報道発表資料
英国イーストアングリア大学(UEA)に設置された独立レビュー組織(The Independent Climate Change Email Review)により、7日、昨年11月に同大学の気候研究ユニット(CRU)から流出した電子メールから生じた問題に関するレビュー結果をまとめた報告書が公表されましたのでお知らせします。
昨年11月、英国イーストアングリア大学(UEA)の気候研究ユニット(CRU)から流出した電子メールから生じた問題流出に端を発するいわゆる「クライメートゲート事件」が報道され、データの捏造、IPCC評価報告書の結論への不信感などが報じられました。
同大学(UEA)は、ミューア・ラッセル卿(元グラスゴー大学学長)を中心としたチームによる独立レビュー組織(The Independent Climate Change Email Review)を設置し、同組織は本件に関するレビューを実施し、7日、そのレビュー結果をまとめた報告書が公表されました。
本レビューは、CRUの科学者への疑惑について、
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- 「科学者としての厳格さ、誠実さは疑いの余地がない。」
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- 「IPCC評価報告書の結論を蝕むような行為のいかなる証拠も見出さなかった。」
と結論づけ、また一方でデータ処理の透明性や情報公開請求への対応の改善などについての提言を行いました。
UEAは本レビュー結果を受けて、同日以下のとおり声明を発表しました。
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- 「コメントする人々が、この大変詳細な独立報告書が述べていることを正確に考慮し、最終的には陰謀説や世間に流布している虚実・誤解を捨て去ってくれることを望む。」
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- 「UEAの気候科学者および世界中の彼らの研究協力者(そのうちの幾人かはこの経験を通じ大変苦しんだ)の嫌疑が晴れたことが広く報道されることを望む。」
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- 「この報告書は、本学やより広い研究コミュニティおよびこの問題に関わるその他の組織による詳細な考慮を要する、多くの重要で有益な指摘をしている。」
(添付資料)
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- レビュー結果公表に関する受けたUEA声明(環境省仮訳、原文)
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- ミューア・ラッセル卿による「The Independent Climate Change Email Review 」発表に関する会見録(原文)
(参考)
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- 独立レビュー組織(The Independent Climate Change Email Review)によるレビュー報告書
http://www.cce-review.org/index.php - ・
- レビュー結果公表に関する受けたUEA声明(UEAホームページ)
http://www.uea.ac.uk/mac/comm/media/press/CRUstatements/muirrussellreport
添付資料
- レビュー結果公表に関する受けたUEA声明(環境省仮訳、原文) [PDF 278 KB]
- ミューア・ラッセル卿による「The Independent Climate Change Email Review 」発表に関する会見録(原文) [PDF 256 KB]
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課研究調査室
代表:03-3581-3351
室長:松澤 裕(内線6730)
補佐:清野 達男(内線6731)
係長:河里 太郎(内線6735)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成22年7月6日
- オランダ環境評価庁によるIPCC第4次評価報告書第2作業部会報告書の地域ごとの影響を評価する章に関するレビュー結果公表について(お知らせ)
- 平成22年5月6日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)レビュー委員指名に関するインターアカデミーカウンシル(IAC)の報道発表について(お知らせ)
- 平成22年3月11日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書作成プロセス及び手続のレビューの実施に関する国連・IPCC報道発表について(お知らせ)
- 平成22年3月1日
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「IPCC手続のレビューのための独立委員会の設置に関するIPCC議長声明」について(お知らせ)