報道発表資料

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2010年08月24日
  • 自然環境

日中共同トキ保護計画の更新について

 8月27日、北京において、小沢鋭仁環境大臣と賈治邦(かじほう)中国国家林業局長との間で、平成22年から平成27年までを対象として更新した「日中共同トキ保護計画」の署名が行われました。本計画は平成15年に策定され、本年までが実施期間となっていましたが、今回の更新により、今後の日中間のトキ保護協力に関する基本的な枠組みが定められることとなります。

1.共同計画の更新について

 トキ保護に係る日中の協力関係を引き続き強化・発展させる必要があることから、小沢鋭仁環境大臣と賈治邦(かじほう)中国国家林業局長のバイ会談で、トキ保護に関する日中の協力関係の一層の促進を確認し、平成22年から平成27年までを対象として更新した「日中共同トキ保護計画(別添資料1・2)」への署名を行いました。なお、本計画は署名が完了した時点より効力を発することになります。

日時:
平成22年8月27日 午前11時30分~
場所:
中国・北京・亮馬河飯店
署名者:
日本側:小沢鋭仁環境大臣、中国側:賈治邦(かじほう)中国国家林業局長

2.共同計画策定の背景

 平成15年から平成22年までを対象期間とした「日中共同トキ保護計画」は、平成12年10月に行われた当時の森総理と朱(しゅ)鎔(よう)基(き)中国国務院総理との首脳会談の成果として取りまとめられた「日中両国の21世紀に向けた共同作業~成果と展望(全33項目)」の1項目として、「日中共同トキ保護計画の策定」が日中間で基本合意された事を受け、平成15年10月、東京において、当時の小池百合子環境大臣と周生(しゅうせい)賢(けん)中国国家林業局長との間で署名が行われたものです。

3.共同計画の目的と成果

 日本と中国が、昭和60年以来行ってきたトキの保護協力について、それまでの成果を踏まえ、双方の協力関係を一層強化・発展させることにより、日本と中国にのみ生息し、国際的にも絶滅のおそれの高いトキの個体群の回復と発展を図り、生物多様性保全に資することが目的です。
 共同計画に基づき、これまでに、両国における野生復帰など、トキ保護事業の推進(参考2)、中国からのトキ2羽の提供 (参考3)、日中間の情報交換等が実施されました。

4.前計画からの主な変更点

人工繁殖・野生復帰の実施や、それに伴い両国合わせたトキの個体数が2倍以上に増加したことなど、これまで両国が進めてきたトキ保護事業の成果を明記。
今後の取組として、中国側はリスク分散のための人工飼育個体群の拡大、仮親による孵化の可能性の研究等、日本側は野生復帰個体群の発展及び安定の確保等について追加・充実。
日本が新たに実施する技術協力プロジェクト「人とトキが共生できる地域環境づくりプロジェクト」に関する記述を追加。日本の環境省は専門家派遣等で協力。
計画期間は平成22年から平成27年までであるが、日中のトキ保護協力の重要性に鑑み、双方による実施停止の申入れがない限り、計画期間終了後も協力を継続することを明記(計画の自動更新)。

5.共同計画更新の効果

 共同計画の更新により、今後日中双方のトキ保護事業が更に進展するものと期待されます。
 特に、日本側では、中国のトキとの個体の交換等を含めた繁殖協力を進めることによる遺伝的多様性の確保を通じ、日本のトキ個体群の安定・拡大が期待されます。
 一方、中国側では、日本の技術協力等により、トキの生息環境の保全・整備が推進され、中国のトキ個体群の安定・拡大が期待されます

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
直通:03-5521-8283
代表:03-3581-3351
課長:亀澤 玲治(6460)
課長補佐:堀内 洋(6475)
専門官:志田 麻由子(6464)
担当:中山 直樹(6468)

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