報道発表資料
7月19日(月)~24日(土)に、鷺坂水・大気環境局長他が中国を訪問し、日中間の協力による「分散型排水処理モデル施設の引渡式(21日:江蘇省泰州市、23日:重慶市)」に出席しました。これは、平成20年5月に日中両国の環境大臣間で締結した覚書に基づき協力を進めているものです。また、引渡式に先立ち、19日に北京で趙華林 中国環境保護部汚染物排放総量抑制司長と日中局長級対話(第10回)を行い、上記モデル事業の成果を確認するとともに、水環境や大気環境の保全、コベネフィット・アプローチの推進について意見交換を行いました。
1.概要
平成20年5月に日中環境大臣間で締結された「農村地域等における分散型排水処理モデル事業協力実施に関する覚書」に基づき、排水処理が十分でない中国の農村地域における水環境改善対策の普及に向けたモデル事業として、平成20年から中国内6地域において排水処理施設の建設を進めています。
これらのうち、平成20年に着手した江蘇省泰州市、重慶市の計4施設については、平成21年夏に完成後、施設の運転管理を行ってきましたが、1年間の管理や水質浄化効果の調査を経て、所定の機能を果たしていることが確認されたことから、今般中国側に引渡しました。
2.引渡式の日時・場所・出席者
江蘇省泰州市
- 日時:
- 平成22年7月21日(水)
- 場所:
- 江蘇省泰州市 泰州賓館
- 日本側出席者:
- 鷺坂水・大気環境局長 他
- 中国側出席者:
- 中国環境保護部汚染物排放総量抑制司副処長、江蘇省環境保護庁副庁長、泰州市長 他

重慶市
- 日時:
- 平成22年7月23日(金)
- 場所:
- 重慶市 万州国際大酒店
- 日本側出席者:
- 森北 水・大気環境局水環境課長 他
- 中国側出席者:
- 万州区長、重慶市環境保護局総量処 他
3.中国環境保護部担当局長との意見交換
引渡式に先立ち、趙華林 中国環境保護部汚染物排放総量抑制司長と以下の協力について意見交換を行いました。
- 1)
- 水環境協力(分散型排水処理モデル事業)
日中双方で平成20年から開始された農村部における分散型排水処理モデル事業の進捗状況を確認するとともに、平成20年に着手した江蘇省泰州市、重慶市の計4施設については、平成21年夏の完成後1年間の運転管理状況や水質浄化効果に関する専門家からの報告を受け、モデル事業の成果を確認し、施設の所有権及び管理を中国側に引き渡すことに合意しました。
また、泰州市や重慶市のモデル施設には中国各地からの視察が相次いでいることや本事業の成果に基づき中国側の自己資金で実施している排水処理事業についても順調に進捗していること、さらには平成23年に策定される第12次5ヶ年計画にも農村部における分散型排水処理施設の建設推進が位置付けられる見通しであることなどの報告があり、モデル事業として着実な成果が表れていることが確認されました。 - 2)
- 窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究
平成21年度から開始された、中国の実情にあった窒素・りんの水質総量削減の実施方策に関する共同研究が、順調に進捗していることを双方で確認しました。また、中国側からは、窒素・りんの水質総量削減に関する新たな日中協力プロジェクトの実施に関し、今後協力機関や目標を定めた実施計画を策定した後、然るべきレベルで内容を確認したいという積極的な意向が表明されました。 - 3)
- コベネフィット・アプローチ協力
平成20年から開始された、環境汚染対策と温暖化対策を同時に達成するコベネフィット・アプローチの推進に係る協力について、湖南省湘潭市を新たな共同研究の対象とすることを確認するとともに、今次3年間の取組の取りまとめについて協議を行いました。また、今次協力期間後の協力拡大の可能性について意見交換を行いました。 - 4)
- 窒素酸化物の大気総量削減に係る日中共同研究
平成21年度から開始された、窒素酸化物の大気総量削減(光化学オキシダント、微小粒子状物質の対策にも資するもの)に関する協力につき、昨年度の取組が順調に行われたことを確認し、中国側からは、今年度開催が予定されるワークショップ等について、期待の意が示されました。
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局水・大気環境国際協力推進室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8289
室長:瀧口 博明(内線6532)
主査:黒田 景子(内線6560)
環境省水・大気環境局大気環境課
課長:山本 光昭(内線6530)
補佐:山田 克之(内線6533)
環境省水・大気環境局水環境課
課長:森北 佳昭(内線6610)
補佐:若公 崇敏(内線6618)
係長:大山 修(内線6632)
環境省水・大気環境局環境管理技術室
室長:岩田 剛和(内線6550)
担当:重松 賢行(内線6557)
環境省水・大気環境局閉鎖性海域対策室
室長:室石 泰弘(内線6660)