報道発表資料

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2010年11月19日
  • 総合政策

高速横浜環状北西線に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について

 環境省は、環境影響評価法に基づき、「高速横浜環状北西線」に係る環境影響評価書について、国土交通大臣等から環境の保全の見地からの意見を求められたことから、本日付けで環境大臣意見を提出した。

1.
環境省は、「高速横浜環状北西線」に係る環境影響評価書(都市計画決定権者:神奈川県(注1))について、環境影響評価法に基づき、国土交通大臣等(注2)から環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成22年11月19日付けで国土交通大臣等に対し、別紙のとおり環境大臣意見を提出した。
2.
本事業は、構想段階においてパブリック・インボルブメントの手続が実施され、住民の意見等を反映した概略計画が策定されている。同計画の策定においては、複数のルート案が比較検討されており、そこで居住環境や周辺の大気質・騒音等の環境の視点も考慮していることから環境保全の観点から望ましい事例といえる。
3.
一方、一部の地上部における周辺環境への影響や、トンネル工事に伴う建設汚泥等の発生の影響等ができる限り低減されるよう、環境大臣意見では以下の措置を適切に講ずる必要があることを指摘している。
【大臣意見の概要】
1.
大気質・騒音
(1)大気質
 排出ガス対策型の建設機械の使用に当たっては、二次排出ガス対策型等の環境負荷が小さいものを使用するよう可能な限り努めること。
(2)騒音
 工事用車両の運行に係る騒音の評価について、自動車騒音に係る要請限度だけでなく道路交通騒音に係る環境基準についても整合が図られているかを評価すること。
2.
温室効果ガスについて
 事業実施段階において、温室効果ガス排出量を削減するため、他の道路事業における取組状況を踏まえ、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律に基づく特定調達品目等の使用に努めること。また、効率的な施工の実施が建設機械等から排出される温室効果ガス排出量の削減に資することから、地域特性等を踏まえ、温室効果ガスの排出削減等に留意しつつ、効率的な施工計画を策定するよう努めること。
3.
廃棄物等
(1)発生抑制及び有効利用
 トンネル工事に伴う建設発生土及び建設汚泥について、実行可能な最大限の発生抑制に努めること。また、発生した建設発生土等について、実行可能な最大限の有効利用に努めること。
(2)建設発生土等の仮置き場
 トンネル工事に伴い発生する建設発生土等を仮置きする場所については、関係法令を遵守して適切に対応するとともに、工事着手前に関係機関や周辺住民への情報提供を行うこと。
4.
水環境
 工事排水については、工事中の散水・タイヤ洗浄により発生する濁水についても、事業実施段階において関係機関と協議し、適切に対応すること。
5.
景観
 換気所周辺の緑化については、事業実施段階において、必要に応じて動植物種の生息・生育環境に配慮して、利用する植物種及び緑化方法について検討すること。
6.
その他
 工事中及び供用後の大気環境及び騒音等の環境影響について、関係機関と連携しつつ、当該環境影響の状況を的確に把握し、その結果を踏まえ、必要に応じて適切な措置を講ずること。
 環境影響評価の結果を的確かつ分かりやすく記載するという観点から、その他の箇所についても見直しを行い、必要に応じ評価書を適切に修正すること。
4.
なお、今後、都市計画決定権者である神奈川県に対して、国土交通大臣等から環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。
(注1)
本事業は都市計画に定められるものであるため、環境影響評価は事業者に代わって都市計画決定権者である神奈川県が実施(環境影響評価法第40条第1項)
(注2)
国土交通大臣及び国土交通省関東地方整備局長

【参考】

○事業概要
・区間
:神奈川県横浜市青葉区下谷本町~横浜市都筑区川向町
・延長
:約7.1km
・設計速度
:60km/時
・車線数
:4車線
・計画交通量
:46,900台(平成32年)、32,800台(平成42年)
○環境影響評価の手続
・方法書縦覧
平成18年8月25日~10月10日(住民意見398件)
・知事意見提出
平成19年2月9日
・準備書縦覧
平成21年10月9日~11月24日(住民意見11件)
・知事意見提出
平成22年6月1日
・評価書接受
平成22年10月6日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長:小野 洋(内6231)
室長補佐:馬場 康弘(内6233)
審査官:伊藤 貴輝(内6253)
環境専門員:大城 一幸(内6232)
TEL 03-3581-3351(代表)
    03-5521-8237(直通)

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