報道発表資料

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2010年04月01日
  • 自然環境

皇居外苑濠管理方針等の策定について(お知らせ)

 国民公園皇居外苑には12の濠があり、我が国の象徴的な場である皇居外苑の重要な構成要素となっていますが、水質の悪化によるアオコの大量発生やブルーギルなどの外来魚の侵入などの問題が生じています。このため、環境省では、学識者・関係者の意見を聴きつつ検討を行った結果、皇居外苑濠管理方針及び皇居外苑水質改善計画を策定しました。
 環境省は、今後、この方針等に沿って水質改善対策等を進める予定です。

1 策定の目的

 国民公園皇居外苑には、皇居を取り囲むように12の濠があり、様々な国家的行事の場、皇居の前庭として我が国の象徴的な存在となっている皇居外苑の重要な構成要素となっています。
 しかし昭和40年に従来の水源であった玉川上水からの水供給が止まり、慢性的な水不足と継続的な汚濁物質の流入などにより、アオコが大量発生するなど、皇居外苑の象徴性を損ないかねない状況となっています。また、ブルーギル等の外来魚が侵入し、在来の生物を圧迫するなどの問題も発生しています。
 このような状況を踏まえ、外苑濠の適切な管理を行うため、皇居外苑濠管理方針及び水質改善の実施計画である皇居外苑濠水質改善計画をこの3月に策定したものです。なお、本方針及び計画の策定にあたっては、学識者・関係者の意見を聴くために、皇居外苑濠管理方針検討会及び同水質改善分科会(ともに座長:須藤隆一生態工学研究所代表)の意見を聴き、検討を行いました。(資料1参照)

2 皇居外苑濠管理方針の概要(資料2,資料3参照)

 皇居外苑濠管理方針では、外苑濠が我が国の象徴的な場である皇居外苑の重要な構成要素であるという位置づけを確認し、その象徴性の維持を第一の目標とし、併せて歴史遺産の継承、生物の生息・生育環境の改善などを目標に掲げています。
 取組としては、象徴性を損なうおそれのあるアオコの大量発生を防止するための水質改善を、東京都等ろの連携による下水道越流水の防止措置に併せ、浄化施設の改善、濠水の円滑な循環の確保、雨水等の活用による補給水の検討等によって進めることとしています。
 また、歴史の継承のため、単に現状をそのまま維持するのではなく、保存すべき対象の把握に努め、必要な補修、修復、適切な樹木の管理を行うとともに、景観の保全についても、象徴性、歴史性の確保を第一としながら、濠への眺望を適切に確保することとしています。
 生物の生息・生育環境の保全については、外苑濠が、多くの在来種が生息し、ホタルやベニイトトンボ、カモ類、ヒカリゴケなど特徴的な種の生息・生育する都心部において貴重な環境となっており、濠が従来有している潜在能力を復元することで、地域の生態系ネットワークへの寄与も可能としており、このため、水質悪化や外来魚などによる生息・生育環境への影響の改善や、皇居外苑の有する生息・生育環境を改善するための管理手法の検討を進めることとしています。
 この他、来訪者への適切な情報提供、ヒートアイランドの緩和機能など多様な機能についても、対応を進めることとしています。
 また、各濠毎に管理に当たって留意すべき事項や各濠の情報をとりまとめた濠別管理方針も併せて作成しました。

3 皇居外苑濠水質改善計画の概要(資料3、資料4参照)

 皇居外苑濠管理方針に基づき、アオコの大量発生を防止するための実施計画として皇居外苑濠水質改善計画を策定しました。  この計画は、合流式下水道の越流水の流入防止措置の行われる予定の平成27 年を当面の対策期間としています。  当面の対策としては、濠水浄化施設の新増築等による浄化機能の改善、浄化施設の濠水送水機能の改善等による円滑な濠水循環の確保、合流式下水道の越流水流入防止、水量確保のための雨水活用等の対策が示されています。  また、当面の対策を行った上で、さらに対策が必要な場合、中長期的な対策としては、浚渫・覆砂などの底泥対策、新たな導水、水生植物植物の管理による水質維持などの検討があげられています。  さらに、これらの対策の効果を評価するために、暫定目標値を設定しています。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局皇居外苑管理事務所
直通:03-3213-0095
所長:森 豊
次長:飛島 雄史

環境省自然環境局総務課
代表:03-5521-8286
直通:03-5521-3351
補佐:横山 公彦(内線6412)

環境省水・大気環境局水環境課
代表:03-5521-3351
直通:03-3213-0095
補佐:西 修(内線6618)

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