報道発表資料

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2010年08月06日
  • 総合政策

「環境経済の政策研究」新規研究課題の採択及び環境経済情報ポータルサイトの開設について(お知らせ)

環境省では、環境と経済がともに向上・発展する社会の形成に向けた「環境経済の政策研究」や、環境と経済の相互関係に着目した情報(環境経済情報)の体系的整備・情報提供を進めることとしている。
環境経済の政策研究について、本年6月に、2分野について研究課題の公募を行ったところであり、今般2課題(「持続可能な発展のための新しい社会経済システムの検討と、それを示す指標群の開発に関する研究」(研究代表者:京都大学 諸富徹教授)及び「日本の環境技術産業の優位性と国際競争力に関する分析・評価及びグリーン・イノベーション政策に関する研究」(研究代表者:政策研究大学院大学 角南篤准教授))を採択した。
 また、環境経済情報の整備・提供についても、本日付けで、環境省ウェブサイト内に「環境経済情報ポータルサイト」を開設した。本サイトには、本年4月に速報を行った環境経済観測調査や環境産業市場規模の情報を収録したほか、利用者別のユーザーガイドや検索機能を用意しており、今後とも情報の質・量の充実を図っていく考えである。

1.環境経済の政策研究 新規研究課題の採択について 

1.環境経済の政策研究の趣旨

 近年、先進国の経済活動に加え、開発途上国の急速な経済発展により環境負荷が増大し、将来的に影響が一層深刻化すると予測されている。一方、世界的な景気の落ち込みの中で、環境分野が新たな成長の牽引役として期待を集めている。今後、環境保全と経済成長が両立する社会をつくるためには、環境技術の開発・普及や環境分野での投資が経済社会にイノベーションをもたらし、中長期的に産業構造、経済活動の在り方を変革していくことが求められている。
 こうした問題意識のもと、環境省では、平成21年度より、環境保全の取組が経済をどのように発展させていくのか、経済動向が環境にどのような影響を与えるのか等について調査分析し、環境と共生できる新しい経済社会に向けた将来像の提示や環境政策の戦略的な実施につなげていく研究事業を実施している。本研究では、環境省が、行政課題を踏まえ政策研究を行うべき研究分野を設定し、公募選定を行い、選定された研究者と行政担当者との緊密な連携により研究を進めており、現時点で計13課題について研究が進行しているところである(別添1)。

2.環境経済の政策研究の採択等について

 平成22年6月22日(火)より、2つの分野について研究課題の公募を行った結果、合計8課題の応募があった。その後、外部の有識者により構成された環境経済の政策研究審査・評価会(座長:植田和弘 京都大学大学院経済学研究科・地球環境学堂教授)における審査を経て、今般、環境省において2課題(「持続可能な発展のための新しい社会経済システムの検討と、それを示す指標群の開発に関する研究」(研究代表者:京都大学 諸富徹教授)及び「日本の環境技術産業の優位性と国際競争力に関する分析・評価及びグリーン・イノベーション政策に関する研究」(研究代表者:政策研究大学院大学 角南篤准教授)。合計約3千万円)を採択課題として決定した。
 なお、採択が決定した各研究の研究実施期間は2年間であるが、毎年度終了後、当該年度の成果について取りまとめて公表するとともに、2か年終了後に最終成果として公表する。また、研究者と行政担当者との緊密な連携により研究を進めるものであり、2年を待たずとも、適宜その成果を具体的な政策に活用していく。
 応募課題数及び採択課題数は以下のとおりである。また、採択が決定した研究課題の概要については、別添1のとおりである。

研究対象分野応募課題数採択課題数
環境、経済及び社会の総合的な発展に向けた経済社会システムの在り方及びその進展を評価するための指標の研究
グリーン・イノベーションの推進と国際競争力の強化に関する研究
合計

2.「環境経済情報ポータルサイト」の開設について 

1.「環境経済情報ポータルサイト」開設の趣旨

 近年、経済活動と環境との関連はますます深まりをみせており、持続可能な社会を構築するためには、環境及び社会・経済に関わる状況の変化を、そのダイナミックな相互関係を含めて把握し、環境と経済がともに向上・発展するための各主体の取組を促進することが必要となっている。
 他方、環境省では、平成18年に閣議決定された第3次環境基本計画に基づき、平成21年3月に環境情報の長期的かつ総合的な基盤整備の基本的な方針となる「環境情報戦略」を策定した。この「環境情報戦略」では、当面優先して取り組むべき施策の筆頭に「環境と経済社会活動に関する情報収集の強化」を取り上げている。
 以上を踏まえ、環境省では、持続可能な社会の形成に向けて、各主体において環境と経済との関係のより深い理解に立った効果的な取組を進めるため、環境と経済との相互関係に着目した情報の整備・提供を行うこととし、環境省ウェブサイト内に「環境経済情報ポータルサイト」を開設したところである。
 環境省では、今後とも、提供する環境経済情報の質・量の充実を図っていく考えである。

2.環境経済情報ポータルサイトの特徴及び主なコンテンツ

(1)収載した環境経済情報

 環境経済情報の整備・提供は、企業、消費者、投資家等の各主体の行動を促すことを目的とし、必要な情報項目の体系化を図る必要がある。こうした観点から、環境経済情報の体系化の枠組みを以下のように整理した。[1]では、環境経済基礎情報として、環境と経済との相互関係への理解が深まるよう、環境問題別に、関係する各種統計や資料を、社会経済活動、環境負荷、環境の状態及び政策的対応の4分類に区分し、情報項目間の関係性を整理した。また、[2]~[5]には、各主体(情報ユーザー)のニーズとの関係を踏まえながら、適宜必要な情報項目を選定していくこととした。

[1]
環境経済基礎情報
[2]
環境産業に関する情報
[3]
企業の環境保全活動に関する情報
[4]
環境に関する投融資の状況に関する情報
[5]
行政の環境施策に関する情報

 具体的には、別添2「環境経済情報の整理体系」に従い各種環境経済情報を収集・整備した。この中には、本年4月に公表した環境経済観測調査の試行実施結果の確報版や、環境産業市場規模の推計結果なども含まれる。
 今回整備した環境経済情報は、一般の消費者や企業、投資家等がそれぞれの意思決定において直接的に活用されるだけでなく、アナリストなどの分析にも広く活用され、各方面のより深い議論、理解につながることが期待される。

(2)ユーザーガイド

 情報ユーザーが、膨大な環境経済情報の中から自らのニーズに沿った情報に容易にたどり着けるよう、ユーザー別に有効な情報をわかりやすく解説するとともに、当該情報サイトにリンクを張ったユーザーガイドを用意した。ユーザー種別は、企業、市民団体・一般市民、研究者、投資家、自治体の5種類とした。

(3)検索機能

 上記の他、本ポータルサイトからリンクされている各種情報をキーワード検索できる機能を付与した。

3.環境経済情報ポータルサイトへのアクセス方法

 環境経済情報ポータルサイトのURLは以下のとおりである。
 https://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/
 なお、環境省ホームページからは、「総合環境政策」の「環境と経済」から、又は「行政活動の現状」の「環境統計・調査結果等」から、本ポータルサイトにアクセスすることができる。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境計画課環境経済政策調査室
直通:03-5521-9265
代表:03-3581-3351
室長:川上 毅(内線6227)
補佐:宮永 径(内線6265)
補佐:井上 和也(内線6274)
補佐:久保 善哉(内線6290)

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