報道発表資料
環境省では、環境配慮契約(製品やサービスを調達する際に、環境負荷ができるだけ少なくなるような工夫をした契約)に係る取組の検討を行う上での基礎資料とするために、平成21年9月~10月に全国の地方公共団体を対象に環境配慮契約への取組状況等について調査を実施し、その集計結果を次のとおり取りまとめましたので、公表いたします。
「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」(環境配慮契約法)は平成19年に施行され、国等においては法に基づく基本方針に従い、環境配慮契約への取組を進めています。本法においては、地方公共団体等に対し環境配慮契約を努力義務としており、今般、本法に基づく環境配慮契約の取組状況について、全国の地方公共団体を対象にした調査を実施いたしました。結果を見ると、いまだ取組は限定的ですが、法施行後初の調査となった前年度と比較して、法の認知度は高まっています。
経済・社会全体を環境配慮型のものに変えていくために、国だけでなく、各地方公共団体におけるより一層積極的な環境配慮契約の取組の推進が期待されており、平成22年2月に「地方公共団体のための環境配慮契約導入マニュアル」を作成したところです。環境省としては、今後とも、地方公共団体での環境配慮契約の取組を推進するため、マニュアル等も活用しながら、全国説明会の機会等を通じて、環境配慮契約の内容を周知し、さらなる普及を図ります。
1.調査の目的
国や地方公共団体等の公共機関が契約を結ぶ場合に、一定の競争性を確保しつつ、価格に加えて環境性能を含めて評価して、最善の環境性能を有する製品・サービスを供給する者を契約相手とするいわゆる環境配慮契約は、環境配慮契約法が施行されたことにより、各地方公共団体においても取組が始まっています。公共機関自らの事務による排出を削減する率先実行の必要性、公共部門の買い支えによる環境配慮型市場への転換、厳しい財政事情の下、トータルコストを勘案した効率的な予算の活用などの意義のもと、地方公共団体には、環境配慮契約を一層推進していくことが求められています。
本調査は、地方公共団体の環境配慮契約の実施状況を調査し、今後の環境配慮契約法に係る施策の検討の基礎資料とすることを目的として実施したものです。
2.調査の実施
- (1)調査対象:
- 全国1,844地方公共団体(平成21年9月1日現在)
- (47都道府県、18政令指定都市、788区市、991町村)
環境担当部局または調達担当部局
- (47都道府県、18政令指定都市、788区市、991町村)
- (2)調査時期:
- 平成21年9月~10月
- (3)調査方法:
- 各地方公共団体に対し、宅配便配布、郵送回収等
3.調査結果
- (1)
- 回答の状況
発送数 回収数 回収率(%) 都道府県・政令指定都市 65 65 100.0 区市 788 641 81.3 町村 991 692 69.8 合計 1,844 1,398 75.8 - ※
- 政令市については、平成21年9月1日時点の18都市で集計。
- (2)
- 主な調査結果
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- 環境配慮契約法の内容を知っていると回答した全体の割合は30.3%となりました。これは、昨年度の調査における27.2%から微増しています。都道府県・政令市では98.5%が内容を知っているという回答だったのに対し、町村では35.3%が知らないという回答となっており、昨年度に引き続き地方公共団体の規模により環境配慮契約法の認知度に差がみられました。
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- 契約方針を既に策定していると回答した割合は全体の1.9%でした。地方公共団体の規模別でみると、都道府県・政令市の約8割が策定に対して意欲を示しているのに対し、区市、町村では「現時点では環境配慮契約に取り組むかどうか分からない」との回答が約8割に及んでいます。
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- 契約方針を策定している(策定予定を含む)地方公共団体のうち、契約方針を「グリーン購入法に基づく調達方針の中に含めている」と回答した地方公共団体は50.2%となりました。また「単独で策定している(または予定)」と回答したのは全体の16.2%でした。その他にも「地球温暖化対策実行計画」や「環境基本計画」に位置づけているといった回答がありました。
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- 電力の購入に係る契約に取り組んでいる団体は2.2%となりました。都道府県、政令市においては、「全庁的に環境配慮契約に取り組んでいる」または「一部機関(本庁等)で環境配慮契約に取り組んでいる」という回答が3割を超えているのに対し、区市、町村においては、「現在のところ、取り組む予定はない」という回答が約9割となりました。
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- 自動車の購入及び賃貸借に係る契約において環境配慮契約に取り組む予定が現在のところはないと答えた割合は全体の86.8%となりました。当該契約については、区市、町村における取組や取組検討が微増しています。
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- 環境配慮契約に取り組む上での阻害要因としては、昨年から引き続き「環境配慮契約に関する情報がない」、「組織としての環境配慮契約に対する意識が低い」、「環境配慮契約を推進した場合の効果がわかりにくい」などが挙げられました。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
代表:03-5521-8229
課長:石飛 博之(内線6260)
課長補佐:橋本 一洋(内線6251)
担当:鈴木 莉恵子(内線6259)