報道発表資料

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2010年07月29日
  • 大気環境

「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」(第十次答申)について(お知らせ)

 平成22年7月28日に開催された中央環境審議会大気環境部会(部会長:坂本和彦埼玉大学大学院理工学研究科教授)において、ディーゼル重量車の排出ガス低減対策並びにE10対応ガソリン車の排出ガス低減対策及びE10の燃料規格に係る「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十次答申)」が取りまとめられ、同日付けで中央環境審議会会長から環境大臣に対し、答申がなされました。
 今後、環境省においては、本答申を踏まえ規制強化のための所要の手続を行う予定です。

1.経緯

 平成8年5月21日に環境大臣が中央環境審議会会長に対して諮問した「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」により、自動車排出ガス低減対策のあり方について審議が重ねられております。第十次答申については、平成20年5月から、大気環境部会自動車排出ガス専門委員会において8回にわたり検討がなされ、平成22年7月28日に開催された中央環境審議会大気環境部会において取りまとめられました。
 これを受け、同日付けで中央環境審議会会長から環境大臣に対し答申がなされました。

2.「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十次答申) 」の概要

(1)今後のディーゼル重量車の排出ガス低減対策

 大都市地域における環境基準の達成を将来に向けて確実なものとし、かつ、それを維持していくとともに、我が国自動車メーカーの環境技術に係る国際競争力の確保を図っていくため、ディーゼル重量車の排出ガス低減対策を次のとおりとする。

窒素酸化物(NOx)に係る新たな許容限度目標値を0.4g/kWh とする(09年規制に係る規制値は0.7g/kWh)。この目標値は、燃費の伸びしろも考慮しつつ、欧米との比較においても、将来にわたって世界最高水準の環境技術の開発を促すものである。
技術開発コストの軽減等に資するため、現行の排出ガス試験サイクル(JE05モード)を、世界統一試験サイクルであるWHTC(World Harmonized Transient Cycle)に変更する。
排出ガス後処理装置の浄化率が低いエンジン冷間時の排出ガスの低減を図るため、従来のエンジン暖機時(ホットスタート)排出ガス試験に加え、エンジン冷間時(コールドスタート)排出ガス試験を導入する。
新たな許容限度目標値の適用時期は、平成27年度重量車燃費基準の達成に向けた技術開発の期間を確保するとともに、開発スケジュールが輻輳しないよう、平成28年末までとする。ただし、技術的な課題が大きい一部車種は適用猶予する。(トラクタ:平成29年末まで、小型車:平成30年末まで)
実使用環境においても排出ガス低減性能を確保できるよう、排出ガス規制の前提となる試験サイクル等に定められた試験条件以外での排出ガス低減対策(オフサイクル対策)を導入する。また、排出ガス低減装置の性能劣化等を各種センサー等により検出する、より高度な車載式故障診断(On-Board Diagnostics)システムについて、次期排出ガス規制の適用開始からおおむね3年以内の可能な限り早期に導入する。

(2)E10対応ガソリン車の排出ガス低減対策及びE10の燃料規格

 今後、地球温暖化対策の重要性がますます高まる中、ガソリンにバイオエタノールを10体積%まで混合した「E10」の普及を図っていくため、E10対応ガソリン車が市場に導入される環境を整えることを目的とし、E10対応ガソリン車の排出ガス低減対策及びE10の燃料規格を次のとおりとする。

E10の含酸素率上限は、エタノール10体積%から換算した3.7質量%とする。
エタノールを混合する基材ガソリンの蒸気圧を調整すること等により、E10の蒸気圧は、現行のE3レベルのガソリンの蒸気圧規格に適合させる。一方、地球温暖化対策の観点からバイオエタノール混合燃料について地産地消の取組を行っている地域の後押しをするため、地域における大気汚染状況、バイオエタノールの供給体制や供給・消費量の見込み、蒸発ガス発散防止のための代替措置の導入などを総合的に考慮して、地域限定で蒸気圧の緩和を認める仕組みを検討することが望ましい。
E10対応ガソリン車は、含酸素率0~3.7質量%の範囲でどの燃料が使用されても現行ガソリン車の排出ガス規制に適合させる。また、燃料配管をエタノールが浸透しにくいものとすること等により、現行ガソリン車の燃料蒸発ガス規制に適合させる。

(3)その他

 自動車排出ガス専門委員会第十次報告に掲げられた、二輪自動車等の排出ガス試験サイクル等の見直し、乗用車等の排出ガス試験サイクル等の見直し、NOx後処理装置導入に伴う課題等、今後の検討課題について、引き続き同専門委員会で検討を進めることとする。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室
直通:03-5521-8296
代表:03-3581-3351
室長:岩田 剛和(内線6550)
補佐:高井 誠治(内線6552)

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