒素等水汚染物質排出削減管理研究の実施、政策・技術交流セミナーの開催
(ハ)
実施期間:2011年から暫定的に3カ年

添付資料

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8248)
室長:新田 晃(内:6765)
室長補佐:長谷川 敬洋(内:6761)
担当:加瀬 武之(内:6764)
    溝口 恵子 (内:6764)

【日中環境協力に関する覚書について】
環境省水・大気環境局水・大気環境国際協力推進室
(直通:03-5521-8289)
室長:瀧口 博明(内:6532)
室長補佐:若公 崇敏(内:6618)
係長:黒田 景子(内:6560)

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